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サブマシンガン

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(画像はwikipediaより転載)

 

 MP5とは、1960年代にドイツのH&K社が開発したサブマシンガンでローラーロッキング方式、クローズドボルト方式を採用しているため命中精度が高く、同時に価格も高いサブマシンガンである。高価格高性能であるが故、予算に余裕のある国の特殊部隊に多く採用されている。イギリス軍特殊部隊SASが採用しており、日本でも警察特殊部隊等が採用している。

 

MP5(実銃)

 

 

性能

全長 550mm(ストック展開時700mm)
重量 3,080g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 30発
設計・開発 ティロ・メーラー / H&K社

 

開発

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(画像はwikipediaより転載)

 

 1960年代に入ると西ドイツにおいて大量のサブマシンガンの需要が発生、これに対してH&K社は1964年よりサブマシンガンの開発を開始する。ベースとなったのはスペインセトメ社のセトメ自動小銃でこのセトメ自動小銃が改良された結果、G3自動小銃として西ドイツ連邦軍に制式採用された。この開発の過程でH&K社はG3のスケールダウンモデルを計画、9mmパラベラム弾を使用するサブマシンガンを開発した。このサブマシンガンはHK54と命名され、西ドイツ軍の制式サブマシンガントライアルに出品したものの、政治的な理由からイスラエル製UZIサブマシンガンが制式採用された。これに対してH&K社は警察向け、輸出向けに販売すべく計画を変更、サイトやバレルに改良を加えた発展型モデルとしてMP5が完成した。

 作動方式はローラー遅延ブローバック方式である。この方式は通常のブローバックがボルトの質量でボルトの後退を遅らせるのに対して、ボルトに設置されたローラーが銃本体の溝に引っかかることにより、その抵抗によってブローバックを遅らせる方式である。この方式は薬室内の圧力が低下してからボルトが後退するため、命中精度が高くなり、さらにクローズドボルト方式を採用していることもありサブマシンガンとしては非常に高い命中精度を実現した反面、この方式は単純なブローバック、オープンボルト方式に比べ高性能な分、部品点数が多くなるため高価格となってしまうという問題点もあった。

 しかしMP5は完成すると、1966年には西ドイツ連邦国境警備隊に採用、1970年代後半にはイギリス陸軍特殊部隊SASも採用された他、比較的予算に余裕のある国の特殊部隊に多く採用されている。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 1960年代から続くベストセラーのためバリエーションは多い。オリジナルのMP5は固定ストック仕様のものでこれを伸縮式ストックに改良したのがA1、第一期改良型の固定式ストックモデルがA2、同改良型の伸縮式ストックモデルがA3、第二期改良型の固定ストックがA4、伸縮式ストックがA5となっている。

 これらとは別にコンパクトモデルとしてMP5Kシリーズがあり、固定リアサイト装備のA1、3点バースト機能を備えたA4、その両方を備えたA5、折りたたみ式ストックを装備したPDWモデルがある他、特殊部隊向けにサプレッサーを装備したSDシリーズがある。このSDシリーズは、ストック無しのSD1(3点バースト機能装備はSD4)、固定ストックのSD2(同SD5)、伸縮式ストックのSD3(同SD6)がある。そのほか民間向けにバレルが延長されセミオート仕様としたのHK94、珍しいモデルとしては10mm弾仕様のMP5/10、40S&W弾仕様のMP5/40、357SIG弾仕様のMP5/357がある。

 

MP5(トイガン)

 

概要

 トイガンでは1986年に東京マルイがコッキング式エアガンとしてMP5A3を発売、1987年にはファルコントーイがフルオートガスガンでMP5K、1988年には東京マルイがガスフルオート排莢式のA3、1989年にはMGCが電動ガスガンとしてMP5K、1990年にはファルコントーイがSD3、1991年にはMP5Kを発売、同年、JACがガスフルオートで3点バースト機能を装備したA5、SD5を発売している。電動ガンとしては1992年に東京マルイが電動第3弾としてA4、A5を発売したのを皮切りに2004年までほぼ毎年のようにバリエーション展開を行っていた他、2009年と2012年にはハイサイクルモデルも登場している。さらに2021年8月18日には東京マルイから次世代電動ガンで発売されている。他にも人気モデルのため、海外メーカーも数多く発売している。

 

東京マルイ MP5A5 次世代電動ガン

性能

全長 500mm(ストック展開時660mm)
重量 3,100g
装弾数 72発
初速 90m/s前後
定価 59,800円

 2021年に東京マルイが満を持して発売したMP5である。東京マルイの最新技術がふんだんに盛り込まれている2021年時点での電動ガンの最高傑作と言って良い。このモデルはこれまでの同社製MP5の外装が樹脂製であったのに対して亜鉛合金を採用、サイトや各パーツも金属を多用しているため剛性が高く、重量も実銃と同様の重さを再現している。

 フロント・リアサイトも正確に作り込まれており、エジェクションポートも金属製で射撃に際しては作動するようになっている他、「HKスラップ」と呼ばれるボルトハンドルを引いた状態からハンドルを手で下に叩きつけることでカートリッジの装填を行う機能が再現されている等、リアリティを追求したモデルとなっている。

 実射性能も高く、このモデルで新たに採用されたMシステムにより3点バースト射撃も可能となっている。このMシステムはトリガーコントロールにIC回路を組み込んだもので3点バースト以外にもレスポンスの向上やセミオートの「切れの良さ」をも向上させている。東京マルイ製であるので命中精度も非常に高いことからこれまでにモデルアップされたMP5の中でも最高のモデルであるだけでなく2021年時点での最高の電動ガンと言うことが出来る。

 

