
(画像はwikipediaより転載)
コルト ニューサービス
性能
全長 273mm
重量 1,300g
口径 45口径
使用弾薬 45口径ロングコルト弾
装弾数 6発
完成 1898年
設計・開発 コルト社
ニューサービス
コルト社初のダブルアクション(DA)、スイングアウト式リボルバーであったM1889、さらにそれを改良したM1892は、画期的で米軍に採用されたものの、作動の信頼性が今ひとつであった。これはシリンダーの回転方向とロックの機構の構造的な問題であったため、コルト社は改良を行い、ニューポケット、ニューポリス、ニューサービスという3種類のリボルバーを開発した。
これらは同一の機構を持ったモデルでそれぞれ民間向け、警察向け、軍用と用途によって分けられていた。民間向けと警察向けのニューポケットとニューポリスは全く同一で32口径を使用するモデルであったが、ニューサービスはこれらとは異なり、45口径ロングコルト弾という強力なカートリッジを使用することが特徴である。
このため開発が遅れ、他の2モデルが1895年、1896年に登場したのに対してニューサービスは1898年になって完成している。コルト社初の大口径DA、スイングアウト式リボルバーであるニューサービスは、それまでの2枚のスプリングでトリガーとハンマーを作動させる方式から折れ曲がった一枚のリーフスプリングでトリガー、ハンマーを作動させる方式に変更している。
1900年初頭、コルト社製38口径リボルバーであるM1892を採用していた米軍はフィリピンの原住民の抵抗に対して威力不足を痛感しており、一時期は旧型の45口径リボルバーSAAを前線に持ち出したほどであった。このためこの45口径を使用することができるニューサービスは米軍にとって魅力的であり、1909年にM1909として制式採用された。
M1909
M1909は陸海軍、海兵隊で採用され、以後、1911年に米軍初の自動拳銃であるM1911の採用まで制式装備として使用され続けた。しかしリボルバーとして安定した性能を持っていたM1909は、M1911制式採用後もM1911の不足を補うためにM1911が使用する45ACP弾を発射できるように改良されたM1917として第二次世界大戦後まで生産され続けた。
このM1917はS&W製ハンドエジェクターをベースに製作したS&W製のものもあるが、コルト社製M1917はシリンダー内にわずかな段差があり、45ACP弾のカートリッジがそこに引っかかるようになっている。自動拳銃弾はリボルバー用カートリッジと異なり、カートリッジ後部の突起(リム)がないため、シリンダーに装填するとそのまま抜けてしまう。このため通常はハーフムーンクリップという専用の薄い鉄板で作られたクリップを使用して装填するのだが、コルト社製M1917の場合は、前述の段差があるため、ハーフムーンクリップを使用しなくても装填することができる。排莢は出来ないが。。。
それはともかく、このニューサービス、M1909は完成度が高かったため様々な口径でのモデルが製作された。主なバリエーションは、38-40弾、44ロシアン弾、44スペシャル弾、44-40弾、455ウェブリー弾、38スペシャル弾などであり、357マグナム弾を撃てるモデルまで存在する。それほどフレームの強度が強かったのだ。
45ロングコルト弾の威力とは
因みにであるが、このM1909の特徴の一つである45ロングコルト弾というものであるが、どのくらいの威力があったのかということについて少し書いてみたい。45ロングコルト弾は弾頭重量230gr(グレイン)で初速が283m/s、エネルギーが650J(ジュール)となっている。これに対してM1909が採用されるまで米軍で制式採用されていたM1892が使用する38ロングコルト弾は、弾頭重量150gr(グレイン)で初速が237m/s、エネルギーが273Jである。エネルギーが2倍以上違っている。
参考までにM1909の次に制式採用されたM1911が使用する45ACP弾は、弾頭重量230grで初速が290m/s、エネルギーが639Jと45ロングコルト弾とほぼ同じである。38口径ロングコルト弾や現在主流である38スペシャル弾(威力はロングコルトの1.5倍ほど)に比べて45ロングコルト弾は圧倒的な威力があることが分かる。因みにみんな大好きな44マグナム弾はどのくらいの威力かというと弾頭重量240grで初速が460m/s、エネルギーが1,600Jである。桁違いなのが分かるだろう。
大人気商品
それはそうと、このニューサービス、DAでスイングアウト式、その上大口径カートリッジが使用できるとあって大人気となり1898年から生産が終了する1946年まで356,000挺以上が製造された。みんな大好きコルトパイソンもこのニューサービスとほぼ同じメカニズムで構成されており、ニューサービスがコルト社の歴史で果たした役割は大きい。
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