01_カ号観測機
(画像はwikipediaより転載)

 

 カ号観測機とは、日本陸軍が制式採用した唯一のオートジャイロで終戦までに98機が生産された。当初の目的は砲兵隊用の着弾観測機としてであったが、太平洋戦争開戦後は一部が対潜哨戒として使用されたがほとんど目立った戦果を挙げることはなかった。

 

カ号観測機 〜概要〜

 

 

性能(一型)

全幅 3.02m
全幅 10.60m
全高 3.10m
自重 750kg
最大速度 165km/h
上昇力  - m
上昇限度  - m
エンジン出力 240馬力(アルグスAs10C)
航続距離 360km
乗員 2名
爆装 60kg爆弾1発
設計・開発 小原五郎 / 萱場製作所

 

開発

02_カ号観測機
(画像はwikipediaより転載)

 

 1940年11月、陸軍は砲兵隊の着弾観測の必要性から萱場製作所に観測用オートジャイロの開発を命じた。小原五郎技師を設計主務者として開発を開始、1941年4月にケレットKD-1を修理改造した1号機が完成、5月26日に多摩川飛行場で初飛行に成功、1942年11月までにさらに2機を完成した。これらは、カ号一型観測機として制式採用された。名称の「カ」とは回転翼の頭文字である(1944年に陸軍の作戦名「カ号作戦」と名称が重複したためオ号と改称)。因みに通常、陸軍の航空機には計画番号「キ」が付されるが、このカ号にキ番号が付されていないのは陸軍技術本部の要求により開発されたためである。

 機体は、鋼管製の骨組みに布張り、ローターは鋼管製の桁にベニヤ板を張った3翅ローターで機首の周辺にだけ軽金属の外板を使用した。エンジンは、1号機はジャコブスL-4MA-7、2号機3号機はアルグスAs10を機首に搭載しており、正面のプロペラは2翅固定ピッチである。しかしアルグスエンジンはトラブルが多発したため生産は20機で打ち切られ、以降は1号機と同じジャコブスエンジンを装備している。アルグスエンジン搭載型は一型、ジャコブスエンジン搭載型は二型と呼ばれている。

 ローターで揚力を発生させ、前方のプロペラで前進する方法で約30〜60mで離陸することが可能であり、エンジンが停止した状態でローターの揚力のみで着陸する「オートローテーション」も可能であった。1945年4月にはローターの先に火薬ロケットを取り付けた新型ローターの実験が行われたが実用化はされなかった。カ号は発動機、伝動装置等の製作が捗らず、終戦までに98機が生産されたのみであった。この内、10数機は空襲により被爆、30機はエンジンが付いていなかったため実際に運用されたのは50機前後である。

 

生産数

 98機が生産されたが、エンジンが未装着のものが約30機あったため実際に完成したといえるのは70機程度である。

 

まとめ

 

 オートジャイロとはヘリコプターのようにローターによって推進するのではなく、上方にローター、前方にプロペラという2種類の推進器によって飛行するという過渡期の航空機であった。同時期に米軍はヘリコプターを実用化させており、終戦と同時に軍用オートジャイロは日本から姿を消した。現在でもオートジャイロは主にスポーツ用として活躍している。

 

 

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