東京マルイ MP5A5 ハイサイクル電動ガン

性能

全長 535mm(ストック伸長時660)
重量 2,430g
装弾数 400発
初速 82m/s前後
定価 31,800円

 外装は樹脂製であるが強度の必要なパーツは金属製で出来ており再現性は高く、剛性もしっかりしている。ハイサイクルモデルのため高速モーターに合わせて内部パーツも通常の電動ガンに比べて耐久性の高いものに変更されている。弾倉はドラムマガジン仕様で装弾数は400発、重量は2.4kgとかなり軽量で実銃譲りの取り回し易さと相まって実用本位の電動ガンといえる。命中精度や直進性に関しては非常に良いというまさに究極のウェポンである。

 

まとめ

 

 MP5は通常のブローバック、オープンボルト式に比べ構造が複雑になっているため高価格ではあるが、同時に高性能でもあるので多くの国の法執行機関で制式採用されている銃である。1960年代の銃であるが、大きな改良をされることなく現在まで世界中で使用されている傑作中の傑作サブマシンガンである。

 

 


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VZ61
(画像はwikipediaより転載)

 

 Vz61はチェコスロバキア製のサブマシンガンである。実銃では比較的マイナーな銃ではあるが、独特の形状と使い勝手の良さから「その筋」の方には重宝されているようで、各種口径が発売されている他、民間向けにセミオートのみのモデルも発売されている等、比較的人気がある。日本のトイガンでも意外と人気のあるモデルである。

 

VZ61スコーピオン(実銃)

 

 

性能

口径 7.65mm
使用弾薬 32ACP弾(7.65x17mm弾)
全長 270mm(ストック伸長時517mm)
重量 1,280g
発射速度 850発/分
装弾数 10、20、30発

 

概要

 Vz61は、戦車兵や通信兵などの後方支援要員の護身用にチェコスロバキアのチェスカー・ズブロヨフカ国営会社で開発された短機関銃で、1950年代後半にミロスラフ・リヴァージュによってM59という名称で開発された。1961年に完成、そのままチェコスロバキア軍に制式採用された。使用弾は7.65mm×17mm弾で威力は低いものの同時に反動も低く抑えられることからサブマシンガンの弾薬としては操作性に優れている。

 さらにコンパクトに収められたストックとフォアグリップ代わりに使用できるマガジンを装備している上に発射速度を調整できる機能を持っているため小型サブマシンガンとしては操作性は比較的高い。このため各国の公安機関で特殊な工作に携わる職員やテロリストにも愛用されている。

 当初は32口径(7.65mm)のみであったが、その後、380ACP弾(9×17mm弾)仕様のVz64、9mmマカロフ弾(9×18mm)仕様のvz65等も開発された。さらにスタンダードな拳銃弾である9mmパラベラム弾(9×19mm)仕様のVz68も存在する。1984〜1992年までユーゴスラビア(その後セルビア)によってライセンス生産されたM84や民間市場向けにセミオート仕様に改造したCZ91S等があり、現在でも多くの国、地域で使用されている。

 Vz61の構造は、セミ・フル切替式のクローズドボルト機構を採用したストレートブローバックで、エジェクションポートは上部にある。木製グリップ内に収容された発射速度調整装置(レートディリューサー)により1000発/分から850発/分まで調整することが可能である。ストックはレシーバー上部に被せるように折り畳むことができ、使用する際は半回転させて銃後部に固定する構造になっている。

 

VZ61スコーピオン(トイガン)

 

 トイガンでは1981年に唯一ハドソンからモデルガンが発売されている。エアガンでは1987年に東京マルイがエアコッキング式を発売、1988年にはヨネザワからガスガンが発売されている。さらに1997年には東京マルイから再びエアコッキング式が発売、2007年4月には東京マルイから電動ガンが発売されている。2010年頃にはマルゼンがガスブローバック式でモデルアップ、2014年9月26日にはKSCが同じくガスガンで発売している。他には2018年4月に東京マルイがオリジナルモデルのmod.M、2020年12月にはさらにデザートモデルであるmod.Dを発売している。

 

ハドソンVz61スコーピオン モデルガン

 モデルガンでは1981年にハドソン産業が金属製モデルとして発売している。大きさが短銃以上、長銃以下であったため短銃型金属製モデルガンは白または黄色に塗装しなければならないとした46年規制の対象になるか意見が割れたため金メッキ仕上げで発売されたり黒色で発売されたりした。結局、長銃と判断されたことで黒色となった。

 昔のモデルガンでは当然であったが、作動は非常に悪く、取扱説明書にも「火薬を使用したブローバック作動はお勧めいたしません」と驚くようなことも書かれているほどであった。実物はクローズドボルト方式であるが、ハドソン製はオープンボルト方式となっている。

 

東京マルイ No.5 スコーピオン Vz.61 本体セット

性能

全長 270mm(522mmストック伸長時)
重量 1110g
装弾数 58発

 

特徴

 レシーバーは樹脂製、フレーム、ストックは金属製。トリガープルは0.9kg、セミのレスポンスは若干鈍い。初速は75m/s前後、東京マルイ製電動ガンなので命中精度は非常に高い。オプションパーツに純正ドラムマガジン等もあるので楽しめそうだ。バリエーションにModMがあるが、これは東京マルイオリジナルである。20mmレイル 、マズル部分は14mm逆ネジ対応、M-LOKレイルシステム対応等、実銃での流行をきちんと把握したものになっている。

 

マルゼン Vz61 スコーピオン 18歳以上 ガスブローバック サブマシンガン

性能

全長 270〜520mm
重量 1056g
装弾数 30発

 

特徴

 トリガープルは0.8kg。初速70m/s強。クローズドボルト方式でホールドオープンもする。フィールドストリッピングはピンを一本外すだけで出来るものの、ホップ調整にはフィールドストリッピングが必要である。マルゼンの製品だけにデフォルトの命中精度は高いと思われるが、反動が強いため正確に当てるのは熟練が必要である。

