01_零戦21型
(画像はwikipediaより転載)

 

艦上戦闘機と陸上戦闘機の違い

 

 

艦上戦闘機とは

 戦闘機。うーむ。オタクにとって非常に魅力的な言葉だ。しかしこの戦闘機の中には様々な種類の戦闘機が存在するのだ。まずは陸上基地から発進する戦闘機、第二次世界大戦期でいえば一式戦闘機隼四式戦闘機等陸軍航空隊が運用する戦闘機がこれに当たる。

 これに対して海軍も戦闘機を運用している。これは主に航空母艦に搭載するための戦闘機だ。日本海軍でいえば九六式艦上戦闘機零式艦上戦闘機などだ。でも零戦だって陸上基地で使用していたじゃーん、陸上基地専用の戦闘機と何が違うの?と思われるかもしれない。実は陸上基地専用の戦闘機と航空母艦で運用することを前提にした艦上戦闘機とは特性が違うのだ。

 

着艦フック

 艦上戦闘機とは基本的に航空母艦で運用する戦闘機なので空母への発着艦を前提としている。そのために着艦時に使用するフック等の独自の装備を持つ。航空母艦から発艦する場合、昔の飛行機はカタパルトを使用しなくても離陸することができたが、着艦ともなると制動ワイヤーと呼ばれるワイヤーが必要となる。

 航空機が空母へ着艦する際、航空母艦側は制動ワイヤーと呼ばれるロープを甲板に横に張る。これに対して航空機は機体後下方にある着艦フックを下ろす。このフックで制動ワイヤーを引っかける訳だ。こうすることにより着陸時の滑走距離を短くすることができる。

 

短距離離着陸能力と小型軽量化

 この着艦フック以外にはどんな特徴があるのかというと空母の甲板という小さな場所に着陸するためにはまず短距離離着陸能力が必要だ。そして低速性能。この低速性能というのは低速での機体の操作が容易なことだ。空母への発着艦、特に着艦時に航空機は限界まで速度を落とす。そして失速寸前のところで制動ワイヤーにフックを引っかけて着艦するのだ。これにはパイロットの非常に高い技術が必要だ。同時に機体自体も低速で安定して操作できるようにする必要がある。

 発着艦以外にも機体が小型軽量であることが求められる。これは単に格納するためだ。それとあまりにも大きすぎると空母の飛行甲板がぶっ壊れてしまうというのも多少はある。第二次世界大戦が終わりジェット戦闘機の時代になると米海軍では耐荷重性を高めるために航空母艦エセックス級にSCB-27という近代化改装を行っていたりする。

 日本海軍航空隊では零戦が登場するまで小型の九六式艦上戦闘機を使用していた。しかし時代の趨勢で大型化した零戦が登場すると大きすぎて小型機用に設計されていた空母のエレベーターに搭載することが出来なくなってしまった。このため零戦21型では翼端50cmを折り畳むことができる。この翼を折り畳む能力は米海軍のF4FF6FF4U戦闘機なども持っている。

 こういった機能を追加すればするほどそういった制約のない陸上戦闘機との性能の差は開いていく。何せ陸上戦闘機に関しては何の制約もないのだ。つまりは基本的に陸上戦闘機と艦上戦闘機を比べた場合陸上戦闘機に軍配が上がるのだ。

 

パイロットの腕

 これらの機体の特性、特に離着艦という特殊な技能が必要なため航空母艦のパイロットというのは特別にこれらの技術をマスターする必要が生じる。短い距離での発艦や前述の失速寸前での着艦など高度な技術が必要となるのだ。

 太平洋戦争が始まると日本海軍は基本的に機体の脆弱性や人命軽視の思想からこれらの高度な技術を持った熟練搭乗員の多くを早い段階で失ってしまった。1942年6月のミッドウェー海戦では搭乗員の損失はそれほどでもなかったが、前月の珊瑚海海戦、その後の南太平洋海戦では多くの熟練搭乗員を失う結果となった。

 このため艦上機の技術を持つパイロットの育成を始めるがその育成が完了する前にこれら搭乗員たちをい号作戦、ろ号作戦に投入、多くを消耗してしまう。い号作戦、ろ号作戦とは艦上機を一時的に陸上基地に揚げ一時的に戦況を有利にしようとした作戦だった。しかしこれによって上記の特殊な技術を学んだ艦上機乗り達のほとんどを失う結果となった。

 結局、再度再建を志すものの完了する前に日本海軍はマリアナ沖海戦を迎えることとなる。さらにこの時、機体は零戦も21型から52型、艦上攻撃機も九七式艦上攻撃機から天山九九式艦上爆撃機から彗星と大型、高速化していたため離着陸訓練時に多くの搭乗員と機体を失っている。

 

 

まとめ

 艦上戦闘機とは航空母艦で運用するため短距離離着陸能力が求められるとともに多く艦載するために小型軽量化が求められる。これらの特殊な事情により通常、陸上戦闘機と比べると性能的には若干劣る。さらに発着艦には特殊な技術が必要なため機体と共にパイロットにも高度な技量が必要となる。

 

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