ミニマム情報戦記

ブログタイトルは思い付きでちょいちょい変わります。 でもここら辺でタイトル固定かなぁ。。。 銃&ミリタリーがメイン。 最近は軍事書籍の書評が多いみたい・・・。よいと思ったら拍手してね!それだけが心の支え・・・。

【書評】 戸高一成『海戦からみた日清戦争』




 戸高氏の『海戦からみた』シリーズの多分2作目。タイトルの通り日清戦争を描くのだが、幕末の海軍伝習所から始まるのがあたり前といえば当たり前だが、ちょっと面白い。


 幕末に幕府内で海防が問題となった時に、「軍艦だけではダメだ。海軍生の養成が第一だ」という意見書を出した下っ端役人がいた。それが勝海舟だったという。


 勝海舟が優秀であり、自分の意見をはっきりと主張したのもすごいが、下っ端(非役の旗本・御家人)の意見を国防方針として採用した幕府もすごい。これは幕府が柔軟だったというよりも明確な方針が無かったというのが正しいだろう。


 それはそうと、日本と清国はそもそも連繋して列強と対抗するという考えもあった。しかし清国は有力な政治勢力を持たない上にお互いの対抗心や脅威感から連携相手とはみなさなくなったという。その結果、戦争が始まる。


日清戦争は単なる軍隊としてではなく、「科学技術の総合組織としての海軍の戦闘能力を示した戦争であり、その勝敗は両国の近代化の達成度を象徴するものだったのである。
(『海戦からみた日清戦争』より引用)


 日本が近代化を始めて最初の戦争が日清戦争であった。戦争の勝敗は科学技術のレベルに左右される。相手に対して高性能な軍艦や兵器を装備すればそれだけ勝率があがるのは今も昔も同じだ。


 さらに高性能な兵器を製造できる工場、その兵器の部品を作る工場、さらにその兵器を運用できる人間を育てること等の総合力が戦争の勝敗を決することとなった。



海戦からみた日清戦争 (角川oneテーマ21)

商品の説明
前例墨守こそ重職の務めとされた江戸の封建主義を、幕末の海軍建設者たちはいかに打ち砕いたのか?軍備の劣った日清戦争、その勝因とは?科学・技術・組織の刷新を不可欠とする海軍建設の歴史から、日本近代の幕開けを鮮やかに描き出す。
(amazonより転載)


 本書で面白かったのは、日本の他国との戦争はすべて朝鮮半島をめぐる争いに端を発しているという視点だ。白村江から太平洋戦争に至るまで確かに朝鮮半島に端を発しているといえなくもない。


 それと登場してからまだ20年程しか経っていない新兵器の水雷艇を集中運用して作戦を行うという発想はまだ能力が証明され切っていない航空機で真珠湾の戦艦群を攻撃するという発想と通じているという指摘も面白かった。日本軍も意外と独創性があったのだなと感じる。



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【軍事ニュース2016.1.16】 最新鋭の米戦闘機F35、岩国基地に配備

F-35B(画像はwikipediaより転載)


(CNN) 米軍の最新鋭ステルス戦闘機「F35」の岩国基地への配備が始まった。F35は米史上最も高価な兵器システムとして議論を呼ぶ一方で、アジア太平洋地域における米国防戦略の要と位置付けられている。
(cnn.co.jpより転載)


 以前、最新鋭のE-2D早期警戒機が岩国基地に配備されることが決定したが、さらに最新鋭機、F35も岩国基地に配備される。F-35とは周知のように最新鋭のステルス戦闘機で中国のJ20とは性能が「比較にならない」という。


F-35B
F-35Bは、アメリカ海兵隊のハリアー IIの後継機として使用するためのSTOVL[70]タイプ(短距離離陸・垂直着陸)。2008年7月11日初飛行。2015年7月31日に初期作戦能力を獲得した。2015年12月とされていた期限を前倒しで達成している。
(wikipediaより一部転載)
 さらに詳しい情報を知りたい方はこちら(wikipedia)


