カテゴリ: 書評

潜水艦による米本土爆撃特集

倉田耕一『アメリカ本土を爆撃した男』  零式小型水偵で米本土を爆撃した搭乗員、藤田信雄中尉について書かれた本。戦後のことが中心。私の知る限りでは米本土爆撃について書かれた一番新しい本。藤田氏は戦後、米国に呼ばれ決死の覚悟で行くが、思いがけない大歓迎に感 …
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占守島の戦い関係本レビュー

(画像はwikipediaより転載)  1945年8月17日、日ソ中立条約を一方的に破棄したソビエト軍は突如、当時の日本領占守島に侵攻した。当時、占守島には第5方面軍隷下の第91師団第73旅団や「士魂部隊」として有名な第11戦車連隊が展開していた。ソビエト軍の侵攻に対して、これ …
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伊藤祐靖『自衛隊失格』  海上自衛隊特殊部隊「特別警備隊」の設立に尽力した初代隊長伊藤祐靖氏の著書。内容は面白い。元来アピールがうまいのだろう。防衛大学の教官をしていた時代の卒業の言葉まで文字起こしされている。当時からカリスマ性があったようだ。  文 …
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 かなり久しぶりに戦記物を読んだので感想を書いてみたい。本書の著者は元海軍陸攻搭乗員だ。陸攻とは中攻ともいう双発の爆撃機だ。  陸攻とは陸上攻撃機の略で中攻とは中型攻撃機の略だ。どちらも同じものを指す。有名なのは一式陸攻や九六陸攻などがある。著者は九 …
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書評 『トラ・トラ・トラ』太平洋戦争ドキュメンタリー第1巻

(画像は雷電 wikipediaより転載)  この本はもう絶版になって久しい本だ。出版されたのは1967年。まだ太平洋戦争が終わってから22年しか経っていない。終戦時20歳だった人もまだ42歳の働き盛りです。その時代の記録なので結構貴重ですね。  実はこの本は編集されたもの …
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書評 『孤独な戦闘機』太平洋戦争ドキュメンタリー第2巻

(画像は局地戦闘機雷電 wikipediaより転載)  本書は太平洋戦争ドキュメンタリーのシリーズ第2巻。このシリーズは「土曜通信社」という出版社から1954〜1962年まで刊行された戦記シリーズを24巻にまとめたものだ。  戦後9年から17年までの間の手記なので内容がかなり生 …
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 私は以前から潜水艦にすごい興味があったので、潜水艦関係の書籍を探していたのだ。しかし潜水艦の本というのは大戦中のものが多く中々私が望んでいるような現代の潜水艦の能力や運用についてのものはなかった。  確かに潜水艦というのは機密の塊だ。所在も機密であ …
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書評 渡辺洋二『ジェット戦闘機Me262』

(画像はMe262 wikipediaより転載)  日本の航空戦史研究の第一人者である渡辺洋二氏のドイツ航空史に関する著作だ。渡辺氏は日本の航空史研究で有名だがドイツ航空史に関しても多くの著作を執筆している。  本書は大戦末期に生産されたドイツのジェット戦闘機Me262につ …
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 今日はちょっと珍しい本を紹介したいと思う。著者は軍人ではなくエンジニア。それも戦後、戦車や装甲車等の軍用車両を開発していたという珍しい経歴の持ち主だ。  まだ戦後と言われていた時代、著者は東大工学部を卒業後、三菱重工に就職する。そこで図らずも戦車の …
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【かんそう】 中村秀樹『本当の特殊潜航艇の戦い』

(画像はwikipediaより転載)  ほとんど注目されることのない特殊潜航艇についての本。著者は元海上自衛隊の潜水艦艦長でこれ以上ない位の潜水艦の専門家である。  本書はまず潜水艦の能力の評価の基準を説明し、その基準に特殊潜航艇がどれほど当てはまっているのかを検 …
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 著者は元海上自衛隊潜水艦艦長であり、本書は特に日本海軍の潜水艦の歴史についてほぼ網羅されているといっていい。私は正直、現代の潜水艦の運用方法や長所短所を知りたくて本書を購入したのだが、amazonポチっのよくあるパターンで、内容が全く違っていた。  しか …
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書評 佐々木孝輔ほか『翔べ!空の巡洋艦「二式大艇」』

