(画像はwikipediaより転載)
S&W M610は、10mm弾を使用するステンレス製リボルバーである。リムレス弾を使用するために専用のハーフムーンクリップ、またはフルムーンクリップを使用する。一時期は10mm弾の人気が無くなってしまったため市場から姿を消したが、近年10mm弾の人気が再燃したため再び販売されている。販売価格は987ドルである。
S&WM610(実銃)
性能
全長 304.8mm
重量 1,400g
口径 10mm
使用弾薬 10mm弾、40S&W弾
装弾数 6発
完成 1990年
設計・開発 S&W
背景から開発まで
1983年にD&D社が発売したブレンテン用に10mm弾が開発された。10mm弾とは10×25mmのカートリッジで、9mmの貫通力と45口径の破壊力の両方を得ることを目的に開発されたものであった。完成した10mm弾はセルフディフェンス用としては威力が過剰であり一部の防弾ベストをも貫通してしまうために「コップキラー」というあだ名まで付けられてしまった。ブレンテンは商業的には失敗であったが、10mm弾はそのパワーと貫通力が評価され、1987年にコルト社が発売したデルタエリートの弾薬として採用された。
開発
1990年にS&Wによって開発された10mm弾を使用するステンレス製ダブルアクションリボルバーである。M29と同じNフレームを使用しており、外観上もM29クラッシックとほとんど区別がつかないが、シリンダー長がわずかに短いことから判別が可能である。10mm弾はリムレス弾のため、装填には半月形のクリップを使用する。40S&W弾も発射可能である。クリップには満月形の6連発クリップもある。
1992年に一時製造中止になったが、1998年に販売が再開される。この際にそれまでハンマーにあったハンマーノーズが無くなりフレーム側にファイアリングピンが設置され、同時にフレーム部に安全装置が設置された。その後再び製造を中止したが、近年、市場では狩猟用としても護身用としても使用可能な10mm弾の特性が見直されつつあり、さらにNフレームという大型フレームを使用した安定性のあるリボルバーであるM610の人気が再燃しつつあった。それに呼応する形で2019年に4インチモデルと6インチモデルで三度製造を開始した。この際にグリップは黒のフィンガーチャンネル付きセンサテックグリップとなっている。
バリエーション
銃身長4インチ、5インチ、6.5インチモデルと300丁のみ生産された3インチモデル、1990年には5,000丁限定で6インチモデルが発売された。シリンダーのフルートが入ったものとノンフルートモデル等がある。
S&WM610(トイガン)
トイガンでは発売されていない。
まとめ
10mm弾は威力が強すぎ、同時に反動も強すぎるために一時は廃れたカートリッジであった。しかし狩猟用のサイドアームとしては有効であり、護身用としても使用可能であるという利便性から再び注目されている。M610はNフレームを使用するため安定性があり米国では意外と人気が高い。命中精度が非常に高いのも特徴である。
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