 今回配備されるのはF-35Bで垂直離着陸可能な海兵隊仕様の機体である。アメリカ以外に配備されるのは初めてだという。B型は垂直離着陸が可能ではあるが、航続距離はA型の75%程度だ。


 何故B型なのかは不明だが、B型であれば強襲揚陸艦や護衛艦いづも等からの発艦も可能といえば可能である。中国を意識したものであることは間違いないだろう。



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【書評】 米原万里『米原万里の「愛の法則」』




 友人に米原万里の本は面白いと薦められたので読んでみた。内容は軽いエッセイだが、米原氏はこの本の出版時にはすでに他界されていたようだ。


 内容はかなり軽快で面白い。すーっと読めてしまう。「男はサンプルである」という説は面白い。女が生物の正当であり、男は女にどの遺伝子を残そうか選ばせるためのサンプルなのだという。


 もちろん生物学的には全然違うかもしれないが、大事なのは「そういう視点がある」ということだ。確かに同じ性別での身長差は女より男の方が差が大きい。変質的な趣味(モデルガンとか??)を持つのも男の方が圧倒的だ。


 それと日本人が世界を見るとき、最強国に狙いを定めて徹底的にその国のことを学ぶという。かつての中国であったり、鎖国時代のオランダであったり、戦後のアメリカであったりと。


 しかし最強国の文化まで最高だとは限らない。得てして日本人は独自の文化を捨て、その最強国の文化と同一化してしまいたがることすらあるという。これは「自国の文化=民族」として必死で守る必要のなかった地理的条件から来ているのではないかということだ。


 さらには通訳者として通訳の難しさについても語っている。米原氏は通訳者でもあるので、通訳の話も面白かった。


 言葉というのはいろんな意味があり側面があるので、例えば、鋼鉄の男といえば「強い意志を持った男」であるが、「股間が鋼鉄」となればとても書けないような意味になってしまう。


 鋼鉄という言葉一つをとってもいろんな意味や用法があるというのは面白かった。というよりも米原氏の例えや書きっぷりが面白いというのもあるが。。。


 因みに本書で私が一番印象に残ったのは、米原氏が「突然神様が現れて願い事を叶えてくれる状態」になった時のために願い事を考えておいた方がいいという提案だ。


 確かに洋の東西を問わず、このような話はある。ということは私にも突然起こる可能性はあるということだ。何にしようかと考えたのだが、なかなか思いつかない。


 そういえば『魔法少女まどか☆マギカ』の中で美樹さやかが、「願いが決まらないというのは満たされている証拠」というようなことを言っていたような気がする。


 私の願いは結局、努力すればできることばかりだった。単純に努力が足りないということだろうか。これはせいぜい精進するとして、もっと実現不可能な願い事でも考えよう。



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【書評】 武井慶有『零式水偵空戦記』 




 飛行艇空戦記が意外と少ないのでとうとう水偵空戦記にまで手を出してしまった。まあ、水偵も飛行艇だけどね。内容は面白い。これは著者自身の筆によるものなのではないだろうか。描写が非常にリアルだ。


概要
 零式水上偵察機(れいしきすいじょうていさつき)は、十二試三座水上偵察機として愛知航空機により開発され、昭和15年12月に日本海軍に兵器採用された水上偵察機。 略称として零式水偵、零水とも呼ばれ、零式小型水上偵察機との違いを明確にするため零式三座水上偵察機とも表記される。略符号はE13A。連合国が名づけたコードネームはJake(ジェーク)。
(wikipediaより一部転載)
 さらに詳しい情報を知りたい方はこちら(wikipedia)


 著者は甲飛7期、飛練24期なので部隊配属になったのは昭和17年12月。ソロモン方面に配属されたのが昭和18年8月ということなので一年弱内地での配置であったようだ。