 

KSC Vz61 HW 18歳以上ガスブローバックガン

性能

全長 273mm(ストック展開518mm)
重量約 1,550g
装弾数 20+1発

 

特徴

 HW材採用でカーリッジをフル装填した状態の実銃と同重量を再現している。このため軽量さを求めるサバイバルゲーマーには敬遠されるかもしれないが、リアル志向のファンには歓迎されるだろう。マグネシウムボルトにシステム7エンジン、新型チャンバーを採用しているので、命中精度、反動共に高い水準にある。初速70m/s前後、フルオートだと若干低下する。サイトは前後とも可動式である。

 

比較

 一番の違いは重量と装弾数だろう。東京マルイは58発、マルゼンは30発、KSCは20発とかなりの違いがある。重量はマルゼンの1056gに対してKSCは1550gと1.5倍の違いがある。装弾数に関してはKSCが実銃と同じ20発でマルゼンが30発となっている。マルゼン製は外観が若干ディフォルメされているようだが、その分実射性能は高いという感じだ。欠点はマガジンの冷え位で大きな欠点は見当たらない。

 総合的に判断すると実射性能のみを追求するのであれば、間違いなく東京マルイ製電動ガンだろう。それとは別に実銃の操作感、反動等を楽しみたいのであればガスブロということになる。ガスブロは、どちらの銃も甲乙付け難いが、リアリティを追及するのであればKSC、実射性能を追求するのであればマルゼンといったところが定番の答えのようだ。

 ただ実射性能といっても大きな違いは装弾数が20発か30発かということ位だろう。それと重量。私としてはゲーマーのようにゲームでの使用を前提とするのであれば、装弾数が多くて軽量なマルゼン製。これに対して銃自体が好きなモデルガン系お座敷シューターにはKSC製だろう。

 

まとめ

 

 KSC製は重量が実銃と同じで装弾数も実銃と同じというこだわり抜いた仕様だ。2社のスコーピオンの性能を比較してみると、実射性能に関してはどちらも甲乙付けがたいという感じだろうか。マルゼンのガスガンの欠点はマガジンの冷え、セレクターの表示が20→30になっているということ位だろうか。これに対してKSCの欠点は特に無いみたいだ。但し、マガジンの冷えに関する欠点はこっちも同様だろう。KSCの装弾数が20発と少ないことが気になるが、重量が実銃と同じであること(フル装填した状態と同じ)がポイント高い。マルゼンは実射性能を優先し、KSCは外観を含めたリアリティを優先したというところだろう。

 


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01_スターリング
(画像はwikipediaより転載)

 

 スターリングとは、第二次世界大戦中に開発がスタート、1953年にイギリス軍に制式採用されたサブマシンガンで円筒型のレシーバーの左側にマガジンが装着されており、ストレートブローバック、オープンボルトのシンプルな構造になっている。イギリス軍において30年以上使用され続けたがL85の制式採用により廃止された。

 

スターリング(実銃)

 

 

性能

全長 483mm(ストック展開時690mm)
重量 2,72g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 34/20/10発
設計・開発 スターリング・アーマメンツ社

 

開発

02_スターリング
(画像はwikipediaより転載)

 

 スターリングサブマシンガンは、第二次世界大戦中にイギリスで開発されたステンサブマシンガンを近代化したモデルともいえるサブマシンガンで形状や操作性に類似点も多い。全体はパイプ状のレシーバーに円筒形のボルトが組み込まれており、マガジンはカートリッジの装填をスムーズにするためにバナナ型に設計され、左側に水平方向に挿入するように設計されている。作動はシンプルなブローバック、閉鎖機構はオープンボルト式で、ボルト表面には侵入してくる塵や砂を自動的に排除するための螺旋溝が切られている。ストックは前方に折り畳まれており、下に半回転させることでストックとして使用することができる。

 設計はジョージ・ウィリアム・パチェットによって1942年より開始され、1943年よりイギリス軍による審査が開始された。1944年には20挺の調達が指示されており、一部実戦に投入されたという情報もあるが定かではない。第二次世界大戦後も開発は続けられ、1953年9月にはL2A3としてイギリス軍に制式採用、以後30年にわたってイギリス軍で使用され続けた。1985年には5.56×45mmNATO弾を使用する自動小銃であるL85が制式採用され、サブマシンガンを自動小銃に一本化することが決定、湾岸戦争を最後に退役しているが、一部地域では現在でも使用されている。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 イギリス軍に制式採用されたL2A1(Mk.2)、1955年に製造が開始された改良型のL2A2(Mk.3)、1956年に製造開始のL2A3(Mk.4)、サプレッサーを内蔵した特殊モデルであるL3A1(Mk.5)、民間向けのセミオートモデルであるMk.6、ストック無しの短銃身モデルであるMk.7がある。

 

スターリング(トイガン)

 

概要

 1973年にMGCが金属製モデルガンを発売、1985年にはJAC、1989年にはアサヒファイアーアームズがガスフルオートで発売している他、海外メーカーではS&Tが電動ガンで発売している。

 

まとめ

 

 独特の形状を持つサブマシンガンであるスターリングサブマシンガンは70年代から80年代にかけて日本において人気が高いサブマシンガンであった。バレルジャケットには多くの通気孔が空けられ、先端部には銃剣を装着するための着剣ラグが装備されている。総生産数は40万挺以上で世界90ヶ国で制式採用された傑作サブマシンガンである。

 

 


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01_mp
(画像はwikipediaより転載)

 

