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 今日は私が零戦パイロットオタクから一時期手を引いていた時に「しれーっ」と発売されていたのが本書。まあ、「しれーっ」ととは私の勝手な印象なのだが。これ、私が昔やろうとしていたことなんだよね。戦闘行動報告書を調べて撃墜数を知る。さらに彼我の戦闘報告書を調べて実際の空戦を再現すること。


 なぜやらなかったのかというとこれは大変な労力が必要なのだ。私がやろうとしていた当時、1995年前後は、まだインターネットはほとんど普及しておらず、戦闘行動報告書を調べるには防衛庁の戦史編纂室?に行かなければならなかったのだ。ということでこの計画は私の完全な妄想で終わってしまって月日は流れ・・・。


 ふとネットを見てみると(現在、もう電脳社会になっている)、すごい労力をかけやった人がいる。それが著者梅本弘氏だった。本書にも書いてあるが彼我の戦闘報告書を調べるのはもちろん(当然、外国のものは外国語)、日本を含めた参加国の人が書いた戦記を読破した挙句に執筆したのが本書なのだ。労力はハンパじゃない。


 その結果、彼我の戦闘の実態が「ある程度」判明した。「ある程度」とは彼我の報告書を突き合わせても分らないことも多いのだ。今では良く知られていることだが、日米双方ともに戦果を過大評価している。結構、衝撃的だったのは私の憧れのヒーロー、岩本徹三のラバウル航空戦での戦闘行動報告書に記載されている撃墜数は何と20機であった。


 その20機すらも過大に報告された戦果である可能性は否めない。岩本徹三は自著でラバウル航空戦での自身の撃墜数を142機と主張しているが実際は・・・。日中戦争での撃墜14機というのも異論があるようだし、実際のスコアは多くて30〜40機程度だろうなぁ、等と思ってしまうのだ。


 これに対して15機撃墜のエース仲道渉の撃墜戦果はほとんどの場合、相手国の報告書で確認できるという。仲道渉は丙飛4期出身で当時はまだ若年搭乗員であった。必ずしもベテランの撃墜戦果が確実で若手の戦果が誤認であるとは言えないということも本書から分るのだ。


 値段的にちょっと勇気がいるが戦史が好きな人だったら絶対に勝っておくべきだろう。いずれ絶版になるだろうから・・・。


アマゾン紹介文
出版社からのコメント
 「海軍の搭乗員たちは魔法にかかってたんですね。零戦は無敵であるっていう。 中略 梅本さんがドキドキしながら零戦の撃墜戦果を1機1機調べて、死神の勘定書みたいなことをして、結果が損害151機対205機で。

 なんとか勝っていたことが照明できてホッとしたって書いてるけど、でも実際、零戦はよく戦ってたんだなってことがわかりましたね」 (巻末 宮崎駿(映画監督)×梅本弘 対談より)

内容(「BOOK」データベースより)
 南太平洋、ソロモンの空戦では数多くの零戦が失われた。しかし海軍零戦隊は損害の数倍もの撃墜戦果を報告している。だが交戦した米海軍、海兵隊、陸軍、オーストラリア空軍、ニュージーランド空軍、蘭印空軍も同様に自分たちの損害よりはるかに多い戦果を報告している。

 本書では、この矛盾する両者の戦果と損害の記録をひとつひとつすべて照合。誤認戦果報告によって膨れ上がっていた零戦の虚像の勝利を限界まで削り込み、真実の撃墜戦果を見つけ出した。
(amazonより転載)


カスタマーレビュー
 これはすごい。1943年前半期における零戦隊と連合軍航空部隊との戦いを克明に記載した著作である。
本書の凄い所は、両陣営の戦果と損失を実際の数値から割り出している所。戦史をかじった人には自明であるが、両軍が発表する「撃墜戦果」は実際の戦果から大きく乖離している場合が多い。
(もりつち)

 多くの場合は実際の戦果よりも誇大になりがちで、5〜10倍というのも珍しくない。これが所謂「零戦無敵神話」の原因なのであるが、本書では可能な限り両軍の「損害」報告に基づいた「正しいと思われる」数値で戦果を割り出している。
(もりつち)

 昔の戦記ものなどでは、無敵ゼロ戦として子供心にすごい戦闘機が日本にあったんだと教えられました。しかし、本当の戦果がいろいろなデータから明らかになった時、日本にしても連合軍にしてもトータルとして過大な戦果を互いに戦時中にしていたことをこの本により白日のもとになった。やはりそうだったのかと納得する自分が一抹の寂しさを感じてしまう本です。
(ノーカスタム)

 手間のかかる調査だったことが想像できる労作です。
日本では、いままでないテーマでそういう意味でも価値があると思います。
しかし、最大の欠点は文章が読みにくいところです。
(ウリの山)


 難を上げれば、ボリュームの割に値段が高いこと。文字数が少ないので2時間ほどで読み終えることができる。その割に約3000円というのは割高感がある。
いずれにしても資料性の高い作品なので、値段の事には目を瞑り、続編に期待したい。
(もりつち)

 ラバウルで岩本徹三さんは自著?で200機以上の撃墜を主張しています。204空とか253空の記録が20機程度しかないということにショックを受けてしまいました。でも、それはそれとして、岩本飛曹長の話が色褪せる訳でもなく、また、戦後裁判で2機撃墜(実際は0?)を勝ち取ったボイントン氏の話が色褪せるわけでもない。冷静なデータ照合がこの本の良さだと思います。また、零戦は52型が最高という結論に一人満足しています。
(ノーカスタム)



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