 因みに飛練24期というのは予科練の丙飛7期、8期も一緒に訓練を受けている。これらの期は太平洋戦争後期に大量投入され多くの隊員が戦死したクラスだ。


 初の戦場はソロモン諸島であった。太平洋戦争初期に水上機で編成された九三八空に配属される。ここでの作戦の描写はかなりの緊迫感だ。





 探照灯に照らされるという経験を書いた本を私は初めて読んだ。一本に照らされると数本の探照灯が集中し、前が見えなくなってしまうという。


 めちゃくちゃな操縦をして回避すると今度は突然真っ暗になるという。探照灯から脱出した証拠だ。この生々しい描写はかなりの迫力がある。


 この中で二号爆弾というものが登場する。二号爆弾とは今でいうクラスター爆弾のようなものだ。空対空爆弾といってもいい。空中で投下すると一定時間で爆弾を留めているリングが外れる。そうすると子爆弾が数発ばらまかれる。実際、撃墜戦果もあったようだ。


 ここら辺は梅本弘『ガ島航空戦上』に実際の戦果があるかもしれない。著者の貴重な経験としてはソロモン戦で陸軍中将今村均を自身の飛行艇で運んことだろう。運んでいる最中は気付かなかったという。


 トラック島空襲を地上で体験したのち潜水艦で内地に帰還する。その後、台湾沖で筆で「大」と書いたような浮遊物を見つける。


浮遊物は確かに人間の死骸のようである。浮遊物はどれもみな水ぶくれで、その胴体や手、足は丸々としていて、着用している軍服は、いまにも敗れんばかりにふくれあがっている。また、その両手両足を一杯に開いているので、上空から見ると、”肉太に書かれた「大」の字”のようにみえていたのであった。
(『零式水偵空戦記』より転載)


 「大」は撃沈された輸送船に乗っていた陸軍兵士達であったようだ。著者は哨戒中に敵潜水艦を撃沈する戦果も挙げた。もちろん撃沈された潜水艦の乗員も上記のような状態になったのであろう。戦争は絶対に起こしてはいけない。


 本書には予備学生の士官に対する不満が多く書かれている。予備学生は海兵出身の士官から殴られ、その鬱憤を予科練出身の下級兵士に晴らしていたのだという。





 そうとう頭にきていたようだ。ただ、それは一部の予備学生士官なので全ての予備学生士官がダメだった訳ではない。これは海兵出身者にも同様のことがいえる。土方敏夫『海軍予備学生零戦空戦記』等を読むと今度は予備学生側からみた海軍というのが見えて面白い。


 著者は特攻待機の状態で終戦を迎えるが、その描写は淡々としているというかどうも今ひとつ実感がわかなかったようだ。場所が大湊だったことも影響しているのだろう。


 因みに著者が実戦で使用した兵器の中に「誘発弾」というものがある。これは、磁気感応機雷を破壊するための爆弾で、長さ30cmくらいのもので船舶のスクリュー音と類似の作用を出すことができ、機雷を爆破することが可能だったという。



零式水偵空戦記―ソロモン最前線の死闘 (光人社NF文庫)

商品の説明
昭和十八年秋、落日のソロモン最前線を舞台にペア三人が一致協力、出撃すれば生還の保証なき零式水偵を駆って、夜間爆撃に敵中突破長距離索敵行に、制空権なき死闘をくり広げた海軍水上機隊―フロート付の機体を操る予科練パイロットが、知られざる大空のサムライたちの戦いの日々を赤裸々にえがいた感動作。
(amazonより転載)


 二号爆弾といい、誘発弾といい、あまり知られていない兵器があるものだと思った。二号爆弾は海軍戦闘機隊が使用した三号爆弾の前型なのだろうか。うーん、よくわからない。


 本書を読めばわかるが描写が非常にリアルだ。戦記物の多くがゴーストライターを使用しているらしいが、これは著者が自分で書いたように感じる。理由はうまくいえないが、何か行間から滲み出てくるものがあるという感じだろうか。非常に勉強になる本であった。



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【書評】 池上彰・佐藤優『新・戦争論』




 情報分析力には定評のある池上氏、佐藤氏の共著。内容は世界の紛争地帯や世界の問題地域、例えば中東、ウクライナ、北朝鮮、尖閣諸島の詳しい分析がある。


 ここらへんは両氏の専門中の専門なのでさすがにすごい。私もここら辺のことを勉強したくなったら本書を再読しようと思う。以下私が気になった部分。


イラクの日本大使館の警護はグルカ兵が担ってますよ。
(『新・戦争論』より引用)


