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(画像はwikipediaより転載)

 

F7Fタイガーキャット

 

 

性能(F7F-3)

全幅 15.70m
全長 13.83m
全高 5.05m
自重 7,380kg(空虚重量)
最大速度 700km/h(高度6,767m)
上昇力 6,096mまで5分24秒
上昇限度 12,405m
エンジン出力 2,100馬力2基(P&W R-2800-34W)
航続距離 2,945km(300gal(1,136L)増槽装備時)
乗員 2名
武装 20mm機関砲4門(各200発)、12.7mm機銃4門(各300発)
爆装 胴体下907kg(2,000ポンド)爆弾1発または
   翼下450kg(1,000ポンド)爆弾2発
設計・開発 ロバート・L・ホール / グラマン社

 

概要

 世界史上類を見ないレシプロ双発艦上戦闘機である。双発戦闘機というのは米国でもP-38ライトニング等多くの成功作があるが、レシプロ艦上戦闘機というのはほとんど例がない。このF7Fを開発したのはグラマン社で、これは同社が以前に試作していたXF5Fの開発経験が生み出した機体といえる。

 機体は双発単胴で主翼は高翼に近い中翼で艦上戦闘機ならではで、上方に折りたたみが可能である。大型の機体であるが、当時計画されていた大型空母(のちのミッドウェイ級空母)に搭載されることが前提であったことも機体が大型化した理由の一つかもしれない。

 開発契約は1941年6月30日に結ばれ開発がスタート、1943年11月2日初飛行したが、現用のF4F、F6Fの生産を優先させたために第二次世界大戦には極少数機を除いて実戦参加はしていない。全幅15.70m、全長13.83m、総重量7トンの巨大な機体であり、武装も20mm機関砲4門、12.7mm機関砲4門という強力なものだった。このため着陸速度が速くなり空母への着艦には不利であった。

 その他、テールフック等にも問題があり、制式採用はされたものの夜間戦闘機として陸上基地から使用されたものがほとんどであった。第二次世界大戦中に初飛行したものの上記のように生産が後回しにされたために初の実戦参加は朝鮮戦争であった。生産は1946年11月まで行われ、運用は主に陸上基地から夜間戦闘機、偵察機としてのものだった。同盟国等に販売、供与されることなく米海軍、海兵隊のみの運用である。1954年に退役。

 

 

F7Fトムキャット?

 当初はタイガーキャットではなく、トムキャットと呼ばれていたがトムキャットとは英語のスラングで「女をあさる男」というような意味があり、さすがに駄目だということでタイガーキャットに変更された。但し、この名称はグラマン社がのちに開発する艦上戦闘機F-14では米海軍が公式に使用している。これは単純に時代が変わったのだろう。

 総生産数は364機でバリエーションは主にF7F-1〜4までの4タイプがある。F7F-1はプラット&ホイットニーR-2800 -22W星型ピストンエンジンを装備、40機弱が製造された。F7F-2は複座夜間戦闘機タイプで65機製造、F7F-3はP&WR-2800-34W星型エンジンと高高度での安定性確保のために大型化された垂直尾翼が特徴である。189機、複座夜間戦闘機タイプのF7F-3Nが60機製造されている。最終型のF7F-4は強度と安定性を高めた機体で空母での運用が認められたものの12機のみの製造で終了している。

 

 

 

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