01_ベレッタM92
(画像はwikipediaより転載)

 

 ベレッタM92Fは80年代後半にもっとも人気のあった銃である。1985年に米軍の制式拳銃となってから一気に人気が出た。これは日本に限らずアメリカでもそうであったようだ。映画でも『リーサルウェポン』、『ダイハード』等の超有名映画の主人公の愛銃として使用されており、トイガンでも多く製品化された。現在においても人気は衰えていない名銃である。

 

ベレッタM92F(実銃)

 

 

性能

全長 217mm
重量 950g
口径 9mm口径
使用弾薬 9x19mmパラベラム弾
装弾数 15発
設計・開発 ピエトロ・ベレッタ社

 

背景から開発まで

 1951年、ピエトロベレッタ社は当時、画期的なハンドガンであったM1951を発表した。これはシングルカラムマガジン、シングルアクションのスチール製ハンドガンであった。このM1951は、イタリア軍、エジプト軍、イスラエル軍、イラク軍等に採用された傑作ハンドガンとなった。しかし、1970年代になると、この画期的なハンドガンも陳腐化していった。このためM1951を近代化させたのがM92である。

 

開発

02_ベレッタM92
(画像はwikipediaより転載)

 

 M92は1975年に完成。1976年5月から生産が開始された。ベレッタのハンドガンの特徴である上部が大きくカットされたスライドは継承しつつ、フレームにアルミ合金を使用して軽量化に成功している。さらにダブルアクション機構、複列弾倉が採用された。これにより装弾数はM1951の8発から一挙に15発となった。初期の生産モデルは「ステップスライド」とよばれる軽量化のためにスライド側面が先端からトリガー上部まで削り取られているタイプであったが、製造工程が複雑になる割には効果が得られないため廃止された。このタイプは約7,000丁生産されている。

 生産は1983年2月まで続けられ、約52,000丁が生産された。1978年には、イタリア内務省の要請により、それまでフレームにあった安全装置をスライドに移し、デコッキング機能を持たせた92Sが登場する。これは左側面のみに設置されている。マガジンキャッチはそれまでのヨーロピアンオートのようにグリップ下部にしている。この92Sは1982年まで生産された。

 1980年になると米軍時期制式採用拳銃トライアルのために改良が加えられた。これはファイアリングピンブロック、アンビセイフティ、マガジンキャッチボタンをトリガー下部に移行したもので、92SBと呼ばれる。1981年から1991年まで92SB-Cと呼ばれる銃身、グリップを短くした装弾数13発のコンパクトモデルが存在した。

 1984年にはトリガーガード前面に指掛けを追加、マガジン底部を厚くした92Fが完成した。これは1985年4月にM9として米軍に正式採用された。92FSモデルは、米軍の試験中に報告されたスライドが後方に吹き飛ぶ事故に対応したもので、スライドの脱落防止のためにハンマーピンを大型化したものである。このモデルは米軍での2017年1月にSIG社製P320がM17にその座を譲ることとなる。

 

バリエーション

 ダブルアクションのみにした上でデホーンドハンマーとしたモデルでトリガーが重いため安全装置は設置していない(設置されたモデルは92DS)。92Gは手動セイフティにデコッキング機能を付与したモデルでPAMASG1としてフランス軍に採用された。2010年よりフレーム下部に20mmレイルを装備したA1モデルが販売されている。

 ヴァーテックは銃身が短縮され、グリップがストレートタイプに変更され、フレーム下部に20mmレイルが装着されたモデルで2001年から2007年まで発売され、さらに2014年から2018年まで再販された。2015年にはベレッタM1915がイタリア軍に採用されてから100年を記念して限定500丁のセンチニアルモデルが発売された。その他、コンパクト、センチュリオン、ブリガディア、エリートシリーズ、90Two等多くのバリエーションがある。

 

93Rマシンピストル

 ベレッタM92を大幅に再設計したもので、特殊部隊用に3点バースト機能、ロングマガジン、フォアグリップ、マグナポートを備えたマシンピストルモデルである。専用のストックも装着可能である。火力が強すぎるため民間への販売は禁止されている。

 

ベレッタM92F(トイガン)

 

概要

 ベレッタM92Fのトイガンは、1980年代以降、把握できない程多い。モデルガンではスズキのベレッタM92SBが最も初期のモデルアップであろう。これはM92Fの前身モデルであるSBをモデルアップしたもので、Vシネマ『クライムハンター』の主人公ジョーカーが使用していたM92FはこのSBを改造したものであった。モデルガンではその後、マルシンとMGCがモデルアップしている。  ガスガンでは、WAは是非挙げなければならない。恐らく日本では唯一、ベレッタとの独占商標使用契約を結んでいるメーカーである。ベレッタのロゴはWAの製品での使用しか認められない。90年代には固定スライドモデルが発売されており、当時から命中精度の高さには定評があった。その後、独自のブローバックシステムを考案、これは現在のガスブロの多くに影響を与えている。  東京マルイもガスガンをモデルアップしている。東京マルイは当初はリアリティに若干見劣りする部分もあったが、現在では外観、実射性能ともにトップクラスである。外観のリアリティと実射性能の最もバランスがとれているのはKSCであろう。モデルガンメーカー出身だけあって、外観の完成度の高さは素晴らしい。最近の製品はすべて新型チャンバーを採用しており、命中精度は非常に高い。

 

WA ベレッタ M92FS INOX 〈ソルト〉

ウエスタンアームズ

性能

全長 217mm
重量 1,050g
装弾数 25発

 ベレッタ社の正式ライセンスを持つWA社の製品。カーボンスチールという独自の樹脂を使用することで重量と圧倒的なリアリティを再現している。高額ではあるが、ブルーイング処理されており、実銃とほぼ同じ重量というのは魅力的。WAのエンジンは反動が強いがベレッタに関してはシステムが古く固定ホップなのが難点。初速は70m/s前後で命中精度も高いが東京マルイやKSCに比べると若干劣る。

 

東京マルイ ガスブローバック ガスガン Beretta M92F クロームステンレス

性能

全長 216mm
重量 755g
装弾数 26発

 実射性能が最も優れいてるメーカー。外観の完成度も高い。シルバーモデルはフィンガーチャンネル付きグリップが標準装備されている。初速は70m/s前後で安定しており、命中精度は非常に高い。ただ残念なことにデコッキング機能はない。

 

KSC M9A3 タイプF システム7 HW TAN ガスブローバック

性能

全長 225mm
重量 875g
装弾数 24発

M9A3は米軍時期制式採用ピストルのトライアル用に設計されたモデルである。KSCはこのモデルを忠実に再現している。初速は75m/s前後。命中精度は非常に高い。モデルガンメーカーならではの外観の完成度の高さは秀逸。A3モデルはフレームの塗装が少し明るすぎるのが難点。M9A3のトイガンでのモデルアップはKSCのみであり貴重。

 

まとめ

 

 ベレッタM92Fは米軍に制式採用されて以降、特に80年代後半には大ブームを起こした。当時のヒット映画『ダイ・ハード』、『リーサルウェポン』等では主人公が軒並み愛用していた。当初はスライドの破損事故や9mmの威力不足等で評判が悪かったが、ベレッタM92Fは拳銃射撃に不慣れな隊員にはかなり撃ちやすい銃だという。米軍がベレッタを採用したのはコスト以外にもこういった面があったのかもしれない。

 

 


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