 意外なところでグルカ兵と日本の接点があった。グルカ兵とはネパールの山岳民族グルカ族出身の兵士のこと。まあ、グルカ族というのは実際にはいないそうだけど、まあいいだろう。戦闘力が非常に高い人達だ。


世界の富は、国家を迂回して動いているんだ。〜中略〜(管理人注 教育によって)軍人が政治に関与できないような忌避反応が後天的につくられている。それは金持ちたちが自分の資産を保全するために絶対に必要なメカニズムだ
(イスラエル高官の話『新・戦争論』より引用)

 
 これは面白い発想、結構ホリエモン的な考え方だと思った。というよりもホリエモンの考え方というのは世界的にみればスタンダードなのか、それとも金持ちの発想なのかは不明。


最低三隻ないと空母は安定的に運用できません。〜中略〜中国が保有している空母「遼寧(旧ワリヤーグ)」は、〜中略〜甲板を反らせて発進させる「スキージャンプ台式なのですが、戦闘機が頻繁に墜落してパイロットが何人も死んでいます。
(『新・戦争論』より引用)


 これも知らなかったこと。カタパルトが開発出来ないという話は訊いたことがあるが、犠牲者まで出ているとは。。。因みに着艦ワイヤーも一部の国しか技術を持っていない。さらに因みに初代ワリヤーグは日露戦争で日本海軍の攻撃により自沈している。


「耐エントロピー」〜中略〜エントロピーは、もともと熱力学で拡散していく物質の属性を指す用語です。私たちが「ひとつの個体」として成り立っているのは、耐エントロピーがあるからで、これがないと自然と一体になって腐敗してしまいます。
(『新・戦争論』より引用)


 『魔法少女まどか☆マギカ』でこんな話があった気がする。エントロピーが拡散なら耐エントロピーは拡散を止める力のこと。ある程度のところでバラバラになるのを防ぐ。人類社会での耐エントロピーというのが、民族やら国民やらということになる。


池上 〜中略〜どの国でも、スパイ情報の九八パーセントか九九パーセントは、実は公開情報なのですね。それなら私にだってできる、というのが私(管理人注 池上)の基本姿勢です。残りの一パーセントか二パーセントの部分ではプロに敵わないのですが。

 佐藤 その一、二パーセントというのはだいたい要らない情報です。
(『新・戦争論』より引用)

インターネットでとくに重要なのは、マニアックなものよりも、むしろ公式ウェブサイト、ホームページです。ここにある基礎データが重要なのです。
(『新・戦争論』より引用)


 情報分析というと誰も知らない情報を持っている人や組織が行うと考えがちであるが、実際は個人の職人技という部分が大きいようだ。


 大本営参謀だった堀栄三氏も独学だったし、連合艦隊情報参謀だった中島孝親氏も独学だったはずである。戦争中、どちらも相手の動きを先読みする凄腕参謀だった。


何かを分析するときは、信用できそうだと思う人の書いたものを読んで、基本的にその上に乗っかること。その上で、「これは違う」と思ったら乗っかる先を変える。
(『新・戦争論』より引用)


 これは大事だと思う。全てに専門的になるよりも専門家を観る目を養った方がいいとヒルダも言っていた。彼女はそれでナンバー2にまで上り詰めたのだから参考にすべきかも。まあ、未来の話だけどね。それはともかく、これはそれぞれの分野の「参謀」を雇うのと同じだと私は考えている。参謀の助言があった方が作戦は成功する確率が高い。


池上 〜中略〜NHKのホームページをみると、最新のNHKのニュースが六項目か七項目に整理されていますから、それで十分です。

佐藤 CNNの日本語版のウェブサイトは、非常にいいですね。〜後略〜

池上 あとは、『ウォール・ストリート・ジャーナル』の日本語版

佐藤 有料版がすごくいいですよね。
(『新・戦争論』より引用)


 これは要チェック。この二人は専門性が高い。私がネットやテレビで観て、「なんだこいつ!!」と思ったのはほんの数人、その中の二人が両氏。私は結構、ケチをつける性格なのでこの私が評価する人というのは相当レベルの高い人だ。