 MPL(K)とは、1963年にワルサー社が開発したサブマシンガンである。レシーバー、グリップは薄いプレス板で形成されており、発射機構はブローバック式オープンボルトであった。近代的なサブマシンガンであったが、今ひとつ影の薄い存在であったといっていい。

 

MPL(K)(実銃)

 

 

性能(MPL)

全長 259mm
重量 2,830g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 32発
設計・開発 ワルサー社

 

開発

 1950年代後半にドイツのカール・ワルサー社は西ドイツ軍、警察の再軍備計画に沿って短機関銃の開発をスタートさせた。その結果、1963年にはMPの完成を見ることとなった。このサブマシンガンは、レシーバーやグリップは薄いスチール板のプレス加工で製造され、折り畳み式のショルダーストックはパイプを曲げて製作されている。発射機構はブローバック式、オープンボルトというシンプルな構造になっている。グリップ上方にはアンビタイプのセイフティ・セレクタースイッチがあり、これを切り替えることでセミ・フルオートでの発射が可能となる。

 完成するとすぐに西ドイツの情報機関、ドイツ駐留の米軍特殊部隊に採用された他、米海軍特殊部隊SEAL、デルタフォースでも装備がM3グリースガンからMP5に変更される過渡期に一時的に採用されている。1983年に売上が低迷したため生産中止となったが、それまでに27,000挺が製造されている。バリエーションは銃身長の違う2種類のみで、長銃身モデルがMPL、短銃身モデルがMPKである。

 

MPL(K)(トイガン)

 

概要

 トイガンでは1986年に東京マルイがエアコッキングガンとしてMPK、MPLを発売、翌年にはポンプ式が発売され、1988年には排莢式のMPLが発売された。東京マルイ以外では同じく1988年にヨネザワからガスモーター式MPLが発売されている。

 

まとめ

 

 ワルサーMPは1963年に開発されたブローバック、オープンボルトのサブマシンガンであった。近代的なサブマシンガンであったものの、数年後にはH&K社が高い命中精度を誇るクローズドボルト方式の傑作サブマシンガンMP5を発売したため影の薄い存在となってしまい1983年に製造中止となったというあまり目立たないサブマシンガンであった。

 

 


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(画像はwikipediaより転載)

 

 UMPとは、ドイツのH&K社が米軍特殊部隊の要請に応える形で1999年に開発したサブマシンガンである。それまで一般的であった9mm弾を使用するサブマシンガンではストッピングパワーが不足するため45ACP弾を使用するサブマシンガンとして開発された。全体はグラスファイバーを混入したプラスチックを多用しているため軽量で錆にも強い。当初は45ACP弾仕様だけであったが、のちに9mm弾、40S&W弾仕様モデルも発売された。

 

UMP(実銃)

 

 

性能(45ACP弾仕様)

全長 450mm(ストック展開時690mm)
重量 2.3g
口径 45口径
使用弾薬 45ACP弾
装弾数 25発
設計・開発 H&K社

 

開発

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(画像はwikipediaより転載)

 

 UMPは米軍特殊部隊の要請を受けてH&K社が1999年に開発したサブマシンガンで、当時は一般的にはサブマシンガンは9mmパラベラム弾を使用するのが一般的であったが、現場では9mmパラベラム弾の威力不足が指摘されていた。このため本銃は十分なストッピングパワーを持つ45ACP弾を使用するサブマシンガンとして開発がスタートした。

 UMPはフレームやマガジンを始め内部パーツにまでグラスファイバーを混入したプラスチックで製造されているため、軽量で生産性に優れている他にも錆にも強いという特性を持っている。作動方式はブローバック式で閉鎖機構はクローズドボルト方式を採用している。セレクターは左右兼用でセミ・フルオート切替式、サイトはVノッチとピープ式を選択できるアイアンサイトが標準装備であるが、銃上面、下面にピカテニー規格の20mmレイルが装備されており、必要に応じて光学照準器を装備することができる。

 ストックは本体同様プラスチック製の折りたたみストックが装備されており、特殊部隊用に開発された製品のため脱着式のサイレンサーも供給されている。民間向けにもセミオートモデルが販売されているが、主にユーザーは法執行機関であり、米軍第5特殊作戦群を始め、米国国境警備隊、カナダ警察特殊部隊、オーストラリア特殊部隊を始め20ヶ国以上の国の法執行機関で制式採用されている。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 特殊な銃器のためバリエーションは多くないが、9mmパラベラム弾仕様のUMP9、40S&W弾仕様のUMP40、民間向けセミオートモデルが発売されている。

 

UMP(トイガン)

 

概要

 電動ガンがUMAREX、UFC、G&G、ARES、S&T、ダブルイーグル等から発売されている。

 

まとめ

 

 UMPの構造は非常にシンプルであり発射機構もブローバック式である。さすがにオープンボルトは採用していないものの機構もシンプル、素材もグラスファイバー混入のプラスチックで全体的に無駄のない極めて合理的なサブマシンガンである。しかしクローズドボルト方式を採用しているため命中精度は高いという非常に完成度の高いサブマシンガンとなった。

 

 


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(画像はwikipediaより転載)

 

 MP7とは、H&K社が開発したPDW(Personal Defense Weapon)である。カートリッジは4.6×30mm弾で、これは防弾ベストを貫通させることを目的として開発されたカートリッジであり、後方支援部隊の護身用の銃器として開発された。4.6mm弾の貫通力は凄まじく、200m先のクラス3Aの防弾ベストを貫通する能力を有する。弾丸が小型であるため装弾数も多く、ロングマガジンは40発を装填することができる。このため本来の目的以外にも特殊部隊等で使用される例が多い。

 

MP7(実銃)

 

 

性能

全長 415mm(ストック展開時638mm)
重量 1,900g
口径 4.6mm
使用弾薬 4.6×30mm弾
装弾数 20/40発
設計・開発 H&K社

 

