01_M1951
(画像はwikipediaより転載)

 

 M1951とは、 ベレッタ社が1951年に発表したベレッタ社初の9mmパラベラム弾使用の大型拳銃でシングルアクション、シングルカラムマガジンを持つ自動拳銃である。世界各国で制式採用され大ヒットとなる。のちにはダブルアクション、ダブルカラムマガジンに改良した92が米軍に制式採用された。

 

M1951(実銃)

 

 

性能

全長 194mm
重量 935g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 8+1発
設計・開発 トゥリオ・マレンガーニ / ピエトロ・ベレッタ社

 

概要

02_M1951
(画像はwikipediaより転載)

 

 ベレッタM1951 はトゥリオ・マレンガーニによって設計されたベレッタ社初の9mmパラベラム弾を使用する自動拳銃である。1949年より設計を開始、1951年に完成した。同年イタリア陸軍に制式採用、1956年から本格的に生産されることになった。当初はフレームに軽量合金を使用していたが強度不足が判明したため、1955年頃より発売されたセカンドバージョンからはスチール製に変更されている。これによって重量は250g増したが強度不足は完全に解消されている。1975〜76年にはベレッタ92用に開発された合金を使用したフレームを装備したモデルが少数生産されている。

 ベレッタM1951は、M1934をベースに口径を9mmパラベラム弾仕様に変更。それまでの380ACPよりも高圧のカートリッジに対応するために、ワルサーP38系統の独立ロッキングラグを持つショートリコイル方式を採用している。スライドはM1934と同じ、オープンスライド方式で、この大きく切り取られたスライドは強度の点では問題は残るものの、バレルの放熱という点でも有利でスライド自体が軽いことで反動の軽減にも役立っている。

 マガジンはシングルカラムで装弾数は8発、セイフティはグリップ側面上部に設置されている押しボタンタイプのものだ。シングルアクションであるのものの、バランスの良いシンプルな拳銃であった。イタリア陸軍以外にもイスラエルやエジプト、イラク軍等世界各国で制式採用された。このM1951をダブルアクション、ダブルカラムマガジン化した92は1985年に米軍にM9として制式採用されている。

 

 

M1951A(またはR)

 ベレッタM1951のバリエーションとしては、フルオート機能搭載のM1951A(Rとする資料もあり)がある。これはM1951にフルオート機能を搭載し、さらに銃身下部にフォアグリップを付けたものだ。フォアグリップは太い木製で前面部にはフィンガーチャンネルが付いている。装弾数は10発に増加され、さらに15連マガジンも開発された。無論8連マガジンも使用可能である。

 

M1951エジプト・タイプ

 1957年にエジプトからの発注で、銃身を長めにしリアサイトが角型に変更された。さらにグリップ側面にあったマガジンキャッチをグリップ下部に変更。さらにランヤードリングが付けられた。グリップ後部はストレート仕様となり、グリップパネルはチェッカリングに変更された。約50,000丁が生産されている。

 

M52スペシャル

 7.62mm口径の射撃競技専用に開発されたモデル。装弾数は8発で全長は4センチほど延長されている。

 

M51/57ベルハマ

 銃身を長めに変更しアジャスタブルリアサイトを装着した。グリップはサムレスト付きのもので口径は9mm、装弾数8発。

 

M1949オリンピック

 ベレッタ社初のターゲットピストルである。22LR弾仕様で銃身長は201mm、マズルコンペンセイターとバレル下部にバランサーが装着されている。

 

92

 M1951をダブルアクション化し、ダブルカラムマガジンを採用したモデル。これがさらに改良されて92Fとなる。

 

M1951(トイガン)

 

 トイガンでは発売されていない。

 

まとめ

 

 ベレッタM1951は、1980年まで生産されたが、時代はダブルアクション、ダブルカラムマガジンに移行しつつあり、このM1951もそれらを備えた92へと移行していくことになる。この92は、現在でも第一線で使用され続けていることから見てもこのM1951の設計の優秀さが分かる。

 

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