01_イサカm37
(画像はwikipediaより転載)

 

 イサカM37は1937年に発売されて以来、現在でもセールスを伸ばし続けている米国のショットガンで最も長期間販売されている銃である。理由はシンプルな構造に起因する高い信頼性であり、ショットガンが自動化しつつある現在においても一定のシェアを持っている。

 

イサカ M37(実銃)

 

 

性能

全長 1017mm
重量 2.3kg
使用弾薬 12ゲージ、16ゲージ、20ゲージ、28ゲージ
装弾数 4+1発、7+1発(チューブ型弾倉延長タイプ)
完成 1937年
設計・開発 ジョン・ブローニング、ハリーホーランド

 

背景から開発まで

 ニューヨーク州にある銃器製造メーカーイサカは、ショットガン市場でウインチェスターM12に対抗するためのショットガンの開発を指向していた。イサカはレミントンM17をベースとして、イサカM33を開発したが、関連特許がまだ残っていることを発見する。この特許が切れた1937年にイサカM37として発売した。

 

開発

 M37の最大の特徴は通常のショットガンのようにレシーバー下部から装填、レシーバー右側のエジェクションポートより排莢するという構造ではなく、下部から装填、そして排莢を行うことである。これにより雨やゴミ、埃が内部に侵入することが少なく、同時にレシーバーの強度が保ち易いため軽量化が可能になった。これは当時のショットシェルが紙で出来ていたために信頼性の向上に大きく貢献することになった。

 またM37は、他のショットガン同様、スラグファイアが可能であった。これは引き金を引き続けて、同時にポンプで給排莢を行うことで連射するもので、セカンドシアーという部品がポンプに連動してハンマーを落とすために起こる「意図的な暴発」機能であった。面を制圧するエリアウェポンとして威力を発揮するものの初心者が行うと事故のリスクが高まることや犯罪に使用されたことがあったため1990年以降のモデルではセカンドシアーは付けられていない。

 M37は、米軍に採用され、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争で活躍する。特にベトナム戦争のジャングル地帯での戦闘に威力を発揮した。軍以外では1940年代に、ニューヨーク市警とロサンゼルス市警に採用され1990年代後半まで使用されていた。それ以外に民間でも普及しており、1968年に生産100万丁を達成、現在はすでに200万丁を突破しているが、未だに生産・販売され続けている米国市場最長のロングセラーショットガンである。価格は2022年現在で$1,199〜2154である。

 

バリエーション

 1962年に米軍用に製造されたSプレフィックスは、表面はパーカーライジング仕上げで20インチバレルとプラスチック製のバットプレート、スリングスイベルのないプレーンストックという仕様であった。このモデルの一部は、米海軍特殊部隊SEALが使用していた。少数のスリングスイベルが付いたモデルも存在する。ステイクアウトは銃身を13インチに切り詰めストックをピストルグリップにしたモデルで、テレビドラマ『マイアミバイス』の主人公タブスが使用していたことで有名である。 その他にもレシーバーをアルミ製にしたウルトラライト、ディアスレイヤー等が存在する。

 

イサカ M37(トイガン)

 

 トイガンでは唯一KTW社がコッキング式エアガンとして発売している。発売開始は1997年でフェザーライト、ライアット、ソウドオフ、ポリスとバリエーション展開している。ライアットは全金属製でその他はABS製である。発射機構はエアコッキング式、カートレスで1〜2発の同時発射が可能である。外観のリアリティ、命中精度は非常に高い。価格も値ごろ感があるが、給弾がしにくいのが欠点である。短所であるマガジンの装填に関しては戦民思想製「まほうの杖forITHACA -RIOT-」を購入すると良いかもしれない。

 

 

まとめ

 

 イサカM37は1937年に発売され、現在でも販売され続けているマスターピースである。映画『ターミネーター』でカイル・リースが使用したショットガンとして有名である。機能に無駄な部分がなく信頼性も高いM37は今後も市場に残り続けるだろう。

 

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