01_ブローニングハイパワー
(画像はwikipediaより転載)

 

 FNブローニングハイパワーとは1935年に発売されたベルギーFN社製のハンドガンである。当時はシングルカラムマガジンが普通であったが、ブローニングハイパワーは弾倉内にカートリッジを交互に装填することで装弾数を増やすダブルカラムマガジンを採用。装弾数は当時の平均的なハンドガンの倍である13発という圧倒的なファイアーパワーを誇った。発売から90年近く経た今でも改良型が生産され続けている名銃中の名銃である。

 

ブローニングハイパワー(実銃)

 

 

性能

全長 200mm
重量 810g
口径 9mm口径
使用弾薬 9x19mmパラベラム弾
装弾数 13発
設計・開発 デュードネ・ヨセフ・サイーブ / FN社

 

開発

 

02_ブローニングハイパワー
(画像はwikipediaより転載)

 

ブローニングとサイーブ

 ブローニングハイパワーはその名の通り、天才、ジョン・ブローニングの設計の拳銃だ彼が最後に設計した遺作である。。。と言いたいところであるがそうではない。実は設計したのは、ブローニングではなく、デュードネ・ヨセフ・サイーブというFN社の技術者である。ではなぜ、「ブローニング」という名称が付いているのかというと、事情はこうである。当時、FN社はフランス政府の要請で9mm弾を使用する新型銃の開発を開始する。FN社から依頼を受け、この銃のプロトタイプを製作したのがブローニングである。発射機構は、ハンマー式はコルト社が特許を持っていたため使用できず、ストライカー方式としている。そしてタンジェントサイト(距離の目盛りが付いたリアサイト)装備でグリップ後部にはストック用の溝が彫ってあるものであった。

 一応、ブローニングハイパワーの歴史はこの銃から始まるのであるが、ブローニングは銃の完成を見ることなく1926年11月に他界してしまう。その後、この銃の設計を担当したのがデュードネ・ヨセフ・サイーブである。サイーブは1931年、コルト社の上記特許が失効すると発射機構をストライカー式からハンマー式に変更、1934年、プロトタイプとは全く別物の洗練された銃を開発した。外観のデザインはブローニングの設計の流れを汲むものであったが、ハイパワー最大の特徴であるダブルカラムマガジンの採用はサイーブの発案である。このマガジンを見た生前のブローニングは「これは市場では成功しない」と言っていたともいう。実際のところは分からないが、このブローニングハイパワー、名称とは異なり設計したのは完全にサイーブであったといっていい。

 

構造と特徴

 ショートリコイル機構を採用、シングルアクショントリガーを採用、マガジンが挿入されていないとトリガーを引くことができないというマガジンセイフティを採用している。全体的にシンプルな構造で高い堅牢性を持っている。最大の特徴は前述したように複列弾倉の採用である。複列弾倉を採用すると普通、グリップは太くなるが、ブローニングハイパワーは握ってみれば判るがグリップが単列弾倉の銃並に細く、非常に握りやすい。

 

バリエーション

 

03_ブローニングハイパワー
(画像はwikipediaより転載)

 

M1935

 1935年にベルギー軍がM1935として制式採用、同年フランス軍も採用する。M1935には2種類のモデルがあり、一つはミリタリーモデルと呼ばれるリアサイトがタンジェントサイトでグリップ後部にショルダーストック用の装着溝を持つタイプ、もう一つはコマーシャルモデルでリアサイトを固定式にしたモデルである。

 

P35(b)

 1940年5月、ドイツがベルギーを占領するとFN社もその管理下に置かれドイツ軍用にハイパワーの生産が行われた。このハイパワーは主にコマーシャルモデルでスライドとフレームにハーケンクロイツが打刻された。ミリタリーモデルも生産されている。これらはP35(b)と呼ばれ1940〜1944年までに31万9千挺が製造された。

 

イングリスハイパワー

 カナダのジョン・イングリス社がライセンス生産していたモデル。カナダ軍、イギリス軍、中国軍向けに供給された。

 

M1936

 1936年にハイパワーの口径を7.65mmパラベラム弾(30ルガー)、7.65mmフレンチ・ロング弾に変更したモデル。カートリッジが変更されたためグリップは前後に長くなり、スライドも後部が延長され全体的にスリムな形状になっている。SIGオートに影響を与えた。装弾数は13発。

 