開発

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(画像はwikipediaより転載)

 

 MP7の特徴はイギリスで開発された4.6mm弾を使用することにある。この弾薬はP90で採用された5.7×28mm弾と同様の設計思想で開発された弾薬で高い貫通力が特徴であり、MP7もP90同様に後方支援部隊のPDW(Personal Difense Weapon)として軽量・コンパクトに設計されている。本体はプラスチックを多用、後方には伸縮式ストックを装備しており、作動方式はHK416等で使用されているショートストロークピストン式ガスオペレーション、クローズドボルト、閉鎖機構はロータリーロッキング方式を採用している。

 このロータリーロッキング方式とは、ボルトを回転させることで作動を遅くし連続射撃を可能にする機構で現在AK47、M16、M1ガーランド等、多くの銃に採用されている機構である。弾倉はイスラエル製サブマシンガンであるUZIのようにグリップ内に収納する形式になっており、グリップ内に収まる20連マガジンとグリップから突き出す40連マガジンがあり、銃上部には20mmレイルが装備され、そこにアイアンサイト、光学照準器等を装着することができる。

 貫通力はNIJ規格の44マグナムや357SIG弾を防ぐ能力を持つクラス3A防弾ベストを200m先から貫通する性能を持つ。1999年にドイツ連邦軍に制式採用、2001年より生産に入った。P90と同様に多くの特殊部隊において採用されている。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 オリジナルのMP7の他、照準器やグリップやストックの形状の一部が変更され銃身のサイドにピカテニー規格の20mmレイルを装着したA1、銃身下部のフォアグリップを廃止、代わりに20mmレイルを装着したA2モデル、セミオートのみのMP7SFモデル等がある。

 

MP7(トイガン)

 

概要

 トイガンでは頑住吉がガスガンとしてプロトタイプモデルPDWを発売、アカデミー科学が電動ガンとして発売してる。2006年2月8日には東京マルイが電動ガンを発売、2012年10月29日にガスブローバックモデルを発売している他、2009年7月28日にはKSCもガスブローバックモデルを発売している。これらはどちらも実物のデータが入手出来なかったためと言われるが実物よりもサイズが小さい。1/1スケールのトイガンでは2019年6月11日にVFCが発売したものが唯一である。

 

東京マルイ MP7 電動エアガン

性能

全長 380mm(ストック伸縮時590mm)
重量 1,480g
装弾数 50発
初速 77m/s前後
定価 28,800円

 東京マルイが2006年に発売した電動ガン仕様のMP7である。全長が実銃に比べて4cm程短いほか、重量も実銃に比べて400gほど軽い。そう考えるとおもちゃ感があるが、そこは東京マルイ。外観の完成度は非常に高く、命中精度やその他実射性能も安定している。日本メーカーなのでパーツの供給も問題が無い。サイズにこだわりが無ければ本銃も選考の対象となる。

 

東京マルイ MP7 ガスブローバック

性能

全長 381mm(ストック伸縮時586mm)
重量 2,200g
装弾数 40発
初速 75m/s前後
定価 32,800円

 サイズは同社製電動ガンと同じで実銃よりも小さいが、重量は実銃の1.96kgに比べて2.2kgと実銃よりも重く作られている。無論実銃はカートリッジを装填していない状態なので装填後は実銃の方が重くなる。電動ガンに比べて命中精度やパワー、作動の安定性は劣るものの迫力のあるブローバックを楽しみたいユーザーにはガスブローバックが良い。

 

KSC MP7 ガスブローバック

性能

全長 380mm(ストック伸縮時590mm)
重量 2,120g
装弾数 40発
初速 74m/s前後
定価 34,800円

 KSC製のMP7は東京マルイと同様に全長が4cm程短いがそれ以外の再現性は高い。ガスブローバックなので電動程の命中精度は期待できないものの、ガスブローバックでは平均以上の命中精度を発揮している。KSC製は初期モデルMP7A1とバージョンアップモデルのMP7A1-2、さらにはタクティカルモデルの3種類がある。2が最新型でマグネシウムボルトにスペアマガジンが2本付属する。価格は一緒なので購入する際は間違えないようにしたい。タクティカルモデルは限定品でこれも2と同様にマグネシウムボルト仕様である。

 

VFC MP7 電動ガン

性能

全長 418mm(ストック伸縮時640mm)
重量 1,665g
装弾数 120発
初速 91m/s前後
定価 53,600円

 このVFC製の電動MP7の最大の特徴は、他のエアガンメーカーの製品と異なり、実物大で製作されていることであろう。東京マルイ、KSC製のトイガンに比べると全長が4cm程長い。これは結構な差であろう。命中精度やその他性能においても他のメーカーに引けは取らないため、リアリティ志向のユーザーはこちらの製品が良いかもしれない。しかし総合的な性能や保証に関しては日本メーカーに一日の長がある。

 

まとめ

 

 MP7は後方支援部隊用の個人防御兵器として開発された銃器であり、ほぼ同様の目的で開発された銃にベルギーのFN社P90がある。P90に同カートリッジを使用するFive-SeveNがあるようにMP7にも同カートリッジを使用するP46があったが性能が今ひとつであったため2009年に開発が中止されている。しかしMP7の性能は高く、現在でも日本を始め、多くの特殊部隊で使用されている。

 

 


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01_P90
(画像はwikipediaより転載)

 

 P90とは、FN社が1990年に開発したPDW(Personal Defence Weapon)である。これは後方支援部隊等の兵士が最後の護身用に持つ火器で、第一線部隊の装備に対抗するために防弾チョッキも貫通する強力な5.7×28mm弾を使用する。形状は人間工学に基づいており反動が少なく扱いやすいがマガジンの交換に慣れが必要なこと等の欠点もある。

