書評では初めての潜水艦戦記だ。このブログの【書評】という書き方だけど、私は今ひとつ気に入らない。何となくどのブログも【書評】と書いているので【書評】と書いてしまったが、私は感想を書いているだけでその本を「評価」したり「論評」したりしている訳ではない。


 まあ、それはいいとして、本書は伝説の潜水艦伊25号の航海記である。伝説というのはこの伊25号搭載の零式小型水偵が世界で唯一アメリカ本土を爆撃したからである。


 伊25号は開戦直前の1941年10月に就役した最新鋭艦である。開戦時には真珠湾に配備される。その後、アメリカ本土に接近し、さらにクェゼリン環礁で補給を受けそのままシドニーの偵察を行うという地球を股に掛けた活躍をする。

性能
排水量 基準:2,198トン 常備:2,584トン
水中:3,654トン
全長 108.7m
全幅 9.30m
吃水 5.14m
機関 艦本式2号10型ディーゼル2基2軸
水上:12,400馬力
水中:2,000馬力
速力 水上:23.6kt
水中:8.0kt
航続距離 水上:16ktで14,000海里
水中:3ktで96海里
燃料 重油:774トン
乗員 94名
兵装 40口径14cm単装砲1門
25mm機銃連装1基2挺
53cm魚雷発射管 艦首6門
九五式魚雷17本
航空機 零式小型水上偵察機1機
(呉式1号4型射出機1基)
備考 安全潜航深度:100m
(wikipediaより転載)


伊号第二十五潜水艦
 伊号第二十五潜水艦(いごうだいにじゅうごせんすいかん、旧字体:伊號第二十五潜水艦)は、大日本帝国海軍の巡潜乙型(伊十五型潜水艦)潜水艦の6番艦。


 アメリカ合衆国本土を潜水艦搭載偵察機で爆撃し、米英戦争以来130年ぶりのアメリカ合衆国本土に所在するアメリカ軍基地への艦砲射撃を行ったことで有名。戦果は商船やタンカー、潜水艦等を合計6隻、計39,342トンを撃沈し、1隻、7,126トンに損傷を与えた。偵察任務に用いられることが多かった。
(wikipediaより一部転載)
 さらに詳しい情報を知りたい方はこちら(wikipedia)


 世界で唯一アメリカ本土を爆撃した航空機を発進させた母艦であり、最後にアメリカ本土に砲撃をした軍艦であり、日本で唯一ソビエトの潜水艦を撃沈した艦である。


 因みにソビエトとは当時中立条約を結んでおり、条約違反ではあるが、アメリカ本土付近にいたという事実を隠蔽するためにこの事件は闇に葬られたはずだ。そのソビエト潜水艦が圧壊していく音を聴いて伊25号の乗組員達は自分達と重ね合わせ素直に喜べなかったという。





 クェゼリン環礁では日露戦争から太平洋戦争まで現役で活躍し続けた敷設艦「常磐」を目の当たりにする。敷設艦常磐であるが、その後も戦闘を生き延び、大湊で大破はしたものの撃沈されることなく終戦を迎えた。


 著者の槇氏は向学心が強く、戦争中も日記を書き読書をしていたという珍しい人だ。本書もその日記を参照しながら書いているので緊迫感が伝わってくる。米本土爆撃の時に零式小型水偵を収容した直後にB17三機に爆撃された状況等はすごい緊迫感である。


 著者は知識人であるだけに「国力の関係から日本が長い戦争は出来ない」ことや、ミッドウェー海戦について冷静な分析をしている。


 本書で一番感じたのは潜水艦乗りが制裁やいじめがなく、和気あいあいと任務を遂行している姿だ。日本海軍は小型艦艇になるほどいじめが無くなるというが、潜水艦とはその最たるものだろう。


 威張っていても爆弾一発で全員死んでしまうという気持ちがあったのかもしれない。士官、下士官、兵という垣根もあまりなかったようである。そして艦長をみんながすごく尊敬しているのが印象的であった。その伊25潜も昭和18年9月に南太平洋に消えていった。。。


 本当に良い本に出合った。



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