01_二等輸送艦
(画像はwikipediaより転載)

 

要約

 陸軍ではSB艇と言われた二等輸送艦は太平洋戦争の中期に輸送艦不足から短期間に設計、ブロック工法で終戦までに69隻が建造された。本級は多くの戦場への物資輸送に従事、戦後は復員船として活躍した。しかし戦争後期に建造されたため損害もまた多かった。

 

二等輸送艦(SB艇)

 

性能

 通常排水量 810トン
 最大排水量 1,040トン
 全長 80.5m
 全幅 9.1m
 吃水 2.33m
 機関出力 2,500馬力
 最大速力 16ノット
 航続距離 2,700海里/15ノット
 乗員 99名
 武装 40口径8cm砲単装1基
    25mm機銃3連装2基
 同型艦 69隻

 

開発経緯

 太平洋戦争開戦後、特にガダルカナル島争奪戦の際に日本軍は敵制空権下にある前線への補給の困難さを痛感した。このため敵制空権下を高速で突破、味方地上部隊への補給を行う高速輸送艦の開発を開始した。1943年9月に製造が決定、1944年3月には1番艦が竣工している。

特徴

 本艇の建造にはブロック建造方式が採用された結果、二等輸送艦はわずか60日で艦が完成されるという常識を打ち破った建艦スピードを達成した。タービン機関を採用していたが、タービン機関の製造が間に合わず初期生産型の6隻はディーゼル機関を装備している。1943年に製造が決定、1943年12月に第一艦が起工、1944年3月8日に竣工して以来、終戦までに69隻が建造された。搭載能力は九七式中戦車であれば9両、九五式軽戦車であれば14両、特二式内火艇カミ車であれば7両、さらに陸戦隊員200名と1週間分の弾薬、食糧を搭載することができた。

 艦首のハッチを開けることで海岸からの揚陸が可能である米軍でいうLSTの機能も持っていたが米軍のLSTが建造されたのはこのSB艇より後だったという。因みにこの二等輸送艦は海軍の水陸両用車を洋上で発進させることも可能であった。戦時の大量生産にしては意外にも高性能だった。

 

二等輸送艦(SB艇) 〜戦歴〜

02_二等輸送艦
(画像はwikipediaより転載)

 

 短期間で大量生産された本級の内、22隻は陸軍によって運用された。竣工した時期が1944年3月以降と遅いため、主にフィリピン方面で多用されたが、戦局が劣勢になった状態での運用によって相当数の犠牲が出た。その他硫黄島などへの輸送任務にも活躍しており、戦後は復員業務に活躍したのち戦時賠償艦として引き渡されるか解体された。

 

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