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 銀河は太平洋戦争後期に登場した陸上爆撃機である。当時、海軍には機種区分に陸上と艦上があり、空母に搭載できるのが艦上、それ以外が陸上だ。そして大きく区分すると戦闘機、攻撃機、爆撃機、偵察機がある。つまり空母で運用する戦闘機は艦上戦闘機、爆撃機は艦上爆撃機となる。


 銀河は空母で運用することを想定していない爆撃機なので陸上爆撃機となる。陸上爆撃機は銀河が海軍で初の機種だったはずである。爆撃機というのは急降下爆撃が可能な攻撃機をいう。


 銀河はという機体は珍しく、民間会社が設計したものではない。海軍の空技廠という研究、開発をする機関が独自に開発したものであった。当時の最先端の技術を使用されている反面、コストや生産効率を度外視したものが開発されることが多い。


 この銀河も最高速度546劼罰し海寮能要求を上回る高速であったが、生産効率が悪く、現場での運用も大変だったようだ。


銀河 概要
銀河(ぎんが)は大日本帝国海軍(以下、海軍)が開発・実用化した双発爆撃機。海軍の航空機関連技術開発を統括する航空技術廠(以下、空技廠)が大型急降下爆撃機として開発した機体だが、一式陸上攻撃機(以下、一式陸攻)の後継機として太平洋戦争後半の戦いに投入された。
(wikipediaより一部転載)
 さらに詳しい情報を知りたい方はこちら(wikipedia)


 本書はタイトルの通り、陸上爆撃機銀河に焦点を当てた作品である。この手の航空機を中心に描く書籍は多くあるが、本書で結構意外だったのは、銀河の戦歴について主に記述されていることだ。大体、この手の本はまず、その航空機の性能要求が出された時代背景を描く、もしくは性能要求から始まり、その後、設計者の話、開発、生産、そして実戦配備から運用、終戦という構成になっているものがほとんどだ。


 つまりは航空機を本内で一回作って運用しているようなものだ。しかし本書は設計についての話はあまりない。冒頭に技術者の話と設計の話が少し出てくるが大半は銀河の運用、つまりは戦歴について書かれている。この構成はユニークだが、通常の航空機に興味のある人にとっては物足りないかもしれない。


 私は基本的に歴史が好きなので、むしろ本書の構成に好意的である。本書は銀河が参加した作戦を網羅しているようだ。「ようだ」というのは私自身が銀河の作戦について調べた訳ではないからだ。当然のようにおおよそは時系列に沿って書かれているので辞書的な使い方ができる。


 大戦中の航空機に関しては秋本実『日本軍用機航空戦全史』が日本の航空機を網羅している名著であるが、銀河の戦歴に関しては恐らく本書の方が詳しいだろう。因みに『日本軍用機航空戦全史』は全5冊の大著であるが、辞書としてかなり活用できるので大戦中の日本の軍用機ファンであれば購入しておいて損はない。


 それはともかく、本書は基本的に銀河の戦歴の資料だと思った方がいい。銀河が参加した作戦とそのアウトラインはよく分かるが、銀河に関わった設計者や搭乗員というところまで広げて考えると若干の物足りなさはある。


 銀河は特攻機としても使用されているが、その特攻に関する記述も搭乗員を中心に描く神立尚紀氏や丹念にインタビューを行っているだろう渡辺洋二氏等の著書とは異なり、事象と数量という感じで淡々と記述されている。


 これは恐らく著者が生存者へのインタビューより書籍を渉猟することを優先させた結果だろうと思う。これは私の推測だが、他の作家が関係者へのインタビューを要所要所に織り込みながら話を展開させるのに比べ、本書は関係者の証言が全くないことからも史料を中心としたデータを元に完成させたものではないかと思う。



高速爆撃機「銀河」 (光人社NF文庫)

商品の説明
太平洋戦争の最後の一年間だけ活躍した高性能爆撃機「銀河」―急降下爆撃と雷撃能力を合わせ持ち、戦闘機の追撃を振りきる速力を与えられた万能機。空技廠が戦時下の苛酷な状況下に生み出した不世出の名機の全貌を綴る感動のノンフィクション。サイパンB29基地爆撃行、沖縄特攻、梓隊など銀河の航跡を描く。
(amazonより転載)


 それでも前述のように銀河戦史の資料として活用するには有効だと思う。因みに銀河なら銀河の戦歴を調べる際は、著者によって事実誤認や主観が入るので、出来るだけ違う著者の本を多く読むのがいい。そうすることで逆にいろいろな著者の視点や価値観が分かって面白い。



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