不定期更新です。 更新は気分次第でーす(^_-)

倉田耕一『アメリカ本土を爆撃した男』




 零式小型水偵で米本土を爆撃した搭乗員、藤田信雄中尉について書かれた本。戦後のことが中心。私の知る限りでは米本土爆撃について書かれた一番新しい本。藤田氏は戦後、米国に呼ばれ決死の覚悟で行くが、思いがけない大歓迎に感激する。その後、藤田氏は米国人との交流が始まるが、著者の思想的な「思い」が強すぎるのがちょっと残念だが、戦後の藤田氏の活動を知るには最上の本。


槇幸『伊25号出撃す アメリカ本土を爆撃せよ』




 米本土爆撃を行った零式小型水偵の母艦の乗組員の記録。「世界で唯一の米本土爆撃」を母艦側から見た貴重な記録。著者の槇氏は知性が高く、冷静に物事を観察している。乗艦中もこまめに日記を付けており艦内の生活が細かく描かれている。伊25潜は米本土爆撃を行った飛行機の母艦である以外にも日本で唯一ソビエト潜水艦を撃沈した艦という側面もある。撃沈した時に同じ潜水艦乗りとして素直に喜べない複雑な心理も描かれている。貴重な記録であり良書でもある。


槇幸『潜水艦気質よもやま物語』




 同じく槇氏の著書。『伊25〜』に対してこちらはエッセイ風の内容。潜水艦乗りのエピソードが数十の短編としてまとめられている。米本土爆撃についての記載もある。太平洋戦争を生き抜いた貴重なベテラン潜水艦乗りである著者の貴重な記録。潜水艦特有の恐怖や大型艦に比べ潜水艦は高級軍人も一兵卒も一蓮托生の環境にあるため一体となって和気あいあいとしているなど実際に乗艦した人でなければ分からないエピソードが満載。


秦郁彦『太平洋戦争航空史話』上




 航空史家の秦郁彦氏が米本土爆撃について書いたもの。米本土爆撃について書かれているのは一つの章だけだが、専門家の調査であるので信頼性は高い。内容も客観的に書かれている。今回紹介した本の中で米本土爆撃の計画から実行、その後まで最も詳細に描かれている。他にも38機を撃墜したアメリカ軍2位のエースマクガイアを撃墜した日本のパイロットは誰かという話やあまり知られていないが、太平洋戦争に参戦していたリンドバーグについて等、気になる航空史のエピソードが多く書かれている。


藤田信雄「米本土爆撃記」『トラ・トラ・トラ』太平洋戦争ドキュメンタリー01

toratoratora1


 米本土爆撃を行った藤田氏自身の手記。複数の手記をまとめた本で藤田氏の手記はその中の一つに過ぎないが、三段組30ページにわたってぎっしりと書かれているので内容は濃い。米本土爆撃以外の自身の潜偵搭乗員としての経験についても詳細に書かれている。潜偵による偵察は、偵察終了後、母艦に戻る際に母艦を発見できること、敵がいないこと、海面が穏やかなことなど複数の条件が重なって初めて母艦に回収されるという。潜偵による偵察任務がどれほど危険なのか良く分かる。他にも著名な撃墜王赤松貞明中尉の手記などもあり貴重。今では入手が困難な書籍なので古本を見つけたら取りあえず購入することをお勧めする。


 今回紹介した書籍はそれぞれ違った面から米本土爆撃にアプローチしているため全部を読むとかなり立体的に米本土爆撃作戦を理解することができる。藤田氏の手記は入手困難かもしれないが他の本は比較的入手しやすい。作戦の詳細、そこに関わった人々、そして戦後と単に「世界で唯一の米本土爆撃」という記録だけでない物語が多くあることが分かる。


↓良かったらクリックして下さい。

ミリタリー(模型・プラモデル) ブログランキングへ