
(画像はwikipediaより転載)
マカロフPMとは、ソビエト軍が1951年に制式採用した中型拳銃である。それまでのトカレフTT33に比べて威力は低い。設計はドイツのワルサーPPの影響を非常に受けているが、スライドストップの採用やグリップ下部のマガジンキャッチ等独自の機構もある。現在でも生産されており、ライセンス生産も世界中で行われている。
マカロフPM(実銃)
性能
全長 162mm
重量 730g
口径 9mm
使用弾薬 9×18mmマカロフ弾
装弾数 8+1発
設計・開発 ニコライ・マカロフ / イジェフスク機械工場
開発
1933年に制式採用されたトカレフTT33に代わる拳銃として開発されたソビエト製中型拳銃である。設計者はニコライ・マカロフ(1914〜1988年)。1948年に行われたトライアルの結果、競合する拳銃よりも部品点数が少なく、故障も少なかったためいマカロフPMが合格、1951年12月にトカレフTT33に代わりソビエト軍制式拳銃として採用された。戦争での拳銃の重要性が薄れたというソビエト軍部の認識により使用弾薬は強力な7.62×25mmトカレフ弾から威力の弱い9×18mmマカロフ弾が採用された。その後、より強力なマカロフPMM弾仕様に変更になっている。ダブルアクション、シングルアクションでの射撃が可能である。
構造はワルサーPPから非常に大きな影響を受けており、発射機構もPPと同様のストレートブローバック方式でスライド後部にデコッキングレバー兼用の安全装置が設置されているのも同様である。マガジンキャッチはトカレフ同様にグリップ下部にあるため片手でのマガジンを排除することはできない。PPと異なりスライドストップが装備されている。ファイアリングピンにリターンスプリングが存在しないという機構はさすが質実剛健のソビエト製というところだろう。
1990年(1994年とも)には改良型のPMMが登場する。これはマカロフ弾の強装弾を発射出来るように改良された他、グリップも人間工学を取り入れた形状に変更されている。これにより初速が25%アップしている。製造はイジェフスク機械工場で行われた他、多くの国でライセンス生産されている。2003年には新しくMP443グラッチが制式採用されたが、現在でも生産されており、世界中で使用されている。
マカロフPM(トイガン)
概要
トイガンとしては2012年頃にGUNくつ王がダミーカートモデルを製作、2015年にはKSCがガスブローバックモデルを発売している。
KSC マカロフ ガスブローバック
性能
全長 160mm
重量 500g
装弾数 10発
外観の完成度は非常に高い。初速は60m/s前後でこのサイズの銃としては命中精度は高いがマガジンが小さいため外気温の影響を受けやすいことが難点である。Ver1とVer2があるが、Ver1はユーザーによって作動性に問題が指摘されているため中古で購入する場合には注意が必要である。
まとめ
マカロフPMはそれまでの弾薬を低威力化するという思い切った方針の基に設計された銃である。トカレフTT33がシンプルな構造で頑強であったのと同様にマカロフも質実剛健な銃である。威力が弱くなった分操作性は向上したため現在でも多くの国や地域、組織、日本のいけない組織等でも使用されている。
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