加藤清著『全機爆装して即時待機せよ

 ヲタなら知ってると思いますが、加藤清氏は、丙飛予科練の撃墜17機のエース・・・ではなく。同姓同名の加藤清氏である。加藤清氏は、海軍兵学校73期出身。ついに実戦には出ることがなかったようである。この本は、発売当時に目を付けていたが、実戦経験がないということで、当時買わなかった。しかし最近になって、思い出しどうしても読みたくなって、アマゾンで検索したところ、古本が一冊あったので、購入した。

 今となってはかなりのレア本だと思う(笑)。だいたいこの手の本は、意外にファンが少ないので、新刊でも少しするとすぐ絶版ということがよくある。この本も新刊当時に一回書店にならんでるのを見ただけで、それ以後、一度もみることはなかった。興味がある人は、とりあえずあるうちに買っておいた方がいい。

 まあ、この本の内容は、海兵出身者のお約束(失礼!)、海軍兵学校時代の思い出から始まって、飛練時代の思い出など等。この手の戦記にはよくある内容であるが、やはり面白いと思ったのが、当時の海軍内での人間関係だろう。どうしても兵は兵。士官は士官、予備学生は予備学生で固まっていたようだ。

 この本に登場する私が知っている搭乗員は、横山保(5機撃墜のエース)、藤田怡与蔵(撃墜11機のエース)位。士官搭乗員の名前は、よく出てくるが、下士官搭乗員の名前はあまり出てこない。著者の印象には残らなかったようだ。

 この本で特に私が面白いと思うのは、著者が訓練中の事故で「臨死体験」をしていること。やはり、野原に花が咲いていて、小鳥がさえずっている中で、両親に呼ばれて意識を取り戻したという。前に見たテレビだとインド人の臨死体験は、ヒンズー教の神様が出てきたらしい。結局、臨死体験とは単に夢を見ているようなものなのかもしれない。

 あともう一つ印象に残ったのが、終戦後に紫電の武装解除をするために空輸する際、事故で亡くなられた戦友がいたという。戦争が終わって、生き残ったのに無念だったと思う。
 総評としては、空戦記を期待して買った人は、失望すると思うが、戦争に参加した人間の心情をよく著していると思う。今ならまだ入手することが出来ると思うので、欲しい方はお早めに(笑)。


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