画像はまだ船の科学館にあった頃の二式大艇 『翔べ!空の巡洋艦「二式大艇」』目次 木下悦朗「炎の翼「二式大艇」に生きる」 日辻常雄「大いなる愛機「二式大艇」奇跡の飛行日誌」 山下幸晴「わが潜偵米機動部隊の直上にあり」 佐々木孝輔「翔べ!空の巡洋艦「二式大艇」」 …
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 本書はイタリア人ルーカ・ルファート氏、オーストラリア人マイケル・ジョン・クラーリングボールド氏によって書かれた太平洋戦争初期のラバウル周辺の航空戦の実態を調査したものだ。  近年、この種類の著作が多く出版されているが、本書はポートモレスビーで …
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 今日紹介するのは、「読むのが大変なんだけど面白い本」、梅本弘氏の航空戦の本だ。梅本氏は本書以外にも多くの航空戦を調査した本を執筆している。梅本氏の書著の何がすごいかというと、今までの戦記は彼我一方の視点、資料で語られるものだ。  しかし、梅本氏は彼 …
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 本書の著者は イスラエルで第四次中東戦争に参加したアメリカのシンクタンクに所属すると各社である 本当の役をしている 奥山真司氏の 師匠にあたる人のようだ。  本のタイトルはかなり挑戦的だが、内容はもっと挑戦的だ。戦争には武力介入をするなという内容である …
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やっと読み終わった586ページとにかく長かった。。。  それも基本的に内容が調査結果の報告書のようなものなので淡々と時系列に沿って書かれており読むのに結構骨が折れた。ただ内容は値段相応の価値は十分にある。  本書は1941年から1942年2月シンガポール陥落までの …
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 驚愕の本でした。正直、ビックリしましたね。  私は中学生の時、岩本徹三著『零戦撃墜王』を読んで以来、戦記物に夢中になり結構な数の戦記物を読んできた。  まあ、基本的には零戦搭乗員関係だけど、それ以外の戦記物もそれなりに読んだのだ。  戦記物も90年 …
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 私が零戦の搭乗員に興味を持つきっかけになった本!。。。ではない。私が零戦搭乗員に興味を持ったのは中学二年生の時に岩本徹三『零戦撃墜王』を西友の古本市で見つけたのがきっかけだ。  学校にある図鑑に胴体に桜の撃墜マークをたくさん描いた零戦の絵があり、「 …
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 以前に購入したが中々読む機会がなかったが、最近、やっと時間が取れるようになったので読むことができた。あとがきを読むと分るが渡辺氏渾身の作品だ。今後、これ以上のものは書けないとまで書いている作品だ。  内容は夜間戦闘機の開発から南方での初戦闘から終戦 …
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 本屋の定期パトロールをしていた時に発見、購入してしまった。私が期待していた内容は、東京都多摩地域の防空体制と生産工場等の詳細な情報であったが、内容は基本的に多摩の工業の変遷であった。  軍事関係の本だと思っていた私はちょっと肩透かしを食らってしまっ …
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 著名な海軍戦闘機搭乗員、宮野善治郎氏の生涯を追いかけた本である。著者は元海軍搭乗員との交流が深い神立氏である。著者は偶然にも宮野氏と同じ高校の卒業生であるという。  因みに私が宮野善治郎大尉について知ったのは、だいぶ前(多分1990年代中盤頃)に読んだ …
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 本書は数少ない偵察機搭乗員の戦記である。著者田中氏は甲種予科練5期生として採用され、戦中はほぼ戦場で過ごした。戦後は海上自衛隊に入隊し、搭乗員としての人生を歩み続けた。  2017年現在、田中氏は恐らくご健在であろう。本書の内容はまさに衝撃的だ。田中氏は …
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 最近、忙しくて中々本を読む時間が無かった。何とか読み終わったのが本書、『神龍特別攻撃隊』である。本書は潜水艦搭載水上機の搭乗員をしていた高橋氏の貴重な記録である。  高橋氏は乙種予科練6期修了という超が付くほどのベテラン搭乗員である。6期というのがど …
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 書評では初めての潜水艦戦記だ。このブログの【書評】という書き方だけど、私は今ひとつ気に入らない。何となくどのブログも【書評】と書いているので【書評】と書いてしまったが、私は感想を書いているだけでその本を「評価」したり「論評」したりしている訳ではない。 …
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 藤田氏を知る人はあまり多くはないだろう。昔一度テレビに出演したがそれを知らなければ恐らく戦史に詳しい人以外は知らない人だと思う。  藤田氏は世界で唯一「アメリカ本土を爆撃した男」なのである。どうやったかというと、当時、日本は世界で唯一(たぶん)潜水 …
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 本書の執筆者、原朗氏は経済史が専門とのこと。私は経済史の研究者には暗いので残念ながら原氏の存在は初めて知った。それはともかく本書は著者が2012年に行った講演を文章化したものであり、明治から太平洋戦争までの期間を概論的にみている。  本書だけではないが …
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 5人の「撃墜王」へのインタビューを中心に書かれている。ほとんどが戦争後半に活躍した搭乗員ということに時の流れを感じる。私が零戦搭乗員の手記に興味を持った1995年前後は日中戦争以来の搭乗員がまだ存命だった。  インタビューは貴重。しかし井上氏の著作はかな …
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 また飛行艇戦記。著者は藤代護氏、乙種予科練9期出身の水偵乗り。偵察員であった。「偵察員」とはよくわからない方もいるかもしれないが、水上偵察機には通常、2〜3名の搭乗員が乗る。操縦員と偵察員、または操縦員と電信員、偵察員である。    予科練を目指す者で初 …
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 本書の著者、保科善四郎海軍中将は、いわゆる海軍良識派と言われる人だ。戦前は開戦に反対し、戦中は和平工作、戦後は軍隊を再建させるために努力した。 保科 善四郎 保科 善四郎(ほしな ぜんしろう、1891年(明治24年)3月8日 - 1991年(平成3年)12月25日)は、日 …
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