01_vestpocket
(画像がなかったのでベストポケット! wikipediaより転載)

 

コルト ジュニア

 

 

性能

全長 113mm
重量 370g
口径 25口径、22口径
使用弾薬 25ACP弾、22ショート弾
装弾数 6発
完成 1957年
設計・開発 コルト社 / アストラ社

 

コルトポケットピストル

 コルト社は1908年にコルト25ベストポケットを発売、この銃の設計者はジョン・ブローニング。全長はわずか10cm程度でストライカー方式を採用、カートリッジは25APC弾と非力ではあったが、携行性にすぐれていたため市場で大きな成功を収めた。しかしこの銃はストライカー方式を採用していたためカートリッジが薬室に入っているのかを外部から視認することが難しかったのだ。

 このためコルト社は露出ハンマー方式の同サイズのピストルの販売を計画する。しかしコルト社は米国内でコルト社による製造は行わず、スペインのアストラ・ウンセタ社が製造を行うこととなった。開発はアストラ200をベースに改良したものであったというが詳細は不明である。1957年には設計完了、1958年にコルトジュニア(Colt junior)として発売した。口径は25口径、カートリッジは25APC弾である。外観はスマートな、いかにもストライカー方式のハンドガンという形状のベストポケットとは異なって、露出式ハンマーの影響もあり少しイカツイ印象を受ける。

 

 

コルトジュニア

 

 コンシールド性を高めるためにフロントサイト、リアサイトは最小の突起で構成されており、ベストポケットでは搭載されていたグリップセイフティは廃止されている。マニュアルセイフティはトリガー上部に位置しており、マガジンキャッチはグリップ左側面下部にある。全長113mmで重量は370g、装弾数は6発で発射機構はストレートブローバック、トリガー機構は、SA(シングルアクション)、露出式ハンマーである。

 製造はスペインのアストラ社で行われており、米国市場へはスペインから輸入された本銃をコルトジュニアとしてコルト社ブランドで発売していたが、1968年に米国で銃器規制法が成立、これにより米国への輸入が制限されることとなった。この法案はケネディ大統領暗殺が暗殺された際に犯人が通信販売により犯行に使った銃を容易に入手していたことを問題視したもので、この法案の成立により、銃の販売者に対する免許制の導入、特定の者への銃器の譲渡の禁止、州間の銃器の輸送の制限、スポーツ目的以外の銃器の輸入の制限などが定められた。この法案は1970年に施行されている。

 コルト社が米国内での製造を行わずスペインで行った一番の目的は製造コストの削減であった。当時のスペインは米国に比べて人件費が安く、その分、製造コストも下げられるという目論みだったのだが、この法案の成立によりコルトジュニアの輸入が困難になったため、コルト社は、アストラ社より部品を輸入、1970年から米国内での製造(部品の組み立て)を開始した。数年間米国内での製造を行ったもののやはり人件費が負担となり1973年には製造を終了した。

 コルトジュニアには25APC弾の他に22ショート弾を使用するモデルもある。このモデルは1958年に発売、1968年まで約62,000丁が製造された。

 

トイガンでも発売されているよ

 このコルトジュニア、日本では1982年にマルシン工業からモデルガンとして発売されているので日本のガンファンには馴染み深いものだと思う。ガスガンでは海外のWE社が発売している。コルト社の小型ピストルには前述のコルトベストポケットというモデルも発売されており、こちらもコクサイより1982年に発売されている。

 当時の私はマルシン製コルトポケットとコクサイ製コルトポケット、同じコルト社の製品なのに違うのは何故なのだろうかと考えていたが、当時はインターネットなるものはなく悶々としていた。私以外にも同じ疑問を持っている読者もいるかもしれないので、この機会に二つの銃を比較してみよう。

 

ジュニアとベストポケットの比較

 口径はもちろん同じ25APC弾、これはコルトベストポケットのために開発されたカートリッジだ。ハンドガンの草創期である20世紀前半くらいまでは銃と共に専用カートリッジを開発することはよくあることであった。全長はベストポケットが114mm、ジュニアが113mm、重量はベストポケット367gに対してジュニアは370g、微妙な違いはあるがどちらもほぼ同サイズ、装弾数もどちらも同じ6発である。

 最大の違いは撃発方式で、ベストポケットがストライカー方式というハンマーを使用しない方式であるのに対してジュニアは露出式ハンマーを備えている。前述のようにストライカー方式はカートリッジが薬室に装填されていることを外部から確認することが困難であることから安全上、ベストポケットにはマニュアルセイフティ、グリップセイフティ、マガジンセイフティと三重の安全対策が施されている。

 これに対してジュニアはハンマー露出式であるため、カートリッジが薬室に装填されていることを確認するのは容易である。このためか元々そういう発想自体がなかったのか分からないが、グリップセイフティは装備されていない。マガジンキャッチはベストポケットがヨーロピアンスタイルのグリップ下部にあるロックを解除する方法に対して、ジュニアはグリップパネル下部に埋め込まれているスイッチを押すタイプだ。

 ベストポケットかジュニアか。これは単に好みの問題ではあるが、実用上のメリットデメリットを少し考えてみよう。仮に常時装填した状態で携行する場合、ジュニアは薬室にカートリッジが入っていることを確認するのは容易であるが、安全装置は一つしかない。これに対してベストポケットは装填を確認するのは分かりにくいが、三重の安全装置があり実質的な安全性は高い。

 これに対して常時装填しないで携行する場合は、使用する際にスライドを引き発射する。マニュアルセイフティはこの時点では解除されているので、射撃可能であるが、ベストポケットではグリップを強く握らないとグリップセイフティが解除されない。大型拳銃に比べ小型ピストルの場合、グリップを強く握るというのはちょっと大変かもしれない。緊迫した状態では尚更だ。

 

どちらが良いかというと。。。

 そこでどちらが良いかとなると、私は、やはりベストポケットの方が優れていると思う。小型ピストルを使用する状態というのは結構ピンチになっている状態ではないかと思うのだが、その際に役に立つようにするには常時装填して携行するのが一番のような気がするのだ。そうなると暴発の危険性が少ないベストポケットに軍配があがるのではないか。

 但し、言っても25口径である。威力は85J(ジュール)と大変低い。22LR弾ですら160Jだ。それを考えると私であるなら護身用に持つという選択肢自体がまずない。下手に25APC弾を敵に向けて撃ってしまって敵を怒らせてしまってもアレなので、私だったら380ACP弾、せめて22LRを携行するかなー。さらにアルコールやらいけない薬やらをやっている皆さんには9mm弾でも効かないという。そう考えるとやはり25口径はないなー(汗)。

 しかしデザインはカッコいい!ジュニアもベストポケットもだ。ちょっとゴツ目のジュニアに対してスマートなベストポケット。どちらも好きだ。コレクションとしてはどちらも所有したいとは思う。ここはやはりモデルガンで所有するのが一番安全ということになるのか。まあ、日本ではそれ以外に選択肢はないのだが。

 

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