wz63
(画像はwikipediaより転載)

 その昔、『N45°』という短編集の中に『パオさんとの復讐 (コスモノベルス)』という小峰隆生監督の作品があった。小峰隆生氏は知る人ぞ知る有名なガンマニアで、ただのガンマニアではなく、アメリカでテッド新井氏に師事して実銃の射撃のトレーニングもしている人物である。実際、腕もかなりのものらしい。もちろん銃に対する造詣も深く『拳銃王』という本も出版している。最近は編集者をされているようで佐藤優著『人たらしの流儀』において佐藤氏が「異能の編集者」として高く評価している。この小峰氏が監督した映画『パオさんとの復讐 (コスモノベルス)』で主人公達が使用しているのがこのPM63(Wz63)なのである。

 

WZ63(実銃)

性能

全長 333mm
重量 1,600g
口径 9mm
使用弾薬 9×18mmマカロフ弾
装弾数 15,25発
設計・開発 ピオトル・ウィルニエフチク / FBラドム社

 

開発

 PM63(Wz63)は1950年代後半に設計開始、1963年に完成したポーランド製のサブマシンガンである。1965年にはポーランド軍と警察に制式採用された他、少数がアラブや旧東側諸国に輸出され、中国でもライセンス生産されていた。1977年生産終了。

 機構は一般的なオープンボルトであるが、通常のサブマシンガンのようにボルトが本体内に内蔵されておらず、スライドとして露出しているため、一見オートマチックハンドガンのような形状をしており、発射するとオートマチックハンドガンのようにスライドが前後して給排莢を行うという非常にマニア好みの銃である。スライドの先端は下部のみ前方に突き出しており、これにより硬い物体に押し当てることで装填を行うことができるというよく分からないユニークな機能を持っている。

 マガジンはUZIのようにグリップ内に配置されており、射撃時には、スライドを後方に引き、本体側面に収納されたストックを後方に引き出して前方下部に収納されているフォアグリップを前方に倒して使用する。因みにこのフォアグリップは若干作りが悪くガタつくという評判である。スライド上にはフロントサイト、75m、150m切替式のリアサイトが設置されているが、共にスライド上にあるため射撃するとサイトが前後に高速で動いてしまいサイティングが出来なくなるという問題があるが、何よりもストックの長さが短いためストックで固定して射撃するとスライド後端が顔面を連打する可能性があるということが最大の問題である。

 それでも銃自体は全長30cm強、重量1,6kgと大型拳銃並みでフルオート射撃が可能というのは魅力的である。セミ・フル切り替えることが出来るがトリガーを短く引くとセミ、長く引くとフルオートとなる。使用するカートリッジが低威力の9×18mmマカロフ弾であるためストックを使用しなくてもフルオート射撃が出来るようである。

 

WZ63(トイガン)

 1993年8月にタナカから発売されている。外観の完成度は非常に高く、スライド、ストックは金属製である。ガスブローバックであるが、ガスブロ草創期のものであるためアフターシュート方式で狙点よりも下に着弾する。これが唯一のモデルアップであるが、むしろモデルアップしたタナカが凄いといえる。

 

まとめ

 

 一見、非常に複雑な機構をしているように見えるが、実際はオープンボルト式サブマシンガンなのでびっくりするほど少数のパーツ構成で成り立っている。サブマシンガンとマシンピストルの中間位の銃なので独特の存在感を出している故に上記『パオさんとの復讐』に選ばれたのだろう。

 

 

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