01_二式大艇
(画像は二式大艇 wikipediaより転載)

 

 蒼空は名前が示す通り、海軍の輸送飛行艇である。1944年に計画され1945年末に完成予定であったが、戦局の悪化と物資不足のために開発は中止された。森林資源に恵まれた日本の国情に合わせて全木製とする画期的な飛行艇であった。

 

超大型飛行艇蒼空〜概要〜

 

<性能(計画値)>

全幅48m
全長37.72m
翼面積290
全備重量45.5トン
航続距離3889.2km(または3704km)
最高速度370km/h

 

性能要求

 蒼空は、1944年1月海軍より試作が指示された。性能要求は以下の通り。

‥觝槊未鷲霑兵員80名、または大型重量貨物6トン(別の資料では5トン)
構造は極力木製とし、軽合金の使用を最小限度とすること。
9丗概離3704km(別の資料では3889.2km)
な匕親鶸雜瑳竿行可能なこと
デ確20000L
最高速度370km/h
艇首を上陸用舟艇のような開閉扉式にする。
艇内は上下二段とし、なるべく多くの兵員や物資を搭載できるようにする。

 

開発

 1943年暮れ海軍は川西航空機へ新規に大型輸送用飛行艇の開発を命じた。この海軍からの指示を受けて、1944年1月10日、川西航空機では竹内一郎技師を主務者として設計に着手。1944年3月から11月の間に3回モックアップ審査が行われた。蒼空は超大型であったため実物大模型は部分的にしか作られなかった。

 

計画中止

 1945年設計図が完成したが技術者行員不足、部品不足、原材料不足、空襲の激化によって、1945年8月1日正式に開発中止となった。構造は、木製モノコック構造で艇体内は二階建てで、二階に乗員室と輸送部隊士官室、一階に兵員室または重量物積載スペース、艇首には観音開きの大型ハッチを設ける予定であった。

 外板は厚さ8〜10mmの檜合板で、肋骨には硬化積層材、普通積層材を使用。喫水線以下の部分はセルロイド合板で外張りされる予定であった。エンジンは1850馬力火星22型の4発でプロペラも木製、月産10機ペースで量産を行う予定であった。

 

まとめ

 

 観音扉を輸送機に装備するというのは当時はない斬新なものであった。完成していれば超大型輸送艇として物資輸送に民間航空に活躍しただろうが、戦局の悪化はそれを許さなかった。エンジニアの夢、木製大型飛行艇蒼空は完成することなく終わった。この晴空開発で一番驚くことは海軍が1945年8月まで新型輸送機の開発を続けていたことであろう。もやは軍事物資や生活物資すらも入手困難な時期に新型輸送機を製作することにどれほどの意味があったのであろうか。謎である。

 


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