01_FNファイブセブン
(画像はwikipediaより転載)

 

 ファイブセブンは後方支援部隊、航空機、車両乗員等のために開発されたPDW(個人防衛火器)であP90と連携して使用することを前提に開発されたハンドガンである。カートリッジは新規に開発された5.7×28mm弾を使用、装弾数は20発であまりに貫通力が高いために2004年まで民間での販売が禁止されていた程の高性能ハンドガンである。

 

FNファイブセブン(実銃)

 

 

性能

全長 208mm
重量 645g(空マガジン装着)
使用弾薬 5.7x28mm弾
装弾数 10発、20発、30発
設計・開発 FN社

 

背景から開発まで

04_FNファイブセブン
(画像はwikipediaより転載)

 

 1989年、NATOは航空機搭乗員や車両乗員、後方支援要員の携行する次期個人防衛火器(PDW)(サブマシンガン、ハンドガン)の新しい仕様を発表した。これによれば現行の9×19mmカートリッジよりも射程距離、命中精度、貫通力が優れていることが要望されていた。サブマシンガンは、重量は3kg以下で装弾数は最低でも20発以上あること、ハンドガンは重量1坩焚次極力700gであることが望ましいとされた。

 この要望を受けFN社は既存のカートリッジではなく新たに貫通力の優れた5.7×28mm弾を開発し、同時にこの弾薬を使用するサブマシンガンP90とハンドガンファイブセブンを開発した。2002年から2003年に実施されたNATOの評価によりこのカートリッジの有効性は証明されることとなった。

 

開発

03_FNファイブセブン
(画像はwikipediaより転載)

 

 1995年、ベルギーのFN社はファイブセブンの開発を正式に発表した。翌年には試作品が完成、1998年に販売が開始された。ファイブセブンはフレームはポリマー製、スライド含め内部パーツはスチール製であるが、スライドも含め、外側は全てポリマー素材で包まれている。このためこれまでの金属製の銃で問題となっていた寒冷地での銃への皮膚の貼り付きも起こらない。

 発射機構は1994年に特許を出願、1995年に取得した銃身遊動遅延式である。これはショートリコイル方式と類似した方式で例えば、遊底に彫り込まれたレールを銃身後部の突起が「走る」ことで摩擦を生じ、スライドの後退を遅らせて薬室内の高圧ガスが一定の圧に低下してからスライドを後退させるような構造である。作動はセミオートであり、内蔵されているハンマーによって撃発する。20連マガジンにフルロードしても重量はわずか744gである。5.7mm弾はボトルネックの全長の長いカーリッジのためグリップは前後に長くなっているが、グリップの形状が工夫されているため握りにくさはない。

 発売当初のモデルはダブルアクションのみであったが、使用上不便なため、現在では、シングルアクションのみに変更されている。発射音は大きいが、9mmパラベラム弾に比べ約30%リコイルが小さく、命中精度は非常に高い。貫通力は非常に高く、米国でのテストではケプラー製の防弾ベストを貫通する能力があることが確認されている。このため発売後しばらくは軍や法執行機関のみに発売されていたが、2004年よりスポーツ用の5.7mm弾仕様でのみ民間はの販売が行われているが、現在でも議論の対象となっている。

 

バリエーション

 

02_FNファイブセブン
(画像はwikipediaより転載)

 

初期型

 1998年に発売されたモデルで、発射機構はダブルアクションのみであり、安全装置は装備されていない。スライドにはスライドを引くためのセレーションが無い代わりに後部がわずかに凹んでいる。トリガーガードは手袋をした手でも操作できるように大型化されている。

 

タクティカルモデル

 初期型の発売直後に登場、ダブルアクションのみではあったが、トリガープルは非常に短く軽かった。シングルアクションへの過渡期モデル。アンビセイフティ、スライドストップが追加されている。IOMが発売されると生産を終了した。

 

IOMモデル

 2004年に民間向けに発売されたモデルで、ピカティニー規格のレールマウントを装備、セレーション入りのスライドと調整可能なサイト、マガジンセーフティを装備したモデル。

