著者は貧しい家庭に育った。父親は借金を背負い、結局、離婚。新聞配達のアルバイトをしながら美大を目指していたようだ。そしてアルバイトをしながら借金をして買ったMACでデザイン、プログラムを勉強して技術を身に付けた。しかし美大受験は当日寝過ごしてしまったため受験しなかったそうだ。

 その後、九州で会社員をした後、起業して社員150人の会社を作ったが売却して十数億円の金を手に入れた。しかし六本木で全て使ってしまった。一か月の飲み代が2000万円というからすごい。現在は、新規事業を立ち上げたり、ベンチャーに投資をしている。預金は皆無であり、月末には携帯電話の支払いも出来ないことがあるという。

 でも著者は楽しいという。金は無いがfacebookの多数のフォロワーを失う方が金を失うよりも辛いという。著者は金に価値を置かない。楽しい事業に投資することがワクワクするという。そして雇用関係についても雇用者、被雇用者という立場はもっとフリーであっていいという。0円で雇用して利益が出たらみんなで分ける会社というのもやっているらしい。

 この本の中で特に面白かったのは、暗闇合コンだろう。全くの暗闇の中で男女4人ずつが会話をする。興味深いのは参加者達は最後まで顔を見せないという。厳密には合コンではないがアートなのだそうだ。さらに必ず盲目の人を一人は参加させていたという。それは盲目の人の世界を目の見える人が体験するという意味らしい。この合コンはかなり人気があったようだ。最後に著者の金に対する考えは、金は事業では血液と同じでなくてはならない。しかし流れるもので貯めることはしないという。

 著者は、今年東京都知事選に立候補して話題を集めた人である。最近、youtubeで岡田斗司夫氏と対談している動画を観て気になったので本を読んでみた。ユニークな人柄で読んでいると何かこっちも楽しくなってくるし、なんでもできるような気にさせてくれる。楽しかった。

 

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