S&WM610
(画像はwikipediaより転載)


 懐かしの名銃、ブレンテンを紹介する。ブレンテンとは80年代の人気ドラマ『特捜刑事マイアミバイス』の主人公ソニー・クロケットが当初使用した銃としても有名である。


 この銃が特徴的なのは10mm弾という専用弾薬を使用することであったが、10mm弾も廃れてしまった現在、激マイナーな銃となってしまった。そして製造されたのも1500挺のみであった。

ブレン・テン(実銃)






性能
口径 10mm
銃身長 127mm
使用弾薬 10mmオート弾
装弾数 10+1発
作動方式 ショートリコイル
ダブルアクション
全長 222mm
重量 1070 g
(wikipediaより転載)

ブレンテン誕生



 ブレンテンはイギリス製が1930年にチェコスロバキア製のブルーノZB26軽機関銃をライセンス生産したブレン軽機関銃の「ブレン」と10mmの「テン」を合わせたネーミングの銃である。ブレン軽機関銃から名称の一部を取っているのは、ブレンテンの発案者ジェフ・クーパー氏がブレン軽機関銃が好きだったからだと言われている。


 発案者のジェフ・クーパーは元米軍特殊部隊の隊員でコンバットシューティングの神様と言われてた人だった。その人が最も理想的なハンドガンを作るということで助言して開発されたのがこのブレンテンである。


 普通、理想的なハンドガンを作るとなると銃のカスタムをするものだが、このブレンテンは新規で全く新しい銃を作っただけでなく、弾薬までも新規で作ってしまった。新規で作った弾薬は45口径(11.43mm)と9mm弾の中間の10mm弾であった。

10mm弾とは



 ここで少し10mm弾の話をしよう。オートピストルの弾薬の系譜は大きく、大型で破壊力に優れた弾薬である45口径の米国の系譜。もう一つは9mmという貫通力に優れた軽量弾のドイツの系譜がある。


 それぞれ45口径には破壊力が強い代わりに貫通力は低く、弾丸が大型のために装弾数も少ない。逆に9mmは破壊力には45口径に及ばないが、貫通力は強い。同時に弾丸が小さいために装弾数も多くすることができるという特色があった。


 これらの特徴の「良いとこ取り」をしたのが10mm弾である。1983年に誕生したこのカートリッジは、弾丸の大きさも45口径(11.43mm)と9mmのちょうど中間で破壊力も貫通力も優れた弾丸であった。装弾数も9mm弾には及ばないものダブルカラム化は可能であった。

ブレンテンの特徴




 ブレンテンは1984年にその10mm弾を使用する世界初のハンドガンとして登場し、1986年に製造を中止するまでの2年間に1500丁が生産された。


 デザインはジェフ・クーパー曰く「世界最高のコンバットオート」と言われたCZ75の影響を受けたデザインでスライドをフレームが包み込む構造であった。フレームはステンレスであったが、スライドはスチール製である。


 装弾数は10発でダブルカラムマガジンを採用している割にはグリップは持ちやすく、モデルとしたCZ75のグリップフィーリングを超えるとまで言われた。


 バリエーションはオリジナルの他にフレームをオキサイド処理したオールブラックモデルやスライドをクロームメッキ処理したオールシルバーモデルもある。その他、コンパクトモデルやポケットモデル、極少数の各種モデルが存在する。


 『特捜刑事マイアミバイス』の主人公ソニー・クロケットが愛用した5インチのオールシルバーモデルはD&D社のラインナップには存在しない撮影用のモデルである。

ブレンテンの問題点



 発売直後のブレンテンはトラブルが多発した。当初、マガジンの生産が追い付かなかったのか、マガジン無しで銃本体のみが送られたこともあったようで、それ以外にも作動不良も多かったようだ。


 さらに肝心の10mm弾は高価な割に種類は少なく流通量も少なかった。そして10mm弾の性能はあまりにも貫通力が強すぎ、近距離の戦闘ではそれほどの有効性を発揮できず、ハンターのサイドアームとしては威力が中途半端過ぎたようだ。


 薄い防弾チョッキであれば貫通する性能があったため、「コップキラー」という有り難くないネーミングを頂戴するようにまでなってしまった。このため2年間で生産は打ち切り、D&D社は倒産してしまった。

ブレンテン(モデルガン)



 ブレンテンのモデルガンはメーカーからは発売されていない。

ブレンテン(ガスガン)



 管見の限り、トイガンでは1987年にファルコントーイがブレンテンガスブローバックを製作したのが最初だ。これは外部ホースでガスを供給するタイプのものだった。


 ブラックモデルとハーフシルバーモデルの2種類があった。初期のガスブローバックであり、外部ソースのみである上にバレルカバーが無く、リアリティの点から見れば残念なものだった。


 他には、2002年にマルシンが8mm固定スライドでブレンテンを作り、その後、ブローバック化されるという話もあったはずだがいつのまにかどっかに行ってしまった。


まとめ



 私はかなり好きだが、マイナーであり、あまり人気のある銃とは言えないブレンテン。モデルガン化される可能性はゼロに近いがブローバックモデルで発売される可能性はちょっとある。ちょっとだけ期待しながら待ってみよう。




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