ミニマム情報戦記

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ShinMaywa_US-2_at_Atsugi(画像はwikipediaより転載)


 かつて二式大型飛行艇という巨人機が存在した。有名な機体なので知っている人は多いと思うが、この通称、二式大艇は世界最高の飛行艇であった。二式大艇の一代前の大型飛行艇、九七大艇も同様の最高傑作飛行艇であった。


 これは零戦や紫電改が最高の日本機だった(世界的には平凡な戦闘機)というようなものと異なり、客観的に見ても世界最高性能の飛行艇であった。日本は地理的な理由からだろうか、当時から世界最高の飛行艇を生産していた。


 特徴としては長大な航続距離に加え、重装甲、重武装でアメリカ側からも恐れられたようだ。波の高さが1.5m位までなら離水できたと記憶している(イマイチ自信がないが)。


 欠点としては離着水に難がある。戦記を読んでいても良く離着水に失敗している。ベテランの飛行艇操縦員だった北出大太は自身の搭乗機を二式大艇か九七大艇か選択できる条件の時には九七大艇を選択していた。九七大艇には離着水の問題はなかった。これは二式大艇の内部構造が二階建てになっていることに起因する(北出大太『奇跡の飛行艇』)。


 しかし一旦飛んでしまえば重装甲、重武装の強力な飛行艇であった。戦果としてはあまり知られていないが、第二次真珠湾攻撃を成功させている。


 この両飛行艇を生産していたのは川西飛行機で、因みにあの傑作戦闘機紫電改の製造元でもある。元々飛行艇には強い会社であった。そして時は移り現在、世界最高の飛行艇とは何か、恐らく救難飛行艇US-2だろう。





 製造しているのは日本だ。日本は戦後も飛行艇設計技術を継承発展させ続けた。その結果が2003年に初飛行した救難飛行艇US-2だ。製造しているのは新明和工業・・・かつて九七大艇、二式大艇を製造していた川西飛行機だ。


 70年を経た新明和工業の飛行艇は外観上はあまり変化が無いようにみえるかもしれないが性能は段違いだ。70年の蓄積というのは半端ではない。航続距離こそは二式大艇の半分強になったが、離着水距離は約300mと圧倒的に短いSTOL機だ。


 コックピットはグラスコックピットになった。グラスコックピットとは計器がアナログではなく、液晶ディスプレイになったコックピットのことだ。さらに機内は与圧され、救助される怪我人、病人にも負担の無いように設計されている。


 ただ、エンジンはイギリス製だ。日本は航空機エンジンには弱い。それは戦時中からそうであった。大戦中も国産エンジンの性能に合わせて機体を設計していたようなものだ。


 残念ながらこのUS-2のエンジンも国産とはならなかった。因みにX-2(心神)のエンジンは国産であるが、やはり出力が外国製に比べて今一つのようだ。そういうことなのでエンジンはロールスロイス製になったようだ。


 さらに因みに、この救難飛行艇は中国も製造している。性能的にはUS-2に接近はしているが70年の差はそう簡単に縮まらないだろう。技術の蓄積というのはそういうものだ。


 逆に一度消えた技術はそう簡単には戻らない。新明和工業にはハッキング等を中心とする技術の漏えいを注意した方がいいだろう。これはかなり貴重な技術だ。



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