 因みに両氏が紹介しているサイトは以下の通り。

NHKオンライン

CNN.co.jp

ウォール・ストリート・ジャーナル



新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)

商品の説明
最強コンビが語り下す戦略、情報術

領土・民族・資源紛争、金融危機、テロ、感染症。これから確実にやってくる「サバイバルの時代」を生き抜くためのインテリジェンス。
(amazonより転載)


 今回は引用を多用したので、ちょっと記事が長くなってしまったが、備忘録としてはかなり完成度が高いものとなったと自負している。まあ、自負するのは私の勝手だからねwww。



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【書評】 西村誠『大西瀧治郎 神風特攻を命じた男』




 以前読んだ、神立尚紀『特攻の真意』に続いて大西瀧治郎中将について書いた本を読んでみた。私が読んだ大西中将に関する本はこの二冊だけだが、どちらもどちらかというと大西中将に対して好意的である。まあ、超ざっくり書くと仕方なく特攻命令を出したということである。


大西 瀧治郎
大西 瀧治郎(おおにし たきじろう、明治24年(1891年)6月2日 - 昭和20年(1945年)8月16日)は、日本の海軍軍人。海軍兵学校第40期生。神風特別攻撃隊の創始者。終戦時に自決。最終階級は海軍中将。
(wikipediaより一部転載)
 さらに詳しい情報を知りたい方はこちら(wikipedia)


 確かに特攻を命令した指揮官でも戦後長寿を保ち、特攻隊の本を出版したりする人物に比べれば自分なりの責任をしっかりとったという点では評価できる。さらに当時の海軍全体が特攻作戦を行う方向で動き出している状況で、大西中将は特攻命令を出さざるを得なかったのもわかる。


 しかし特攻に反対することもできたのではないか。神立氏の著書と本書を読んで大西中将は結局、自主的に特攻を推進したのではないかと逆に思ってしまった。


 大西中将は豪放磊落であり、まだ安全が十分に保障されていない落下傘で躊躇しているイギリス人教官を後目に平気で飛び降りたりしたことや普段から死を覚悟している言動が多かったことからも大西中将は自分の命を捨てる覚悟というのは相当なものだったのだろう。


 逆に死ぬ覚悟をしている人間というのは人の命を奪うのも躊躇しない。むろんこれは何の根拠もないが、特攻作戦というものに対して心理的な障害は人より少なかったような気がする。


 それはそうと、本書著者西村氏は、よく必死と決死の違いとして説明される特攻に代表される必死の作戦はダメだが、生還の可能性がわずかでもある決死の作戦であれば許されるというような感覚に対しては批判している。


 僅かな可能性は実際にはないも同然である。開戦劈頭の真珠湾攻撃時の特殊潜航艇も決死であり、必死ではないが、任命された隊員は遺書を書き、敵艦隊が密集する真珠湾内に入って生還できる可能性はまずない。



大西瀧治郎 神風特攻を命じた男 (双葉新書)

商品の説明
 真珠湾攻撃の立案者の一人であり、特別攻撃隊の産みの親としても知られる大西瀧治郎海軍中将。
持ち前の豪放さで指揮を続け、戦局逼迫してからでも徹底抗戦を主張し続け、終戦の翌日、割腹自殺を遂げる。
 大和魂を具現するには特攻しかないと考えた、大西の葛藤とは何だったのか。右傾化が進むいま、その生涯と生き様を描き出す。
(amazonより転載)


 実際、その後に行われた特殊潜航艇での湾内侵入作戦は全て乗員が生還することはなかったという。これも実質的には特攻と同じであるとする。これは卓見であると思う。


 本書は出版年も新しく、それ以前の特攻に関する書籍も十分に研究している。特攻に関することを知りたければ購入しておく必要がある一冊ではあると思う。私としては今ひとつ著者の主張に乗り切れないのだが。



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【軍事ニュース 2017.1.8】 中国軍潜水艦がマレーシアに初寄港 「ソマリア沖で警備」と説明するが インド軍はピリピリ「海賊対策に潜水艦いるのか?」

