私は自己啓発本はあまり好きではないのだ。どうしてかというと結局、「ポジティブに頑張って生きましょう」ということを色々な経験をした人が色々な書き方で書いているだけなので一冊読めばもういいという感じになってしまう。それなのになぜ今日はこの自己啓発本を紹介するかというと、この著者、経歴がめちゃくちゃなのだ。
元々組織の中でやっていけない性格であった著者は、大学卒業後、就職するも転職を繰り返しとうとう会社の人事部長に、
「東くんはどこの会社に行っても勤まらない。そのことは保証する」
とまで言われてしまったのだ。このエピソードを立ち読みで読んだ直後、私はこの本を持ち、そのままレジへと向かったのだった。私もサラリーマンを少しだけやったが、サラリーマンには向かない性格だったようで苦痛で仕方無かった。結局、会社は辞めたのだが、こういう私にとっては著者はものすごくシンパシーを感じるのだ。
本書の内容はというと、要するに「捨てる」ということに尽きる。仕事を捨て、人間関係を捨て、自己を捨てる。捨てた結果、より大きなものが手に入るという。この本の中で私がドキッとしたのは米国ビジネス社会の言葉で
「コンフォートゾーンを超えよ」
という言葉であった。コンフォートゾーンとは心地いいゆりかごのような場所のことで、居心地のいい職場、人間関係を指している。そこにいるのは心地いいがそこでは成長は得られないという。
「周りがバカだらけというのはあなたもバカの一員であり、そこにいる限り成長は望めない」
さらに嫌なことを手放す。無理してやればストレスになる。因みに子供の頃の好き嫌いがあなたの本質なのだそうだ。さらにピカソの話も秀逸である。ピカソは自分の過去の作品のマネはしなかったという。「自分の作品のマネをするくらいなら他人の作品のマネをした方がいい」とまで言い切っている。
思い込みを捨て、こだわりを捨て成長し続ける。しかしそこには絶えずベースに「悲観主義があることが望ましい」という。これはかなり賛成できる。世間ではポジティブシンキングやらプラス思考やらでやたらと明るく前向きにものを考えるのが流行っているようだ。しかしそう考えなければいけない状態というのがそもそも問題なのである。その問題を解決しないで自分を騙している人がどれだけ多いことか!
この本はブックオフでもアマゾンでも格安で売っている。ブックオフでは基本的に108円、アマゾンでは1円。ざっと読むだけでも面白いと思う。さいごにこの本の言葉の中で特に私が気に入った言葉で〆ようと思う。
40歳過ぎのいい人はどうでもいい人
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