ハイパワーMk2

 1981年にサムセイフティが大型化され、3点サイトが採用されたモデル。

 

ハイパワーDA

 1983年にダブルアクション機構を採用したモデル。アンビセイフティ、デコッキング機能を搭載する。1987年に一時製造中止、1990年に生産再開するが現在は生産終了。

 

ハイパワーMk3

 1989年にMk2の安全装置(内部)をさらに改良したモデル。2018年には生産中止。

 

ブローニングハイパワー(トイガン)

 

概要

 モデルガンでは、1967年に中田商店が発売、1980年にはマルシン工業がハイパワーを発売している。エアガン、ガスガンは、つづみ弾の時代から多くの会社でモデルアップされている。東京マルイ、エルエス、タナカ、アオシマ、JAC等々把握しきれないほどである。この中で特徴的なモデルを挙げると1987年に発売された東京マルイ製ガスブロHP、1993年に発売されたJAC製HP、1998年4月に発売されたタナカワークス製HPあたりであろう。

 

東京マルイ製ハイパワー(思い出語り。。。)

 東京マルイ製は発売されたのは恐らく80年代だったと思う。この時代にブローバックとはかなり先進的であった。しかし、現在みんなの頭の中にあるブローバックでは当然ない。マガジンから入れるのは弾倉ではなく小型ガスボンベである。ではマガジンは?ということになるが、マガジンは何と、スライドの後方から7mm位の棒状の弾倉を挿入するのだ。M59ブローバックが登場し、第2作目がハイパワーだった。その後、製作されなかったのでやはりダメだったのだろう。私はM59を購入したが・・・。

 

JAC製ハイパワー(思い出語り。。。)

 これに対してJACとは知る人ぞ知る、一時期は長物ガスフルオートを席巻したメーカー。現在はすでに無いが、一時期は猫も杓子も・・・という状態だった。サバゲをやっている人は現在では電動ガンを使用しているが当時はみんなエアタンクを背負ってJACのM16を持っていたのだ。

 そのJACが最後の方で出したのが当時生まれたてだったガスブローバックであった。まだ90年代前半だったはずである。当時はレイトシュートシステムであり、ガスブロは照準よりかなり下に着弾するのが普通だった。JACのガスブロもその例にもれず、5mで狙った点の1m以上、下に着弾するものだった。その後、WAがプレシュートシステムを開発して現在のガスブロ全盛時代があるのである。しかしJACのハイパワーマーク靴話罅肯匹そ侏茲世辰拭

 

マルシン製ハイパワー

 設計が古いためフレームが少し太いのが残念なところであるが、現在入手できる唯一のモデルガンHPなので貴重である。HW製。

 私もマルシンのものは持っていた。マルシンからはコマーシャルモデル、カナディアンモデル、中華民国バージョン、ビジランティというのもあった。私が購入したのはメタルフィニッシュのミリタリーモデル。メタルフィニッシュといっても当時のものは間違っても実銃には見えないテッカテッカのものであった。確かにメタルではあったがリアリティは無かった。でも当時としては精いっぱいの表面処理だったのだ。それはともかく、私が購入したモデルは異常に装填不良が多かったのが記憶に残っている。3発に1発は装填不良を起こす感じであったが、個人的には非常に好きであった。

 

タナカワークス製ハイパワー

 タナカ製ハイパワーはもっとも最近に発売されたハイパワーで外観は非の打ちどころがない。私の好きなマーク靴皀薀ぅ鵐淵奪廚気譴討い襦が、スライドストップノッチが削れやすいのとトリガーシアーバーの強度が弱いため破損が指摘されている。エンジンはWAから技術提供を受けた初期のマグナブローバックを使っている。

 このため現在の水準ではブローバックに迫力がないのとガス漏れ、冷えに弱い点、スライドストップノッチが削れやすい、トリガーシアーバーの強度が弱いため破損しやすい点等が指摘されているが、ガスガン、特にタナカワークスはロッドによって品質が全く異なるので一概には言えないので判断が難しいモデルである。

 

まとめ

 

 ブローニングハイパワーは、イギリス軍特殊部隊SASが制式採用した程の高性能ハンドガンである。ダブルカラムマガジンであるにもかかわらずグリップは細身で堅牢である。現在ではポリマーフレームオートが主流であり、ハイパワーも2017年に生産を終了している。時代の流れではあるが残念でもある。

 

 

 

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