01_M27
(画像はwikipediaより転載)

 

 S&WM27/28とは、1935年に357マグナム弾と共に発表されたS&W社のNフレームリボルバーである。新しく開発された357マグナム弾を発射するために大型のNフレームを採用、当初は受注生産の高級モデルであった。発売してみるとS&W社が想定していた以上に人気があり、第二次世界大戦中は製造が中止されたものの現在に至るまで販売されているロングセラー商品である。

 

S&WM27/28(実銃)

 

 

性能

全長 190mm
重量 1,070g
口径 38口径
使用弾薬 357マグナム弾、その他38口径弾
装弾数 6発
完成 1935年
設計・開発 S&W

 

開発

02_M27
(画像はwikipediaより転載)

 

 M27は、当時世界最強のハンドガンカートリッジである357マグナムと同時に発表された357マグナム弾を発射できるリボルバーである。357マグナムとは38スペシャル弾のカートリッジを延長、そこに火薬を詰め込んだ38スペシャル弾の強化型といえるカートリッジでアメリカの銃器ライターフィリップ・シャープスがS&Wにアイデアを持ち込み、興味を示したS&Wがウインチェスター社に開発を依頼、1934年に完成した。

 カートリッジが開発されても撃てる銃が無ければ意味がない。S&Wはハンドエジェクターで完成されたお馴染みのリボルバーメカニズムで357マグナム弾の衝撃に耐えられる大型のNフレームを開発、1935年に357マグナム弾を発射することが出来るレジスターモデルを発売した。これがのちのM27である。「レジスターマグナム」とは所有者登録証(レジストレーション)に由来する名称で、レジ係が使う銃という意味ではない。

 因みに「マグナム」という名称はキャッチコピーのようなもので酒の増量ボトルを意味するマグナムに由来している。ただのネーミングなのでカートリッジ自体が特殊な形状をしていたり特別な機能があったりする訳ではない。強いて言えば「通常よりも強力なカートリッジ」であるが、これも規定がある訳ではない。

 このマグナム弾を発射するというのにS&Wは相当プレッシャーを感じたのか、レジスターマグナムはやたらと頑丈なNフレームを採用したのだが、これは完全なオーバークオリティであることはのちに開発される世界最強の44マグナムのプラットホームとしても使用されたことから分かる。これらからも分かるようにS&Wは「世界最強のカートリッジ」が非常に好きで1934年に当時世界最強の357マグナム、1955年に当時世界最強の44マグナムを使用するM29、2003年に当時世界最強の500マグナムを使用するM500を開発しているが500マグナムはさすがに44マグナム程の実用性はなく、ほとんどのユーザーはインテリアとして飾っているのが実情だという。

 それはともかく、レジスターマグナムは完全受注生産の登録証付きオーダーメイドモデルとして発売された。当時の価格で60ドル(現在の1,134ドル位)、他のモデルが45ドル(現在の850ドル位)前後であったことを考えるとかなり高価な銃であった。一般ピープルが世界最強のカートリッジが好きなのは今も昔も変わらない。発売はしたもののあまり期待していなかったS&W社は月産120挺程度を予定していたのだが、届いた注文は数千挺、レジスターマグナムは一躍人気商品となりS&W社はうれしい悲鳴を上げた。

 M27は現在でも販売されており、価格は1,209ドルである。発売当初の販売価格が60ドルで現在価値に換算すると1,134ドルであることを考えると価値はあまり変わっていないが、他の銃が軒並み1,200ドル程度に上がってしまったことを考えると相対的に安価になってしまったようだ。

 

M28ハイウェイパトロールマン

02_M28
(画像はwikipediaより転載)

 

 1939年には第二次世界大戦の勃発によって生産は一旦中止されるが、1948年には各部を改良したニューモデルを発売、1957年にはさらに改良が加えられM27として発売された。人気のあるM27であったが、警察官の中では特に人気は高く、装備したいののの高級品であるために中々手が出せないモデルであった。そこでテキサスハイウェイパトロールがS&W社に対して極限まで品質を落とした貧乏人用M27の開発を強く要求。その結果、1954年には、表面の美しいブルー処理は艶消しのブラッシュ仕上げ、銃身からフレーム上部に彫られていた乱反射防止チェッカリングは廃止、サイトやハンマー、トリガーは標準サイズのみとした貧乏人仕様のM27が発売、1957年にM28ハイウェイパトロールマンと命名された。

 

バリエーション

03_M327
(画像はwikipediaより転載)

 

 銃身の長さ以外にはバリエーションがほとんど存在しないM27/28であったが、1989年にはステンレス製のM627が発売、1996年にはまさかの装弾数8発のM627がS&Wパフォーマンスセンターから発売された。これはノンフルートシリンダー(シリンダーに溝がない)で、2.625インチ、4インチ、5インチ、6インチモデルがある。2003〜2004年にかけてスカンジウム合金とチタン合金で造られたM327が少量生産、これが市場で割とウケたため、2006年には競技用のTRR8と軍警察向けM&P R8が発売された。M&Pモデルはバレル下部に、TRR8はバレル下部とフレーム上部に20mmレイルが装備されている非常にメカニカルな外観となっている。2008年にはアンダーラグ(銃身下部についている錘)仕様のPD、NGが発売されている。

 

S&WM27/28(トイガン)

 

概要

 モデルガンでは1972年にMGCがハイウェイパトロールマン41を発売、これは日本初のプラ製リボルバーであった。1976年にはCMCがM27を発売、1975年にはコクサイがMGCコピーの疑いが濃厚なハイパトを発売している。1981年にはコクサイがハイパトをリニューアル、1984年にはクラウンが組み立てキットを発売しており、近年ではタナカワークスが非常に完成度の高いペガサスシステム仕様のM327を発売している。

 

タナカワークス M327 ガスガン

性能(M327 4インチモデル)

全長 263mm
重量 900g
装弾数 16発

 タイムプルーフされたペガサスシステムを採用しているので作動は安定している。初速は60m/s前後と若干低めである。命中精度はリボルバーとしては良い方であるが、リボルバーは構造上、高い命中精度を出すのが難しい。ガスガンのリボルバーは「ロマン」を買うのだ。

 

まとめ

 

 M27とM28の違いが分かりにくいが、M27がオリジナルの高級モデル、廉価版がM28と考えると分かりやすい。357マグナムを使用できる銃は38スペシャル弾も撃つことができるため使い勝手が良いという特徴がある。因みに38口径のマグナムがなぜ「357」なのかというと38口径を正確に測定すると0.357インチであることに由来する。38口径は本来は35口径、または36口径と表記するべきなのだが38口径となってしまったためこのような混乱する名称になってしまうのである。

 

⇒銃一覧へ戻る

 

amazonでS&W M27 M28を探す

楽天でS&W M27 M28を探す

 

【店内全品3%オフクーポン】タナカワークス ペガサスガスリボルバー S&W M29 カウンターボアード 6-1/2inch Ver.3 ヘビーウエイト
【店内全品3%オフクーポン】タナカワークス ペガサスガスリボルバー S&W M29 カウンターボアード 6-1/2inch Ver.3 ヘビーウエイト
モデルガン タナカ S&W M29 6-1/2インチ カウンターボアード ダーティハリーモデル HW 最新ロット!
モデルガン タナカ S&W M29 6-1/2インチ カウンターボアード ダーティハリーモデル HW 最新ロット!
タナカワークス S&W M29 Counterbored 6-1/2インチ HW Ver.3 ガスガン
タナカワークス S&W M29 Counterbored 6-1/2インチ HW Ver.3 ガスガン

 

 

↓良かったらクリックして下さい。

ミリタリーランキング