クリス・カイル 著
早川書房 (2015/2/20)

 

 有名(らしい)な、映画化もされた(らしい)『アメリカン・スナイパー』の原作(のようだ)を読んでみた。「らしい」やら「ようだ」という言葉を入れたのは私は映画も知らないし、クリスカイルが誰かも知らないのだ。それなのに何で読んだのかというと、WAのサイトにクリスカイルの専用銃のガスガンがあったからだ。SEALの凄腕スナイパーだったということだ。

 

概要
 クリストファー・スコット・カイル(Christopher Scott Kyle、1974年4月8日 - 2013年2月2日)は、アメリカ合衆国の元軍人。狙撃手。テキサス州出身。 「ラマーディーの戦い」における目覚しい戦果によりイラク武装勢力から「ラマーディーの悪魔(シャイターン・アル・ラマーディー)」という異名で恐れられた。アメリカ側では「伝説の狙撃手」と呼ばれている。2014年に公開された映画『アメリカン・スナイパー』(原作は著書『ネイビー・シールズ最強の狙撃手(英語版)』)のモデルである。

(wikipediaより一部転載)

 さらに詳しい情報を知りたい方はこちら(wikipedia)

 

 SEALと言えば世界最強の特殊部隊と言われるほどの部隊。その中でも最高と言えばやはり気になるのが人情というもの。ということで原作を購入し読んでみた訳だ。内容は想像通りのもので、子供の頃(ガンマニアだったようだ)から軍隊に入隊、その後イラク戦争をはじめとする戦闘経験について書いている。

 私が一番興味を持ったのは、SEALとは隠密部隊であり、隊員は忍者のように物静かで静かに各地に潜伏するというようなイメージを持っていた。しかし本書中に登場するSEALは喧嘩好きであり、派手、戦闘に際してもヘルメットの代わりに野球帽をかぶり、テキサスの旗を車にとりつけ疾走するというど派手な男たちであった。

 以前、私の知人でSEALの訓練をみた人からSEAL隊員は寡黙で達観しているというような話を聞いていた。同時に最近読んだ伊藤佑靖『国のために死ねるか』に「SEALは大して強くない気の良いあんちゃん達」という両極端な情報があったが、どうも伊藤氏の説が正しいようだ。

 クリスカイル氏は公式記録160人と米軍史上最も多く人を撃ち殺した男であったが、除隊後、精神に変調をきたした男に射殺されてしまう。最初に射殺したのはイラク戦争でイラク人(たぶん)の女性であった。クリス氏はアメリカに敵対する勢力に対しては「悪党」と呼びもっと殺したいというような発言が作中に頻出する。

 しかし私が面白かったのは一番最初の殺人を行った時、狙撃をした相手を「悪党ではなく「人」または女と呼び、「悪魔に心を侵され、まともな判断力を失っていた」や「(私が殺したことによって)アメリカ人の命を救った」とかなり言い訳をしていることである。

 「心にやましいところはない」と書いているが、わざわざ書くというのはやましい気持ちがあるということだ。アメリカ人の生命を守るためという正当化を行い、相手を「野蛮人」として人として認識しないようにする。これはデーブ・グロスマン『戦争における「人殺し」の心理学』の殺人を正当化する心理がそのまま出ていている。因みにクリスカイル氏もPTSDにかかっていたフシがある。

 それはともかく、本書にはクリスカイル氏が使用した銃、装備が詳細に載っているのはミリタリーファンにとってはありがたい。使用する銃は状況により使い分けていたようだ。近距離の場合はM4のショーとバレル。中距離の場合はSR-25。遠距離の場合は300ウインマグとしか出てこないがどうもレミントンM700の改良型のようだ。

 全体的に本書は一読の価値ありという感じだろうか。日本人としてはアメリカ人のあっけらかんとした戦争観や人殺しに対する価値観には馴染めないかもしれないが、伝説のスナイパーの自著というのはかなりの価値があると思う。

 

 

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