01_ワルサーP38
(画像はwikipediaより転載)

 

 ワルサーP38は、1938年にドイツ国防軍に制式採用された自動拳銃である。画期的なダブルアクション機能を持ち、のちのハンドガンに多大な影響を与えた。日本ではアニメ『ルパン三世』の主人公が愛用している拳銃ということで有名である。さらに一昔前であれば、ナポレオンソロ、大藪春彦の小説にも度々登場する。

 

ワルサーP38(実銃)

 

 

性能

全長 216mm
重量 945g
口径 9mm口径
装弾数 8発
設計・開発 ワルサー社

 

開発

02_ワルサーP38
(画像はwikipediaより転載)

 

 ヴァイマル共和国軍は、それまで制式拳銃であったルガーP08の更新を計画していた。これに対してワルサー社は、1934年、PP拳銃を大型化、9mmパラベラム弾を使用できるようにしたワルサーMPを試作した。しかしこれはPPを大型化しただけで、機構はPPと同じストレートブローバックであった。このためスライドは非常に重い上に反動が非常に強く銃本体も脆弱であった。

 1935年、ワルサー社は、このMPにショートリコイル機構を搭載したAPを完成させる。しかし、このAPはハンマーが内蔵式であっため軍部には好まれなかったため、1937年、このAPを外部ハンマー化したのがHPである。このHPは、1938年にドイツ国防軍にP38として採用された。

 生産は、1939年から始まり1941年まではワルサー社のみで行われていたが、1942年からはマウザー社も製造を開始した。銃本体に刻印されたワルサー社のコードは「ac」で1941年までの製品である「ac41」までは高品質であったが、戦争が長期化するにつれ製品の品質が落ちていった。末期のP38は粗悪品も多かった。戦後は進駐してきたフランス軍に製造を命じられパーカー処理されたP38がフランス領インドシナに送られた。これらは外観の特徴から「グレイゴースト」と呼ばれている。

 1956年、ドイツ連邦軍は大量に接取されていたワルサーP38を再び制式拳銃として採用、1957年からはワルサー社もP38の生産を再開した。1963年10月にはワルサーP1と名称を変更した。1995年にはドイツ連邦軍の装備はP8に変更されたが、それまでに度々細部に改良が加えられている。

 機構はショートリコイル方式で、ダブルアクションを採用した。軍用拳銃でダブルアクションを採用したのはこのP38が世界初であった。他にも革新的な機構が多くあり、ダブルアクション機構はのちのS&WM39シリーズ、オープンスライドとロッキング・ラグはベレッタ92等、現在でも主流となっている銃に大きな影響を与えた。

 

ワルサーP38(トイガン)

 

概要

 P38はトイガンでも人気が高かったため多くのメーカーが発売している。モデルガンでは、1966年にMGCがダイナミックシリーズとしてタニオアクションのアンクルタイプを発売している。ショートリコイル、デコッキング機能はない。同年、中田商店もP38を発売、設計は著名なモデルガンデザイナー六人部氏が実銃を採寸して製作したものである。ショートリコイルも再現されていた。

 1968年にはMGCがダイナミックシリーズゲシュタポモデルを発売、同年、MGCから六人部氏設計のMJQが4,000挺限定で発売されている。これはショートリコイル、デコッキング機能はない。1971年にはCMCがP38を発売、1973年にはBLK式を発売している。1973年には中田商店のモデルガンを「丸真ダイカスト」として実際に製作していたマルシン工業が中田商店の金型を受け継いで金属製P38を発売する。

 1980年にはマルシン工業がショートリコイル式ABS製P38を発売、1982年にはマルゼンがエアーコッキング式を発売、1984年にはマルシン工業も同様にエアーコッキング式P38を発売した。ガスガンでは1990年にWAが固定式ガスガンを発売している。2003年にはマルゼンがガスブローバック式P38を発売。実銃の図面を基にしたものでP38の決定版といっていい。

 

マルゼン ワルサーP38 AC41ブラックモデル 18歳以上ガスブローバック

性能

全長 215mm
重量 720g
装弾数 12発

 外観の完成度は非常に高い。ショートリコイルはもちろん、細かな刻印やファイアリングピン、インジケーターも再現されている。フロントサイト、リアサイト共に金属製の別パーツ。初速は70m/s前後と平均的である。マルゼン製のガスガンなので命中精度は非常に高い。欠点としては、マガジンがシングルカラムのため冷えには弱いというのと実銃とガスガンの射程距離の違いからフロントサイトの高さが実銃よりも低いことである。価格も安く、これまでのトイガンP38の最高傑作といえる。スポット生産品である。

 

東京マルイ ワルサー P38【ホップアップ】 エアーハンドガン(10才用モデル)

性能

全長 231mm
重量 - g
装弾数 15発

 10歳以上対象のエアーコッキングガン。性能を重視しているため外観の完成度はかなり低く、マガジンも「割箸マガジン」である。初速は30m/s程度であるが、命中精度は非常に高いので室内向けであろう。

 

まとめ

 

 ワルサーP38は、世界初のダブルアクション機能を採用した軍用ハンドガンである。命中精度は高く、大戦中はルガーP08と並んで連合国軍兵士の「みやげ」として人気だった。戦後もほとんど設計に変更なく1995年までドイツ連邦軍の制式採用拳銃でありつづけた名銃である。

 

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