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(画像はFA-MASF1 wikipediaより転載)

 

 FA-MASとは、フランス軍が1977年に制式採用したブルパップ式自動小銃である。小型軽量であるにも関わらず長銃身であり、ブルパップ式の構造と相まって高い命中精度を誇るが、ブルパップ式にしたことによりサイト間の照準半径が短くなったことや機関部が射手の耳元にあることによる健康被害も多いが、40年以上にわたってフランス軍の制式小銃であり続けた。

 

FA-MAS(実銃)

 

 

性能

全長 757mm
重量 3,800g
口径 5.56mm
使用弾薬 5.56×45mmNATO弾
装弾数 25発
完成 1977年
設計・開発 サン・テチエンヌ造兵廠

 

開発

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(画像はFA-MASG1 wikipediaより転載)

 

 FA-MASは1977年に制式採用されたフランス軍の自動小銃である。1979年から納入が開始、28万挺がフランス軍に納入された。最大の特徴はショルダーストック内部に機関部を内蔵、グリップ後方に弾倉を設定したブルパップ型であることである。上部には大型のキャリングハンドルが設置され、ステア―AUGやイギリス軍が制式採用したL85のように光学照準器は採用されておらず、メタルサイトがキャリングハンドルの上部に設置されている。

 ブルパップ形式を採用した欠点としてフロントサイト、リアサイト間の照準半径(フロントサイト、リアサイト間の距離)が短くなってしまった対策として二脚が標準装備されている。作動方式は遅延式ブローバックでガス圧によるブローバックにタイムラグをつけるためにボルトの動きを阻止するレバーが設置されている。コンパクトであるが、それまでの自動小銃と同等の銃身長を持っており、ガスポートが無いこと、反動に対するデザインが優れていること、反動を抑制しやすいブルパップ形式であること等から命中精度は高い。

 欠点としては、銃本体の命中精度は高いものの、ブルパップ特有の照準半径が短いため長距離射撃の際には照準しにくいという点が挙げられる。このため他のブルパップ小銃の場合は光学照準器が標準装備されているが、このFA-MASの場合は二脚によってその不利を補っているが、立射や二脚が使用できないような低姿勢での射撃の場合には不利である。ブルパップ式は健康被害も重要な問題で機関部が射手の耳元であるため射撃時の破裂音が鼓膜を傷める問題や銃口が射手の顔に近いため硝煙を吸い込んでしまうという問題もある。

 他にも弾薬の問題も指摘されている。FA-MASが制式採用された1977年時点ではNATO軍に制式採用された5.56mmカートリッジはM193であったが、現在ではSS109という同寸法でありながら高圧力のカートリッジが採用されている。FA-MASはM193仕様で設計されているためSS109が使用できない。対策としてフランス軍は独自に鉄製の薬莢を製作しているが、SS109は使用できずNATO軍内部での弾薬の互換性が無い事は大きな問題である。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 F1モデルの銃身を切り詰めたアサルトカービンモデル、キャリングハンドルをマウントレールに変更、光学照準器の使用を可能にしたF1スナイパーモデルがある。ただ、キャリングハンドルを撤去してもコッキングレバーが上部に位置しているためマウントレールの取付位置は高い。他にも基本的な構造は同じであるが、トリガーガードを大型化したG1モデル、このG1モデルをSS109カートリッジ仕様、NATO軍共通規格のSTANAG規格のマガジンを使用することができる。

 

FA-MAS(トイガン)

 

概要

 1991年4月26日に東京マルイがスタンダード電動ガン第1弾として発売している。さらに1993年7月1日にはG1モデルをスーパーバージョンとして発売している。これは東京マルイ製品で初めて可変ホップアップ機能を搭載したモデルでこのモデルによって東京マルイの電動ガンの構造は確立されたと言っても過言ではない。さらに1996年9月11日には可変ホップアップを搭載したF1モデルが発売されている。

 

東京マルイ FA-MAS スタンダード電動ガン

性能

全長 760mm
重量 2,800g
装弾数 60発
初速 87m/s前後
定価 24,800円

 東京マルイ初の電動ガンであったFA-MASの最新版である。命中精度は非常に高く弾道はフラットである。発売当初は不評であったものの高性能故にフィールドからガスフルオート銃を駆逐していった名銃である。価格は東京マルイの電動ガンでは最も安い24,800円となっている。取り回しの良さや軽さも含め電動ガンの入門者にはおすすめの一挺である。

 

 

まとめ

 

 FA-MASは70年代後半に制式採用された自動小銃である。当時珍しいブルパップ式を採用しており、取り回しやすい上に長銃身であるため命中精度が高いというメリットがあるものの、サイト間の照準半径が短いことや弾倉の交換に手間取る等の問題点も指摘されている。フランス軍も2017年に次期制式採用小銃をドイツH&K社のHK416を採用、2027年までに更新することを発表している。しかし40年にわたってフランスの権益を守り続けてきたFA-MAS、名銃といえる。

 

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