 

USGモデル

 IOMモデルをさらに改良した民間向けモデルで角型トリガーガード、アンビタイプの大型マガジンキャッチ等が追加された。サイトは調整可能であったが、2009年からは固定サイトのモデルも発売されている。2012年に発売終了。同仕様でフレームがブラウンのFDEモデル、フレームがオリーブドラブのODGモデルも存在する。

 

Mk2モデル

 現行モデル。2013年に発表された現行モデルである。スライド前部にもセレーションが設置され、これまでグレーであった操作系統はブラックに変更、フレームはブラックと共にフラットダークアース色が発売されている。内部はこれまで2ピースの溶接であったスライドが1ピースの金属スライドとなった。

 

FNファイブセブン(トイガン)

 

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(画像はwikipediaより転載)

 

概要

 トイガンでは2009年に東京マルイがガスブローバックで発売、その後、マルシンも同様にガスブローバックで発売している。マルシンは、当初はフロンガス使用モデルを発売していたが、2014年にCO2仕様のモデルも発売された。東京マルイ製のモデルはフロンガス仕様である。元々トップクラスの命中精度で実銃から採寸された外観は細部を除けば完成度は高い。マルイの銃は箱出しでカスタムガン並の性能がある。

 

東京マルイ FN 5-7ガスブローバックガン

性能

全長 208mm
重量 740g
装弾数 26発

 東京マルイが2009年に発売したモデルで固定サイトのモデルを再現している。スライド、フレーム共にポリマー製であるが、スライド内部には金属製のシャーシがあり強度を確保している。このため反動は強いが、初速は70m/s前後と安定している。マガジンが大型であるため他のモデルに比べればガス圧は安定している。いうまでもなく命中精度は特Aレベルである。

 

マルシン 6mmCO2ガス FN5-7 FDE アルミピストン仕様

性能

全長 210mm
重量 780g
装弾数 22発

 2014年5月に発売した。2015年11月にはタンカラーモデル、2018年にはODが追加されている。モデルアップしたのはUSGモデルである。FN社の正式ライセンス取得モデルであるためロゴは正確に再現されている。

 マルシンのモデルは命中精度に関しては今ひとつのモデルが多いが、このモデルは新型チャンバーとバレルの精度を上げたために命中精度が非常に高い。初速も通常のガスハンドガンよりも若干高めで80m/s前後である。最大の特徴であるCO2はフロンガスと異なり外気温の影響を受けにくい。日本のトイガンメーカーの老舗であるマルシン製であるのでCO2ガスガンの使用が禁止されているフィールドでも使用可能な場合がある。欠点としてはCO2ボンベの価格が高いことだろう。

 マルシンファイブセブンは一度バージョンアップされている。違いはピストンで、ピストンが真鍮で造られた初期モデルとアルミで造られたモデルの2種類がある。真鍮モデルはキックは多少強いが外気温の影響を受けやすい。これに対してアルミピストンは外気温の影響を受けにくく、スライドが軽量化された分、ブローバックの速度が速い。

 

比較

 外観の完成度はどちらも同レベルである。重量はマルシンが40gほど重いが、体感的にはほぼ同じと考えてよいだろう。命中精度も同様でどちらも甲乙つけがたい。スライドの速度はCO2を使用しているマルシンの方が早く、パワーも若干マルシン製が上回る。但し、CO2ボンベはフロンガスに比べてランニングコストが高く、サバイバルゲームではCO2のガスガンが禁止されているフィールドもある。これに対してマルイ製は構造的にはベーシックなガスブロであるため、この点では有利である。どちらを選んでも後悔はしないであろう。

 

まとめ

 

 FNファイブセブンは貫通力に優れ、反動も少なく命中精度も高い上に装弾数が20発という非常に高性能なハンドガンである。同カートリッジを使用するP90のサイドアームとして使用することを想定して設計されたハンドガンであるが、高い貫通力と20発という装弾数は単体でも高性能ハンドガンと言うに十分な能力がある。民間用としても販売されているが、あまりの高性能のため議論となっている銃である。

 


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