ゴルフ級(画像はゴルフ級 wikipediaより転載)

 【北京=西見由章】中国海軍の通常動力型潜水艦「長城」と潜水艦救難艦「長興島」が今月3日、マレーシア・コタキナバルに入港した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が報じた。中国海軍の潜水艦がマレーシアに寄港するのは初めて。アフリカ東部ソマリア沖とアデン湾で海賊対処活動を行っていたといい、南シナ海で領有権争いを抱える両国の軍事的な接近とともに、中国潜水艦のインド洋周辺での活発な動きが裏付けられた格好だ。
(産経ニュースより引用)


 「海賊対処活動」に使用した潜水艦「長城」とは、長城200と同一の艦なのかは不明だが、同じだとすれば、建造されたのが1966年という艦齢50年の老潜水艦である。


ゴルフ型潜水艦 性能
水上排水量: 2794t(629) 2300-2820t(629A)
水中排水量: 3553t(629) 2700-3553t(629A)
全長: 98.4m(629) 98.9m(629A)
全幅: 8.2m
喫水: 7.85m(629) 8.5m(629A)
速度: 15kt/12.5kt(水上/水中)
航続距離: 70日
乗員: 80名
潜行可能深度: 300m
兵装: 533mm魚雷発射管×6、弾道ミサイル
(wikipediaより転載)

長城200 概要
 中国人民解放軍海軍に4隻(完成品2隻、部品2隻分。1隻分の部品のみという説もある)と設計図とR-11FM(核弾頭無し)が供与され、1966年に「031型通常動力弾道ミサイル潜水艦」として1隻建造しており、これを改造して水中発射能力を付与し、弾道ミサイル発射実験に使用して弾道ミサイルと弾道ミサイル潜水艦のノウハウを得たとみられる。この弾道ミサイル発射試験艦「長城200号」は40年以上の艦齢だが現在でも使用され続けているとみられる。
(wikipediaより一部転載)
 さらに詳しい情報を知りたい方はこちら(wikipediamazon)


 インド海軍は「海賊対策に潜水艦は不向きだ」と主張しているようだが、確かにミサイル原潜(戦略核を搭載した潜水艦)なので、海賊に対してはオーバースペックな気はする。海賊は許せない存在であるが、戦略核を撃ち込むのは止めた方がいい。



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【軍事ニュース 2017.01.04】  在韓米軍、沖縄へ家族脱出の避難訓練 北朝鮮の侵攻に備え

ソウル(CNN) 韓国・ソウルにある龍山米軍基地。冷たい冬空の下、家族連れが集まって雑談したりコーヒーで体を温めたりしている。北朝鮮が韓国に侵攻した事態を想定しての避難訓練とは思えない光景だ。
(cnn.co.jpより引用)


 在韓米軍の家族の避難訓練。参加者は60人程度で自由意思による参加である。車やヘリを使用して韓国南部の米軍基地に行き、そこから飛行機で沖縄に行くというもの。


 実際に沖縄にまで行ったようだが、記事にもあるように実際の避難訓練としてはあまり意味のあるものではないようだ。戦争をする米軍兵士を安心させるためというのが一番の理由のようである。



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【軍事ニュース 2017.1.4】 米空母カール・ビンソン、南シナ海で演習か 中国「遼寧」を牽制

カールビンソン(画像はwikipediaより転載)


 米太平洋艦隊は3日までに、原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群を西太平洋に派遣すると発表した。週内に西部カリフォルニア州サンディエゴを出港し、南シナ海などで演習を実施する可能性がある。南シナ海では中国軍の空母「遼寧」が艦載機の離着艦訓練を実施したばかりで、中国をけん制する狙いがあるとみられる。
(産経ニュースより転載)


 空母カールビンソンはニミッツ級3番艦で現在、米海軍が展開する原子力空母の中では3番目に古い。因みに現在米海軍が展開している原子力空母は10隻で全てニミッツ級だ。一番艦のニミッツはタイムスリップしたことで有名だ。空母カールビンソンの概要は以下の通り。


