03_S&WM29
(画像はwikipediaより転載)

 

『戦国魔人ゴーショーグン』とは

 

 『戦国魔人ゴーショーグン』とは1981年に放送されたアニメーションで全26話の巨大ロボットアニメである。主人公は10歳の少年ケン太で父親はケン太の乗る巨大ロボ、要塞の設計者という古典的な設定である(『機動戦士ガンダム』も同様の設定)。ストーリーは王道で悪の秘密結社ドクーガが地球を侵略、これに対して主人公ケン太とその仲間達は地球を守るために父親の建造した高性能兵器で戦うというものである。

 登場人物は個性的でそれぞれ暗い過去を持っているという子供向けアニメだがちょっと毛色の違うものであった。設定のモチーフは何と大坂の陣である。ケン太の苗字は真田であり、主人公たちの拠点はグッドサンダー号、これは真田幸村が蟄居した九度山をもじったもの、悪の秘密結社ドクーガは徳川である。

 

スピンオフ作品『時の異邦人』

 

 実はこのアニメ、私はリアルタイムでは見ていないし、実は全話見ていない。面白いのはその番外編『戦国魔人ゴーショーグンー時の異邦人―』なのである。これは本編の戦いが終わって40年後という設定である。主人公はレミー島田、ゴーショーグンチームの紅一点である。そのレミー島田は車で移動中に事件に巻き込まれ負傷、担ぎ込まれた病院で全身を病魔に侵されていることが分かる。

 生と死の狭間の意識の中でレミー島田は幼少期の自分のトラウマ、精神世界での仲間達との旅、そして不思議な街での運命との戦いをする。現実世界では中年となったかつての仲間達が集まりレミー島田を助けるためにあらゆる手段を尽くす。

 ストーリーは何度も観ればわかるが初見ではなかなか分かりにくい。ストーリーは三つの世界の中で進んでいく。現実のレミーの世界、レミーの幻覚の中の世界、レミーのトラウマの世界でレミーの三つの世界が交錯するというもの。明るく気丈なレミー、実は母親は売春婦で孤独の中で生きてきたことも徐々にわかってくるなど物語は意外と深い。

 本編ではレーザーガンのようなもので銃撃戦をやっていたり、巨大ロボで敵と戦う等のやんちゃをしていたゴーショーグンチームだが、『時の異邦人』では違う。すべて現用銃を使用する。そしてレミーの三つの世界の一つ、レミーの幻覚の世界でレミーが愛用しているのがM29なのだ。

 

作中に登場するS&WM29

 

 M29の中でも銃身が6.5インチあると推定されることから、多分M29‐2。プレートにはシルバーのメダリオンが付いている。グリップはS&W純正木製グリップ、使用する弾丸は重量不明のシルバーチップ。ホルスターはヒップタイプでガンベルトには革製弾薬ケースがあり、レミーはそこに44マグナムのバラ弾を入れている。

 私が今まで見たアニメの中でこれほどM29の良さを描いたものはない。レミー一行が安宿に泊まる。化粧台に無造作に置かれたM29とシルバーチップ。M29は威力も強いが反動もすごい。実はレミーの腕はM29の反動にやられてしまっている。激痛を堪えてM29を撃つレミー、途中ではとうとう血が噴き出してしまう。そして徐々に弾丸は減っていく。M29の存在感、44マグナムの威力を良く表現している。

 

まとめ

 

 もう今では忘れ去られている劇場用アニメであるが、人の内面や「生きる」ということを真正面に捉えた作品である。演出手法としても現在と過去、そして幻覚の世界と三つの世界が交差するのが面白い。主人公達も本編の戦いから40年を経ているため70歳を超えているはずなのに40代にしかみえない謎等、細かい設定も調べると面白い。私としては何よりS&WM29の重厚さが表現されているのが一番の魅力なのだが。

 

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