 

P90(実銃)

 

 

性能

全長 500mm
重量 2,540g
口径 5.7mm
使用弾薬 5.7×28mm弾
装弾数 50発
設計・開発 FN社

 

背景から開発まで

 当初、P90は後方支援部隊や車両の要員等、自動小銃を装備することが負担となる職種の兵士の自衛用として開発された武器であった。しかし小型で強力な貫通力を持つP90は特殊部隊用の火器として位置付けられるようになっていった。

 

開発

02_P90TR
(画像はP90TR wikipediaより転載)

 

  1986年に開発がスタート、1990年に生産が開始されたPDW(Personal Defence Weapon)である。最大の特徴はライフル弾を小型化した形状の5.7×28mm弾(SS90)を使用することで、この弾薬は小口径でありながら防弾チョッキを貫通する威力を発揮する。機構は小型化するためにブルパップ式を採用、主要パーツをプラスチック製とし軽量化も図っている。

 発射機構は単純なクローズドボルト・ブローバック方式でセミ・フルオート切替式で空薬莢はストック下部より下に排出され、発射速度は850〜1,100発/分、銃全体は人間工学に基づいた上に、衣服等に本体が引っかからないように丸みを帯びた形状として設計されており、パーツの交換等をすることなく左右両利きで使用できる。照準器は光学照準器とバックアップ用として通常のアイアンサイトも装備、マガジンは透明なプラスチック製で本体上部に位置しており、90度回転させて給弾するという独自の方式を採用、装弾数は50発と多いものの特殊な形状をした弾倉のため交換には熟練が必要である。これはP90の設計の目的が使用者が敵から攻撃を受けて最後の手段として使用するためであり、弾倉を交換して戦闘を続けるというのを主には想定していないからであろう。

 それだけに性能は素晴らしく、新規に設計されたSS90は150mの距離で防弾チョッキを貫通することが可能でありながら、反動も非常に少ない。因みに1993年にはさらに高性能のカートリッジであるSS190が完成している。

 

バリエーション

03_PS90
(画像はPS90 wikipediaより転載)

 

 照準器を廃止し、代わりにピカテニー規格の20mmレイルを搭載したTRモデル、米政府用モデルであるUSG(United States Government)、セミオートのみとした上でバレルを16インチに延長した民間モデルであるPS90カービン、1995年に登場したレーザーモデルがある。このレーザーモデルは可視レーザー(いわゆるレーザーサイト)を搭載するモデルと赤外線レーザーを搭載するモデルがある。この赤外線レーザーは射手が暗視装置を装備した状態で使用する。

 

P90(トイガン)

 

概要

 1991年にトイテックがガスフルオートで発売、2001年4月12日には東京マルイが電動ガンとして発売、2002年4月4日にはP90TR、2006年9月11日には再びP90を電動ガンとして発売、2012年6月28日にはハイサイクルモデルとしてPS90を発売している。

 

東京マルイ PS90 HC ハイサイクル電動ガン

性能

全長 667mm
重量 1,918g
装弾数 300発
初速 85m/s前後
定価 34,800円

 レシーバーは実銃同様樹脂製であるが、アウターバレルはアルミ製で16インチ銃身が装備されているが、取り外してP90とすることも可能である。フラットトップ仕様で光学照準器は装備されていない代わりに上部には20mmレイルが装備されている。ハイサイクルモデルであるため24発/秒での連射が可能、セミオートのキレも良い。命中精度やその他実射性能に関しては東京マルイ製であるので最高クラスで、BB弾が一直線にターゲットに吸い込まれていく。

 

まとめ

 

 P90は主に後方支援部隊用に設計された火器で設計思想的にはM1カービンに通じるものがある。コンパクトで反動が少ないため、世界中の特殊部隊で採用されている。同時に開発されたSS90(またはSS190)の性能は高く、この弾薬を使用した火器にはP90のサイドアームとして開発されたFN Five-seveNがある。

 

 


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MAC10
(画像はwikipediaより転載)

 

 イングラムM10/11は1960年代に開発されたサブマシンガンであまりにも小型軽量なためマシンピストルに分類されることもある。シンプルな構造で連射速度が速く、特殊部隊用の武器としてベトナム戦争でも実戦投入された特殊なサブマシンガンである。

 

M10/11(実銃)

 

 

性能

口径 9mm、45口径
全長 548/269mm
銃身長 146mm
重量 2850g
装弾数 32発
発射速度 1090発/分

 

概要

 イングラムM10はゴードンイングラムにより設計された小型サブマシンガンの先駆となった製品だ。1969年、ソニック社の設計者であったゴードンイングラムは以前設計したM9にサプレッサーを付けた特殊部隊用の小型サブマシンガンを開発した。多くの部品はスチール板のプレス加工でボルトも鋳造で製作されており生産性は高い。これに目を付けた元情報部員ミッチェル・ウェーベルは1970年に共同でMAC社を設立、MAC-10として発売された。

 このMAC-10には軍用として9mm弾仕様、45口径仕様が存在しており、さらに口径を380ACPにした一回り小型のM11も生産されたが、ボルトも小型化されてボルトの後退距離が短くなったために連射速度が1200m発/秒と高速化して作動不良の原因ともなった。1975年にはMAC社は倒産、多くの零細銃器メーカーと同じ様に製品の販売権が様々な会社にわたって数社からMAC-10は発売され続けた。

 構造は、シンプルなブローバック、オープンボルトであり、セミオート、フルオート射撃が可能だ。操作は左側面のセレクターレバーで行う。45ACPモデルの弾倉は米軍制式採用短機関銃であったM3グリースガンのマガジンと互換性がある。

 