空母カールビンソン
排水量 満載 101,264 トン
全長 1,092 ft (333 m)
全幅 252 ft (76.8 m)
速力 30ノット (56 km/h) 以上
乗員 士官・兵員:3,200名
航空要員:2,480名
兵装 RIM-7 シースパロー短SAM 2基
RIM-116 RAM 2基
ファランクスCIWS 3基
搭載機 90機

カール・ヴィンソン (USS Carl Vinson, CVN-70) は、アメリカ海軍の航空母艦。ニミッツ級航空母艦の3番艦。艦名は第二次大戦前後に海軍力増強に努めたカール・ヴィンソン下院議員に因んで付けられた。生存中の人名を付けた最初の空母。
(wikipediaより一部転載)
 さらに詳しい情報を知りたい方はこちら(wikipedia)


 この空母カールビンソンが中心となり第1空母打撃群を編成する。空母打撃群とは太平洋戦争当時の任務部隊に該当する。空母1隻に巡洋艦1隻、駆逐艦2隻、攻撃型潜水艦1隻、補給艦1隻という編成だ。空母を護衛するには小規模な編成のようだが、現在の戦闘艦の戦闘力では問題ない。


 第1空母打撃群はアメリカ本土サンディエゴを拠点としており、南シナ海への到着は20日前後となりそうだ。周知の通り、この海域では中国空母遼寧が訓練をしており、そのけん制と考えられている。


 南シナ海に最も近い空母打撃群は横須賀を拠点とする空母ロナルドレーガンを中心とする第5空母打撃群である。わざわざ到着まで時間のかかる第1空母打撃群を派遣したのは中国に「面子を保たせる」目的があるのかもしれない。


 中国は予定通り訓練を終え帰投、アメリカはトランプ大統領就任に合わせ到着した空母打撃群が遼寧を追っ払ったというウィンウィンのストーリーは両国にとって理想的だ。



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【軍事ニュース 2017.01.07】 ロシア軍、シリア駐留部隊の縮小開始 まず空母撤収

Admiral_Kuznetsov_aircraft_carrier(画像はwikipediaより転載)


モスクワ(CNN) ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は7日までに、同国がシリアに展開する部隊の規模縮小を開始したと明らかにした。ロシア国営タス通信が伝えた。
(cnn.co.jpより引用)


 アドミラル・クズネツォフの性能に関しては以前の記事にあるのでそちらを約2ヶ月の作戦行動を終えたようだ。その間に420回出撃し1252人のテロリストを殺害したという。テロリスト以外の人間はその数倍は死んだであろう。アドミラル・クズネツォフの艦載機はSu-33で、15機程度が搭載されているようだ。Su-33の概略は以下の通り。




性能
乗員:パイロット1名
全長:21.19m
全幅:14.70m(折りたたみ時:7.40m)
全高:5.93m
巡航速度:M1.06
最大速度:M2.165
航続距離:1,620nm
(wikipediaより転載)


概要
Su-33(スホーイ33、スホイ33;ロシア語:Су-33スー・トリーッツァチ・トリー)は、ロシアのスホーイ社が製造する戦闘機で、Su-27の艦上戦闘機版である。非公式な愛称として「シーフランカー」がある。NATOコードネームはフランカーD(Flanker-D)。
(wikipediaより一部転載)
 さらに詳しい情報を知りたい方はこちら(wikipediamazon)


 Su-27の艦上戦闘機版である。大きな特徴としては翼を折りたためることである。さらに艦上戦闘機用の各種改良を行っている。しかし運用できる空母がロシアに一隻しかないために生産数は24機だそうだ。一説には40機程度生産されたという説もあるようだが、極少数生産なのは間違いない。


 今回の作戦では恐らくこのSu-33も初めて実戦で使用されたのだろう。何機実戦に参加したかは不明だが、アドミラル・クズネツォフの搭載機数が15機であることからその前後の機数が実戦に参加したと考えられる。


 15機として420回の出撃ということは1機当たり28回、1ヶ月当り14回出撃したということになる。かなりの頻度で出撃したようだ。



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