01_疾風
(画像は四式戦闘機疾風 wikipediaより転載)

 

 第二次世界大戦時に製造された木製戦闘機としてはイギリスのモスキート戦闘機が有名であるが、日本でも四式戦闘機疾風を木製化したキ-106が製造された。生産数はわずか10機で性能は四式戦闘機には遠く及ばなかったが一部が実戦部隊である北海道に展開する54戦隊で運用された。

 

キ-106 〜概要〜

 

性能

※武装一号機の要目

全幅 11.24m
全長 9.92m
全高 3.38m
全備重量 3175kg
上昇力 5000mまで7分30秒
最大速度 580km/h
エンジン出力 2000馬力
航続距離 - km(増槽装備時)
武装 胴体に20亠ヾ慄2門、翼内に12.7亠ヾ慄2門
開発 品川信次郎 / 立川飛行機

 

開発

 1943年9月、立川飛行機に中島飛行機製キ-84木製化の試作の内示があり、同年12月に正式に試作指示が出た。1号機は1944年9月に完成した。設計にあたったのは品川信次郎技師で、キ-84の構造が胴体分割構造で主翼と胴体は一体であったが、キ-106は胴体が一体構造主翼は胴体翼と外翼に分割されていた。つまりは主翼の根元部分は胴体と一体化おり、その先に別付けで外翼を装着した形である。

 材質は胴体、主翼共に全木製で主要部分には強化木と積層材が使用されていた。金属に比べ強度が不足するため翼厚は全体に約10%程増大されていた。外観上は重量バランスの変化に対応するため機首が延長された他、脚カバーの形状がキ-84と異なっている。

 初飛行は1944年10月で最高速度はキ-84の624km/hに対して、580km/hと大幅に低下しており、さらに5000mまでの上昇力はキ-84の6分26秒に対して7分30秒と1分以上も低下した。その他着陸速度、離着陸滑走距離、空戦性能全てにおいてキ-84よりも低下していたが、安定性と操縦性は同等であった。組み立て時に使用した接着剤に問題があったようで、試験中に主翼下面外板が剥離・脱落するという事故があった。

 これらの結果を踏まえ、キ-106は錬成用機、試作中止機、研究機と扱いが二転三転した上で生産されるようになったが、やはり強度上、実用機として使用するには問題があったようだ。武装軽減型である況拭∧座練習機型などが計画されていた。

 生産は立川飛行機、王子製紙、呉羽紡績の3社で行われ、王子製紙江別工場で製作されたものは1945年6月に初飛行した。2号機は8月に福生まで800km以上の飛行を行っている。生産された10機の内、4機は北海道の飛行第54戦隊で運用された。戦後に試作2号機と生産1号機が米国に運ばれている。

 

生産数

 立川飛行機で4機、王子製紙江別工場(苫小牧工場とも)で3機、呉羽紡績富山工場で3機の合計10機が生産された。さらに組み立て済みが2機、荷重試験機が2機製作されたている。

 

 

戦歴

 

 

まとめ

 

 キ-106は重量増加のため飛行性能は四式戦闘機に大きく劣ってしまったが、それでも最高速度は580km/hと当時の海軍の主力戦闘機零戦52型の560km/hに比べて優速ではあった。1994年に王子製紙江別工場があった早苗別川畔から設計図が発見されている。機体の一部の主翼骨組みと落下タンク、主車輪が現存している。

 

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