14歳からの靖国問題
小菅信子 著
筑摩書房 (2010/7/7)

 

 子供向け(とは言っても中学生位か)向けに書かれた靖国問題を分りやすく書いたもの。

 まず靖国神社とは、明治初期に東京招魂社という戊辰戦争で死んだ戦死者を祀るために作られた神社が元になっている。しかし戦死者全部を祀っている訳ではなく、あくまでも戊辰戦争で天皇側の戦死者を祀った神社であり、以後の戦争においても「名誉の戦死」を遂げた主に兵士を祀った。民間人も戦争に協力して戦場で戦死した者は祀られるという。つまり戊辰戦争で政府軍と戦った日本人の戦死者は祀られておらず、さらに敵前逃亡等、「不名誉な戦死者」も祀られていないということだ。

 そしてまた仏教徒、キリスト教徒、旧植民地の人々の中で靖国神社に祀られてしまったが祀らないで欲しいといおう人々に対しても一回祀ってしまった霊は分祀出来ないという考えの下、祀られたままになっている。1952年から天皇も参拝していたが1978年にA級戦犯が合祀されてからは行われなくなった。これはA級戦犯の合祀が関係しているということは富田メモによって明らかにされているという。

 そして靖国問題に対して著者は明確な答えを出さない。歴史を学び自ら考えることが大切であるという。そして最後に靖国問題を書くと酷い言葉で誹謗中傷があるという。こういうことが常態化している日本に対して警鐘を鳴らす。

 今回は靖国問題というかなり面倒な問題についての本を読んでしまった。理由は何となく靖国問題を理解しておこうと考えたからだ。本書は子供向けに問題点をかなり分りやすく説明している。大人であれば一時間程度で読了してしまうくらいシンプルだ。

 戦死者すべてが靖国神社に祀られていると誤解している人多いだろうが、戊辰戦争で政府軍と戦った会津藩士や長岡藩士等は祀られていない。太平洋戦争の戦死者でも祀られる人とそうでない人がいるということは知っておく必要があるだろう。そうでなければ靖国神社に祀られることが名誉とはならない。そして神道以外の宗教を信仰する人々の合祀をやめてくれという意見にも応じない。さらにA級戦犯問題。ここらへんに靖国問題の重要な部分があると思う。

 

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