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Me262戦闘機01
(画像はMe262 wikipediaより転載)


 日本の航空戦史研究の第一人者である渡辺洋二氏のドイツ航空史に関する著作だ。渡辺氏は日本の航空史研究で有名だがドイツ航空史に関しても多くの著作を執筆している。


 本書は大戦末期に生産されたドイツのジェット戦闘機Me262について書かれた本だ。著者の本は文献や当事者へのインタビューを元に書かれており信頼性はかなり高い。その渡辺氏が書いたものなので信頼性は高いと思う。


 ドイツ航空史の正しい知識を得られる貴重な本だ。Me262はジェット戦闘機として開発されたが、ヒトラーが爆撃機型を望んだために戦闘機型の生産が遅れてしまった。


 Me262は速度が最大の特徴であるが、爆撃機として重い爆弾を搭載した場合、速度は大幅に落ち、撃墜される確率も高まる。


 さらに速度が速くなりすぎ命中精度が落ちるために急降下爆撃は不利であり、緩降下爆撃しかできず、それも命中精度は低くなってしまう。


 Me262は爆撃機には向かないのだ。しかし、最後にエースとしても有名なガランド中将がエースパイロットを集めて第44戦闘団を編成しドイツ空軍の最後を飾ることとなる。


 おおまかにMe262のストーリーを書くと上記のような感じになるが、それ以外にもプロペラ機の速度の限界についての話などは面白い。


 プロペラとピストンエンジンの組み合わせはプロペラの回転速度が速くなれば速度は増すが空気の圧縮性のために推進効率は落ちていく。


 プロペラ機の速度の限界は800/h前後であるという。こういう情報は意外と戦記物や航空機関係の本にはあまり書かれていないので勉強になった。


 さらにドイツにも「エルベ特別隊」という空対空特攻隊があったという。これはBf109の携行弾数を半分にし、敵重爆に機銃を撃ちながらそのまま体当たりするというものだ。


 さらにドイツのトップエース、エーリッヒ・ハルトマンもMe262への転換訓練を受けたがハルトマンの希望により元の第52戦闘航空団に戻ったなど興味深いエピソードが書かれている。


 私が一番驚いたのは渡辺氏は二度、ガランド中将に手紙を出して直接疑問点を訊いていることだ。ガランド中将は見知らぬ質問者の手紙に対して折り目正しい返書がきたという。


 古い本だが戦記物は新しい本がいい本とは限らない。何せ対象にしている時代はもっと古いのだ。逆に昔の本の方が同時代人が多く存命であり、良質の情報で書かれている場合もある。ドイツ航空戦史に興味のある方は必読だろう。


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