バリエーション

 M10が9mm、45口径バージョンがあり、M11と呼ばれる380ACPのものがある。軍用モデルと民間用モデルがあり、民間用モデルはセミオートのみである。さらに1979年、こM11を改良しレシーバー後方を延長し全長をやや長くしたコブライSMGが存在する。

 

M10/11(トイガン)

 

 モデルガンでは1980年にMGCがM11を発売、当初はオープンデトネーター方式であったが、1990年にはHW製CPカート仕様として再販された。この金型はCAWが買い取ったようで現在ではCAWが再生産している。ガスガンではかつてはファルコントーイやJAC、WA等が発売していたが現在は販売しておらず、現在では、東京マルイの電動ガン、マルゼン、KSCがガスブロ製のものが発売されている。海外製ではHFC等がある。

 

東京マルイ No.6 マック10 本体セット 18歳以上電動コンパクトマシンガン

 トイガンの老舗東京マルイ製の電動ガン。東京マルイ製なので性能は折り紙付き。命中精度も高く作動も良い。ハイサイクルではないため発射速度はそれほど早くないが電動ガンでは唯一の製品。

 

イングラム M11 マシンピストル ヘヴィウェイト ブラック モデルガン完成品

 現在販売されている唯一のモデルガン。旧MGCの系統を受け継ぐ製品。ガスガンや電動ガンも楽しいがモデルガンのフルオートは快感以外の何物でもない。おまけに音以外では誰にも迷惑をかけることもない安全なもの。フルオートを本当に楽しみたいのならモデルガンがおすすめ。

 

KSC M11A1 HW 18歳以上ガスブローバック

 KSC製のガスガン。システム7採用。初速も安定している。マグネシウムボルトで作動、命中精度ともに究極的に良い。外観のリアリティもKSCなので問題ない。安定のKSC。

 

イングラム M11 エムイレブン 18歳以上ガスブローバック・サブマシンガン

 KSCと同様、ガスブロM11。初速も安定しており、命中精度、作動は良好。昔からイングラムを作っているメーカーマルゼンの名銃。リーズナブルなガスブロが欲しいという方にはイチオシ。

 

まとめ

 

 イングラムM10は現在の小型サブマシンガンの先駆けとなったモデルである。構造はいたってシンプルで連射速度は早いというまさに特殊部隊向けのサブマシンガンだ。現在ではさらに高性能のサブマシンガンが登場したため目立たない存在となってしまったがサブマシンガンのマスターピースである。

 

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wz63
(画像はwikipediaより転載)

 その昔、『N45°』という短編集の中に『パオさんとの復讐 (コスモノベルス)』という小峰隆生監督の作品があった。小峰隆生氏は知る人ぞ知る有名なガンマニアで、ただのガンマニアではなく、アメリカでテッド新井氏に師事して実銃の射撃のトレーニングもしている人物である。実際、腕もかなりのものらしい。もちろん銃に対する造詣も深く『拳銃王』という本も出版している。最近は編集者をされているようで佐藤優著『人たらしの流儀』において佐藤氏が「異能の編集者」として高く評価している。この小峰氏が監督した映画『パオさんとの復讐 (コスモノベルス)』で主人公達が使用しているのがこのPM63(Wz63)なのである。

 

WZ63(実銃)

性能

全長 333mm
重量 1,600g
口径 9mm
使用弾薬 9×18mmマカロフ弾
装弾数 15,25発
設計・開発 ピオトル・ウィルニエフチク / FBラドム社

 

開発

 PM63(Wz63)は1950年代後半に設計開始、1963年に完成したポーランド製のサブマシンガンである。1965年にはポーランド軍と警察に制式採用された他、少数がアラブや旧東側諸国に輸出され、中国でもライセンス生産されていた。1977年生産終了。

 機構は一般的なオープンボルトであるが、通常のサブマシンガンのようにボルトが本体内に内蔵されておらず、スライドとして露出しているため、一見オートマチックハンドガンのような形状をしており、発射するとオートマチックハンドガンのようにスライドが前後して給排莢を行うという非常にマニア好みの銃である。スライドの先端は下部のみ前方に突き出しており、これにより硬い物体に押し当てることで装填を行うことができるというよく分からないユニークな機能を持っている。

 マガジンはUZIのようにグリップ内に配置されており、射撃時には、スライドを後方に引き、本体側面に収納されたストックを後方に引き出して前方下部に収納されているフォアグリップを前方に倒して使用する。因みにこのフォアグリップは若干作りが悪くガタつくという評判である。スライド上にはフロントサイト、75m、150m切替式のリアサイトが設置されているが、共にスライド上にあるため射撃するとサイトが前後に高速で動いてしまいサイティングが出来なくなるという問題があるが、何よりもストックの長さが短いためストックで固定して射撃するとスライド後端が顔面を連打する可能性があるということが最大の問題である。

 それでも銃自体は全長30cm強、重量1,6kgと大型拳銃並みでフルオート射撃が可能というのは魅力的である。セミ・フル切り替えることが出来るがトリガーを短く引くとセミ、長く引くとフルオートとなる。使用するカートリッジが低威力の9×18mmマカロフ弾であるためストックを使用しなくてもフルオート射撃が出来るようである。

 

WZ63(トイガン)

 1993年8月にタナカから発売されている。外観の完成度は非常に高く、スライド、ストックは金属製である。ガスブローバックであるが、ガスブロ草創期のものであるためアフターシュート方式で狙点よりも下に着弾する。これが唯一のモデルアップであるが、むしろモデルアップしたタナカが凄いといえる。

 

まとめ

 

 一見、非常に複雑な機構をしているように見えるが、実際はオープンボルト式サブマシンガンなのでびっくりするほど少数のパーツ構成で成り立っている。サブマシンガンとマシンピストルの中間位の銃なので独特の存在感を出している故に上記『パオさんとの復讐』に選ばれたのだろう。

