佐藤優 著
扶桑社 (2011/9/28)

 

 本書は、知の巨人と言われる佐藤優氏がその博識と経験を元にして様々な悩みに氏ならではの答えを出すというものである。出版されたのが震災後であることから震災に関する質問が多いが、それ以外にも仕事、人間関係等に対しても広く質問に答えている。

 佐藤氏は一見常識的で型どおりの答えを出しそうな気がするが、各質問に対する佐藤氏の答えは独創的であり、読んでいてハッとさせられる。内容は一般の質問者に対して一問一答式で答えるもの。ロシアでビジネスがやりたい、文筆家として成功したい、インドで働きたいという質問から、外務省に入りたい等々。

 それらに対する答えは、ロシア人は最初はやさしいが自分より金持ちになると面倒だ、文筆家は99%運である、外務省で働きたいなら英語に堪能にならなければならない等、自身の実体験から的確な答えを返す。因みに外務省に入るには、英検一級、若しくは準一級を持つ必要があるという。無論なくても入れるが一級が取れないほど語学センスが無い人は外務省ではやっていけないということだ。2回受けて落ちたら諦めろと厳しい。

 私が特に面白いと思ったのは、男女関係に対する質問の数々だ。カルヴァン派キリスト教の熱心な信者であり、牧師の資格も持つ佐藤氏なので性に関しては当然保守的なのであろうと考えていたが(保守陣営だし)、意外に開放的であった。質問の中で興味深かったのは、イスラム教に入信した方からの質問だ。質問者はイスラム教に入信し、ロシアへの留学経験もあるという。そしてイスラム教を周りに布教したいという。佐藤氏の回答は、布教してはいけないという。それよりも自分自身が他人を思いやり愛を持って生きるというのが大切であるというような回答である。そうすればその姿を見て周りの人々はイスラム教に興味を持つかもしれないとのことだ。

 特定の宗教に入信していない私のような人間からすると勧誘されるのは正直迷惑なのである。無論他人が進行するのは構わないし否定もしないが。佐藤氏のようなスタンスで宗教を信じるのは良いことだと思う。何事も自分の意見を人に押し付けてはいけないのだと考えされられた。

 

 

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