 

 

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01_UZI
(画像はwikipediaより転載)

 

 UZI(ウージー)とは、1951年にイスラエル軍ウジエル・ガル技術少佐によって開発されたサブマシンガンである。構造はシンプルで信頼性が高かったため、イスラエル軍始め世界各国の軍隊や警察で採用された傑作サブマシンガンである。反面、重量が3,8kgと重く、オープンボルト式であったために連射時の命中精度に難があった。

 

UZI(ウージー)(実銃)

 

 

性能

全長 470mm
重量 3,800g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 20,25,32,40,50発
設計・開発 ウジエル・ガル / IMI社

 

背景から開発まで

 1950年代のイスラエルはキブツ防衛用に簡単な訓練で使用できる軽火器の必要性が高まっていたが、当時のイスラエルは工業基盤が貧弱であった。このため高い技術を必要としない簡単な構造の短機関銃を開発することとなった。

 

開発

02_UZI
(画像はwikipediaより転載)

 

 1951年にイスラエル軍ウジエル・ガル技術少佐の手によって開発された。設計の際にはVz23、ZK476等が参考にされたとされている。これらはどちらもチェコスロバキア製サブマシンガンで本来は輸入するはずであったが、チェコスロバキアが社会主義化してしまったためこれらを参考にして国産することになった。

 構造はオープンボルト式ブローバックでボルトを引くと排莢口からグリップ内に配置された弾倉に装填されたカートリッジが見える。引き金を引くとボルトが前進、カートリッジを薬室に装填して発火させる。その発火させた反動で再びボルトが後退するという構造である。ボルトは銃のコントロールを容易にするため、前進時にグリップ前方に重心がかかるように銃身に覆うような構造になっている。本銃は、シンプルな構造に加えてプレス加工の多用により生産性は高く、砂や埃が入り込んでも故障は少なく信頼性も高い。欠点としてはオープンボルト式であるためフルオート時の命中精度が悪いという点が指摘されている。

 ストックはグッドデザイン賞を受賞してもおかしくない程優れた構造となっており、折り畳まれているストックの後端上部を上からぶっ叩くとロックが解除、中途半端に展開した状態となる。この状態でバットプレート(肩に当てる部分)を思いっきり後ろに引っ張ると伸長してロックがかかる。とっさのあまり難しいことを考えられない時には盲目的に行うことができるので大変便利である。1981年に当時のレーガン大統領が銃撃されたときにシークレットサービスがウージーを取り出し「バッチーン!」とストックを叩き構えていた。ただストックは完全に伸びきっていなかったため、万が一発砲したら大変なことになるところだった。

 1951年にはイスラエル国防軍に制式採用、1954年にはイスラエル軍特殊部隊に制式採用された。信頼性が高く使い勝手が良いUZIは、イスラエルのみならず1956年にはオランダ王立陸軍、1958年にはベルギー軍、1959年には西ドイツ連邦軍が制式採用した。その他多くの国でライセンス生産やパチモンが作られることとなった。

 

バリエーション

 

ミニUZI

03_UZI
(画像はwikipediaより転載)

 

 1980年(1984年とも)に開発されたUZIの短銃身モデル。UZIの全長470mmに対してミニUZIは357mmと11cm程短いが発射速度はUZIの600発/分に対して950発/分と狂気としか言いようのない回転速度となっている。ストックは銃本体側面に折り畳まれたワイヤー型のストックを時計回りに展開することで使用するという大変無難な構造。一応、反動を抑制するために銃身上部にガスポートを付けているがコントロールするには尋常ならざる修行が必要である。

 

マイクロUZI

04_UZI
(画像はwikipediaより転載)

 

 1984年(1986年とも)に完成したミニUZIをさらにコンパクトにしたモデル。全長250mmとUZIの半分程度と、もうほとんど大型拳銃と変わらない大きさになってしまった。UZIは構造上、全長を短縮するとボルトの大きさも小さくせざるを得ない。そうするとリコイルスプリングもさらに強化せざる得ない。その結果、マイクロUZIの発射速度は1,400発/分というもう何だか分からない状態になってしまった。特殊部隊向けに開発されたというが、むしろ、これを使えることが特殊であると言える魂の銃である。

 

UZI(ウージー)(トイガン)

 

概要

 モデルガンではあまり人気がなかったようで、1972年に中田商店から発売されたのが最初で、これはのちにマルシンから発売された。エアーガンでは1980年代には結構人気があり、エアコキでは東京マルイ、LS等のメーカーが発売、ガスガンでは今は亡きJACがフルオートガスガンとして発売していた。他にも2006年にWAがミニUZIを発売しており、マルゼン等も過去に発売していた。電動ガンでは東京マルイがスタンダードモデルとして発売している。

 

ウージーのトイガン

 東京マルイ製の電動ガンUZIは実銃から採寸されたモデルで外観の完成度は高い。ストックがスチール製であるのも魅力的ではあるが、メカが通常の電動ガンと異なり、パワーが70m/s強と電動ガンにしては若干弱い。サバイバルゲームでの使用にはちょっと厳しいかもしれない。

 

まとめ

 

 1976年のイスラエル軍特殊部隊によるエンテベ空港奇襲作戦でもUZIが使用されていたようであるし、1981年のレーガン大統領の暗殺未遂事件でもシークレットサービスが装備していた。このため1980年代くらいまではサブマシンガンといえばUZIというくらいにメジャーな銃であったが、時は経ち、MP5やらMP7、その他非常に高性能なサブマシンガンが登場している昨今、UZIはすっかりマイナーな銃となってしまった。とはいえ、あの無骨で独特な外観は現在でもファンを魅了して止まない。

 

 

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